イルモロギ・イルモロギオン

連接歌集について

聖歌者のための本


連接歌集(露:イルモロギ、希:イルモロギオン)とはその名の通りイルモスを集めたものである。ロシアのイルモロギは調(グラス)ごとにさまざまなイルモスが集められている。イルモスとは各カノンの第1トロパリのことで、各カノン、各歌頌を「つなぐ」役割をすることからイルモス(連結)と呼ばれる。ギリシアではカノンのトロパリはすべて歌われるが、ロシアでは第1トロパリすなわちイルモスだけが歌われるようになった。

日本では明治42年1月に出版された。1ページから178ページまでは各調のイルモス、179から187ページまでは降誕祭前期と神現祭前期の歌頌、188ページ以降は、さまざまな奉神礼に必要な歌で、ほかの祈祷書に分散されているものが聖歌者や誦経者が用いやすいように収録されており、実施の仕方も説明されている。

とくに大斎のカノンや祭日の讃歌など連接歌集を熟読すると実施方法が理解できる。

連接歌集 目次

1 第一調の「イルモス」 主日、祭日、八調経、三歌斎経などのイルモスが調(グラス)別に記載されている。祈祷書にイルモスの冒頭だけが書かれていることがあるが、そういう場合、聖歌者は連接歌集で探して用意する。
14 第二調の「イルモス」
26 第三調の「イルモス」
31 第四調の「イルモス」
45 第五調の「イルモス」
52 第六調の「イルモス」
60 第七調の「イルモス」
65 第八調の「イルモス」
76 ハリストスの降誕祭前期の「イルモス」
78 神現祭前期の「イルモス」
80 聖体礼儀の歌章の次第 他の祈祷書に含まれない、日替わりでない聖体礼儀の聖歌が載っている。第一第二アンティフォンは省略なしで、聖詠全体が掲載されている。また右詠隊、左詠隊など歌い方の指示もされる。
87 大齋の晩課及び先備聖體禮儀歌ふ所の「主よ爾によぶ」
90 主日の八調の生神女讃詞
92 平日の八調の生神女讃詞
99 八調の品第詞
105 八調の聖三の讃歌及び平日規程に附する所の歌頚の諸句
115 主日及び諸祭日に附する所の歌頌の諸句
120 大齋に歌頌及び規程を誦すべき示定 大斎の早課カノンで、旧約聖書の預言者の歌頌とカノンのトロパリを組み合わせる方法が指示されている。参考
121 諸預言者の歌頌 各歌頌の預言者の歌頌全文
129 主日の「ネポロチニ」後の復活讃詞
130 主日の早課の八調の提綱
130 主日の讃詞「ハリストスの復活を見て」
131 税吏の主日以後の讃詞「生命を賜ふ主よ」 いわゆる「ファリセイの光栄」
131 第五十聖詠の後祭日に「生神女の祈祷に依りて」に代へて歌ふ所の諸句
132 主日及び祭日に歌ふ所の「凡そ呼吸ある者
133 「生神童貞女よ爾は至りて讃美たる者なり」
133 大詠頌
134 「スボタ」の「ネポロチニ」後の死者の為の讃詞
135 聖「パスハ」の奉事
143 祭日の多燭詞及び讃揚詞并に抜粋聖詠 祭日の「讃歌」と讃歌とともに歌う聖詠。讃歌はスラブ系のみの伝統なので、祭日経などには含まれない。
154 祭日の第九歌頌の附唱