教区定例学びの会 第55回 神戸
3月21日春分の日、神戸教会で、第55回教区定例学びの会が開始されました。今回の講師は人吉教会を拠点に九州の教会を管轄されているパウェル及川信神父です。テーマは「神父になったサムライ――坂本龍馬のいとこ――」と題して、日本正教会の最初の受洗者の一人、かつ最初の邦人司祭であるパウェル澤邊琢磨師の生涯。参加者は近隣教会を中心に十八名でした。
パウェル神父は、江戸出奔の不名誉な理由ではありましたが、結果的に師を、東北地方の流浪を経て函館での聖ニコライとの出会いに導いた「時計事件」をはじめ、いくつかの興味深いエピソードを交え、その生涯をご紹介くださいました。お話しはしかし、ただエピソードをちりばめるのではなく、「求める人」澤邊琢磨師が求めて故郷を出てゆき、ハリストスの福音宣教のための地を求めて同じように故国を遠く離れて来日した「求める人」聖ニコライと出会った、「求める人」どうしの出会の物語をくっきりと浮かび上がらせ、強い印象を与えるものでした。
講話後は、学びの会のあと予定されていた主教区司祭会議に出席のイオアン小野神父から、大震災の正教関係の被害状況の説明があり、罹災者のみなさんに一日も早く復興の日がおとづれますよう祈りつつ、閉会いたしました。
写真は、熱っぽく語るパウェル神父。