領聖感謝祝文



領 聖 感 謝 祝 文

神や光栄は爾に帰す、神や光栄は爾に帰す、神や光栄は爾に帰す。

  第一祝文
主吾(わが)神や爾我罪人を棄てずして、尚爾の聖なる機密に与る者と致させ給ふを爾に感謝す。我堪えざる者に、爾が至浄なる天の賜(たまもの)を受るを容(ゆる)し給ふを爾に感謝す。主宰人を愛するの主、我らの為に死して復活し、我が霊(たましひ)と体に恩を与へ、之を聖にするが為めに我らに此の恐る可くして生命(せいめい)を施すの機密を賜ひし者や、求む此の機密は我にも霊と体を癒し、凡(およそ)の敵の害を駆り我が心の目を明(あきらか)にし、我が霊の力を平安にし恥を得ざるの信とし偽なきの愛とし、叡智を充たし爾の誡(いましめ)を守らしめ爾が神妙の恩寵を益(ま)し、爾の国を嗣がしむる者となるを得せしめ給へ。此(かく)の如く是の機密にて爾の聖に護られ、常に爾の恩寵を思ひ復(また)己(おの)が為に生活せず、乃(すなわち)爾吾(わが)主宰と恩主の為に生活し、以て、永世の望を懐いて此の世を離れ、永遠の息(いこい)彼の祝する者の絶えざる声と、爾が顔(かんばせ)の言ひ尽されぬ美善を見る者の限なき楽(たのしみ)の所に至らん。蓋(けだし)ハリストス吾神や、爾は爾を愛する者の真の望みと言ひ尽されぬ楽なり。凡そ造を受けし者は爾を世々に讃歌ふ。「アミン」

  第二祝文 聖大ワシリイの原文
主宰ハリストス神万世の王万物の造者や、凡そ我に賜ひし所の諸善、且至浄なる生命(せいめい)を施すの爾の機密を領けさせ給ひしを爾に感謝す。又爾に祈る、至善にして人を愛するの主や我を爾が庇(おおい)の下(した)に爾が翼の蔭に護り、我に呼吸の絶えんとするに至る迄潔(いさぎよ)き良心を以て当然に爾の聖体聖血を領け、以て罪の赦と永世を得るをいたさせ給へ。蓋爾は生命(せいめい)の糧、聖を為すの泉、諸善を賜ふの主なり。我等爾と父と聖神 に光栄を帰す、今も何時も世々に。「アミン」

  第三祝文 「メタフラスト」の原文
吾(わが)造成主、甘じて己の身を糧として我に与へ、火にして不当者を焚く者や、求む我を焚く勿れ。乃吾が百体諸節(しょせつ)心腹(しんぷく)に入り、我が諸罪の荊(いばら)を焚き、霊を浄め思いを聖にし節(ふし)と骨を固め、五官を明にし、吾が全身を爾を畏るるの畏に釘うち、常に我を庇い我を保ち我を霊を害するの諸(もろもろ)の行と言(ことば)より護り、我を浄め我を滌(あら)い我を飾り、我を治め我を啓き我を照し、我がまた罪の住(すまい)たるに非ずして、独(ひとり)爾が聖神 の住たるを顕し、凡の悪者凡の欲は我(われ)聖体の入(い)るに依りて爾の家となりし者より逃(にぐ)る事火より逃るが如くならしめ給へ。我(われ)転達者(てんたつしゃ)として、諸々の聖者乃諸品の神使、爾の前駆、智慧(ちけい)なる使徒及爾の無てん至浄の母を爾に奉る。慈憐の主吾ハリストスや、彼らの祈祷を容れてなんじの役者(えきしゃ)を光の子となし給へ。蓋独至善の主や、爾は我らの霊の成聖と光明なり。我ら皆神(かみ)と主宰に宜(よろし)き所の如く日々に光栄をなんじに献ず。

  第四祝文
主イイススハリストス吾神や、願は爾の聖体は我がために永世となり、なんじの尊血は罪の赦とならん。願はこの感謝の祭は、我が為に喜悦と壮健と安楽とならん。又祈る、爾の畏る可き再度の降臨の時、我罪人に爾が光栄の右に立つを得せしめ給へ。爾が至浄の母と諸聖人の祈祷に依りてなり。

  第五祝文  至聖生神女に捧ぐ
至聖なる女宰生神女、我が昧みたる霊の光、吾憑恃(たのみ)と庇と隠処(かくれが)と慰藉(なぐさめ)と歓喜(よろこび)や、爾が我堪へざる者に爾の子の至浄の体至尊の血を領る者となるを得しめ給ひしを爾に感謝す。今祈る、真の光を生みし者や我が心の眼を明(あきらか)にせよ。不死の泉を生みし者や我罪に殺されたる者を生かし給へ。仁慈なる神の慈愛の母や、我を憐み吾心に感動と悲痛、吾思に謙遜、我が意念(いねん)に擒(とりこ)より回(かえ)さるるを賜ひ、我に呼吸の絶えんとするに至るまで罪を獲(え)ずして、至浄なる機密の成聖を受けて霊体(れいたい)の医(いやし)を得るを致し、並に我に痛悔と承認(うけとめ)の涙を与へて生涯爾を歌頌讃栄せしめ給へ。蓋爾は世々に讃美と光栄を満被(みちこうむ)る。「アミン」