なごや「聖歌」だより 5 2002年8月号
第2回聖歌練習会報告 7月14日
7月14日第2回聖歌練習会が行われました。暑い中でしたが17名が参加し、聖歌の流れ、内容について学びました。前回に続いて「聖体礼儀の流れ」を学び、聖体礼儀がどういう仕組みでできているか、どういう点に気をつけたらいいか、など、具体的に学びました。
午後からは実習で、埋葬式の単音聖歌の練習をしました。
正教会のお祈りを一幕のお芝居にたとえてお話ししましたが、お祈りの内容はすべて、祈祷書という台本に書かれています。
それぞれの聖歌が、お祈りの中のどんな場面かを考えながら歌います。場面を考えると言うことは、至聖所の中でどんな祈りが行われているか、どんな動きが行われているかに心を配ることでもあります。たとえば、「ヘルビム」の時は、司祭は、聖堂内に香炉を振り、宝座の前で祈りを唱え、奉献台に香炉をふり、ディスコスとポティールを持って出てきます。ヘルビムの歌はその時間を満たさねばなりません。
「親しみの捧げ物」から「主や爾を崇め歌い」の部分は聖変化といわれる、一番大切な祈りです。ここで司祭は、私たちの捧げたパンとぶどう酒が聖神の力をいただいて、主のお体と血になるように祈っています。キリスト教の初期にはこの祈りは信徒も一緒に祈っていたそうです。今では聖歌隊は別の歌を歌っていますが、司祭の祈りに心を馳せ、至聖所も聖歌も、教会が一つになって祈ります。
司祭、堂役、誦経者、聖歌者など、役割分担をしながら、一つの「いき」になって祈る、それが正教会の祈りだろうと思います。特に役割もない黙って参祷するだけ、と思っておいでの方たちも、十字を描き、祈ることで、大切な役割を担って参加しています
聖歌の名称
トロパリ(讃詞)5 八つの調
「今日は何調?」よく聞かれる話題です。いったいなんだろう、と思っていらっしゃる方が多いと思います。日曜日のトロパリは八週間ひとめぐりで、1調から8調をめぐります。お祭りのトロパリにも○○調という指示書きがあります。
「調」はなんだか難しそうに聞こえますが、実は、簡単なメロディの組み合わせで、言ってみれば、替え歌で聖歌を歌うための道具なのです。
お祭りのトロパリも、また、新しい歌と思わないで、試しに、まず、「替え歌」と思ってで歌ってみてください。ちょっと気楽になりますよ。
主日トロパリ以外にも、たとえば、トロパリ1調は、聖体礼儀の第1アンティフォンや真福九端のメロディに使われています。ドドレレミ、ドドレミファ、ミミミミレドです。多少ことばの具合を調整するために変化がついていますが、主日トロパリ1調も十字架のトロパリ「主や爾の民を救い」も全部おなじメロディです。
トロパリ4調はニコライのトロパリと同じです。主日4調は「主の女弟子は、復活の光るおとずれを」、降誕祭のトロパリ「ハリストス我が神や、爾の降誕は世界に智恵の光を照らせり」も4調です。
トロパリ八調は「常に福」と同じです。主日8調は、「めぐみ深き主や、」一時課の終わりの「生神童貞女や慶べよ」も同じメロディで歌えます。