第六編
諸聖神°父の會聚祭の総奉事



斯の奉事はパスハ後第七主日、又七月二十九日神°品致命者聖アフィノゲンの記憶の後、又十月二十四日聖使徒フィリップの記憶の後に之を行ふ。

  スボタの晩課
  「主よ、爾に籲ぶ」に讃頌(スティヒラ)、第六調。
主よ、爾は黎明(しののめ)の前に腹より生れたり、父より母なく世世の先なり。アリイは爾を造物と為し、神として讃栄せず、狂暴を以て無知に爾造物主を諸造物に混じて、己の為に永遠の火を蓄ふ。然れどもニケヤにありし會は爾を神の子、父及び聖神°と同座なる者として傳へたり。
救世主よ、孰(たれ)か爾の衣を裂きたる、アリイなりと爾言へり、三者の同尊なる本原(ほんげん)を截(き)り分けたる者なり、彼は爾を三者の一と承け認めざりき、彼はネストリイにも生神女と言はざるを教う。然れどもニケヤにありし會は爾を神の子、父及び聖神°と同座なる者として傳へたり。
光を観ることを悪みたるアリイは罪の崖より墜ち、霊妙なる鈎(つりばり)にて其中は掻き裂かれて、強ひて悉くの臓腑と生命(いのち)とを出だし、彼は其意旨(こころ)と容態(さま)とを以て他のイウダと為りたり。然れどもニケヤにありし會は爾を神の子、父及び聖神°と同座なる者として傳へたり。
無知なるアリイは至聖三者の惟一の本原を断ちて、三つの同じからず相合はざる性と為せり、故に捧神なる諸神°父は勇み集ひて、熱心に燬(や)かれて、フェスワのイリヤの如く、属神°の剣を以て、聖神°の彼等に諭ししに従ひて、不遜を教へたる褻瀆者(せつどくしゃ)を斬る。
  光栄、第六調。
我等今聖神°の奥密の角(らっぱ)たる捧神なる諸神°父、教會の中に神學の調和したる歌を歌ひて、神性の惟一なる変易せざる三者を讃栄せし者、アリイを斃(たお)しし者、正教者を防ぎ衛りし者、常に主に我等の霊の救はれんことを祈る者を讃め揚げん。
  今も、生神女讃詞。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讃美せざらん、云云

  聖入。本日の提綱(ポロキメン)。

  創世記の讀 十四章
アウラムは其親戚ロトの擄(とりこ)にせられしを聞きて、其家僕三百十八人を率ゐ、敵を追ひてダンにまで至り、爰(ここ)に諸僕と偕に夜に乗じて彼等を攻め、彼等を破りて、ダマスクの左なるホワルまで彼等を追へり。斯くして凡(およそ)のソドム人の馬を取り回(かえ)し、己の親戚ロト、其悉くの所有、及び婦女(おんな)と人民(たみ)とを取り回(かえ)せり。アウラムがホドロゴモル及び彼と偕に在りし王等を撃ち破りて帰れる時、ソドムの王はサワィンの谷、即ち今の王の野に出でて、彼を迎へたり。時にサリムの王メルヒセデクは餅(パン)と酒とを携へ出でたり、彼は至上なる神の司祭たりき、彼アウラムを祝して曰へり、アウラムは天地を造りし至上なる神に祝福せらるる哉、爾の敵を爾の手に付(わた)しし至上なる神は祝讃せらるる哉。
  申命記の讀 一章
彼の日モイセイはイズライリの諸子に謂へり、視よ、我爾等の前に在る斯の地を爾等に與へたり、入りて之を嗣げ、此れ主が爾等の先祖アウラアム、イサアク、イアコフに誓ひて、之を彼等と其後の子孫とに與へんと云ひし地なり。彼の時我爾等に謂ひて曰へり、我一人にて爾等を任ずる能はず、主爾等の神は爾等を増加せり、視よ、爾等今日衆(おお)きこと天の星の如し。願はくは主爾等の先祖の神は爾等を増して、今より千倍ならしめ、又爾等を祝福せん、其爾等に言ひしが如し。我爾等の中より智慧及び思慮あり且つ練達なる人々を取りて、爾等を治めん為に千人の長(おさ)、百人の長、五十人の長、十人の長と為し、又爾等の士師(さばきびと)の書記と為せり。彼の時我爾等の士師に命じて云へり、爾等其兄弟の中の訴(うったえ)を聴き、此の人と彼の人との間を正しく審(さば)け、外来の人に於ても然(しか)せよ、人を視て審判(さばき)すべからず、少(ちいさ)き者にも大いなる者にも聴くべし、人の面(おもて)を懼るべからず、審判(さばき)は神の事なればなり。
  申命記の讀 十章
彼の日モイセイはイズライリの諸子に謂へり、視よ、天と諸天の天、及び地と凡そ其中に在る者は、皆主爾の神に属す、然れども主は唯爾等の先祖を納れて、之を愛し、及び其後の裔(すえ)たる爾等を万民の中より簡(えら)べり、今日の如し。故に爾等心に割禮を行へ、復(また)強項(かたくな)なる毋(なか)れ。蓋し主爾等の神は此れ諸神の神、諸主の主、大いにして権能(ちから)ある、畏るべき神にして、人を偏り視ず、賄(まいない)を受けず、外来の者と孤(みなしご)と寡(やもめ)との為に審判(さばき)を行ひ、外来の者を愛して、之に食物と衣服とを與ふ。爾等も外来の者を愛せよ、自らもエギペトの地に於て外来者たりし故なり。主爾の神を畏れ、彼のみに事(つか)へ、彼に著(つ)き、彼の名を以て誓へ、彼は爾の譽(ほまれ)、彼は爾の神、爾が目の覩(み)し所の此の大いにして光栄なる事を爾の為に行ひし者なり。
  リティヤに本堂の讃頌(スティヒラ)。
  光栄、第三調。
聖なる諸神°父よ、爾等は使徒の傳の確實なる守護者たりき、蓋し聖三者の一性なることを正しく教へて、公會を以てアリイの褻瀆(せつどく)を除き、彼と共に亦(また)聖神°に敵せしマケドニイを譴責し、ネストリイ、エウティヒイ及びディオスコル、サワェリイ及びセワィルを定罪せり。祈る、我等が彼等の迷(まよい)を脱(のが)れて、信に玷(きず)なくして我が生命の護られんことを求め給へ。
  今も、生神女讃詞。
爾は種なく聖神°に由りて、父の旨を以て、云云
  挿句(くづけ)に八調経の讃頌(スティヒラ)。
  光栄、第四調。
ニケヤの光明なる城(まち)に全世界より集まりたる捧神なる諸神°父の周年の記憶を、我等正教人の會は今敬虔の心を懐(いだ)きて正しく祝ふ、蓋し彼等は神聖の智識を以て狂妄(きょうぼう)なるアリイの神に逆(さか)ふ教(おしえ)を斃(たお)し、公會を以て彼を公教會より逐(お)ひ、衆人に詳らかに神の子が神父(かみちち)と一性同永在にして、世世の先より居る者なるを承け認めんことを教へ、信経の中に慎みて明らかに之を述べたり、故に我等も彼等の神聖なる定理に順(したが)ひて、堅く信じて、父と偕に子及び至聖神°、三位にして一性なる惟一の神に役(つと)む。
  今も、生神女讃詞。
至りて玷なき者よ、爾が僕婢の祈祷を顧みて、云云
  餅を祝福する時に讃詞(トロパリ)。
生神童貞女よ、慶べよ、云云 二次
  又諸聖神°父の讃詞(トロパリ)、第八調。
崇め讃めらるる哉ハリストス我等の神、光明として地上に我が諸神°父を立て、彼等を以て我等衆を眞の教に導きし者や、至りて慈憐なる主よ、光栄は爾に帰す。 一次

  早課
 「主は神なり」に主日の讃詞(トロパリ)、二次。
  光栄、諸聖神°父の讃詞(トロパリ)。
  今も、生神女讃詞。
我等の為に童貞女より生れ、十字架に釘うたるるを忍び、云云
  カフィズマの後に八調経の坐誦讃詞(セダレン)。
 規程(カノン)は、復活の、イルモスと共に四段、十字架復活の、二段、生神女の、二段、又諸聖神°父の、六段。聖にせられし全地の総主教(パトリアルフ)ゲルマン師の作。第六調。
  第一歌頌
イルモス、イズライリは陸(くが)の如く淵を踏み渡り、追ひ詰めしファラオンの溺るるを見て呼べり、凱歌(かちうた)を神に奉らん。
天よりするが如く、ニケヤより活ける父の言を普(あまね)く轟かして、其諸敵を雷(いかずち)に殺されたる者と為しし聖神°父等は聖にせられし言を以て尊まるべし。
ハリストスは聖神°父等を第二の公會に合せて、神°に逆(さか)ふ者の悪しき神°を聖神°を以て己の教會より遠く逐ひ給へり。
公會の長座たるキリル、明らかに童貞女マリヤを神の潔き母と承け認めたる者はハリストスに逆ふネストリイの迷(まよい)を斥けたり。
  生神女讃詞
潔き者よ、爾は造られざる三者の一なるハリストスを二性二旨の者として生めり、彼は爾に由りて人人を諸天使と合せ給へり。
  第三歌頌
イルモス、爾が信者の角を高うし、我等を爾が承認(うけとめ)の石に堅めし仁慈の主、吾が神よ、爾と均しく聖なるはなし。
無智なるアリイは造物の役者と為り、マケドニイも亦憎むべき者と現れて、二人ながらエルリン人と同じく火のゲエンナに苦しむ。
ハリストスよ、爾は聖なる諸神°父の聖にせられし七つの公會を以て、七つの燈(ともしび)の光を以てするが如く、尊き教會を照して、迷の幽闇(くらやみ)を遠く逐ひ給へり。
言よ、諸異端者の多種の瘡(かさ)は爾の牧群を悩ます、然れども爾の霊智なる羊の牧者は教を以て之を醫(いや)す。
  生神女讃詞
至浄なる者よ、爾は造られざる三者の一を二性二旨の者として生み給へり、我等は彼の尊き像(すがた)に伏拝して、恩寵に満てらる。
  復活の小讃詞(コンダク)及び同讃詞(イコス)。
  次に諸神°父の坐誦讃詞(セダレン)、第四調。
福たる諸神°父よ、爾等は誠に世界の為にハリストスの眞實の至りて光りたる燈として地上に現れて、悪言の異端を涸(か)らし、焦熱の褻瀆(せつどく)を滅(け)せり、故にハリストスの成聖者として、我等の救はれんことを祈り給へ。二次
  光栄、今も、生神女讃詞。
至りて讃美たる潔き童貞女よ、爾は己の神聖なる産を以て慾の中に朽ちて死したる地上の者の性を新たにして、衆を死より不朽の生命に起し給へり。故に我等皆職として爾を讃揚す、爾の預言せしが如し。
  第四歌頌
イルモス、尊き教會は浄き心より主の為に祝ひ、神に適ひて呼び歌ふ、ハリストスは吾が力と神と主なり。
救世主よ、爾の敵は騒ぎ、爾を悪む者は僅かに首(こうべ)を挙げたれども、属神°の角(らっぱ)の声に勝(た)へずして、遽(にわか)に墜ちたり。
日よりする二つの日の如く、父より造られざる同無原なる子及び聖神°は輝きて二倍に光る、父は二つの者の惟一なる原因として信ぜらる。
七つの神°はハリストスに止(とど)まれり、イサイヤ之を言へり、七つの公會にハリストスは父及び聖神°と偕に止まり給へり。
  生神女讃詞
潔き童貞女よ、爾は己の浄き血より身を取りし神を生み給へり、諸神°父は彼を二性一位なる主として傳へたり。
  第五歌頌
イルモス、至仁なる神の言よ、切に祈る、爾に朝の祈祷を奉る者の霊を爾が神の光にて照して、爾罪の暗(やみ)より呼び出だす眞の神を知らしめ給へ。
ハリストスの神聖なる葡萄の樹、エギペトより移されたる者を暗黒なる残害者の野獣は始めて食らへり、然れども聖なる神°父等の投石索(いしなげ)にて遠く逐はれたり。
尊き神°父等は神聖なる三光の輝きにて智慧を照して、至尊なる三者の一なるハリストス主を二性二旨の者として傳へたり。
  三者讃詞
嗚呼三者や、叡智なる諸神°父に由りて、教會は有形の世に在りて天上のセラフィムの如く常に爾に三聖の歌を奉りて、三位の中に爾の惟一なる神性を讃栄す。
  生神女讃詞
潔き者よ、爾は己の子の母及び婢(しもめ)と為れり、蓋し爾より生れし者は爾の造成者として爾より先に在りき、我等は彼を二性の者と知りて、一位なる言として讃栄す。
  第六歌頌
イルモス、誘惑(いざない)の猛風(あらし)にて浪の立ち揚がる世の海を観て、爾の穏やかなる港に著きて呼ぶ、憐み深き主よ、我が生命を淪亡(ほろび)より救ひ給へ。
諸神の神主は言を出して、全地を東より西に至るまで召し給へりと、ダワィドは先に歌ひて、諸神°父の全地の公會を示せり。
主宰よ、神の智慧は七つの柱を建てたり、是れ爾の教會を聖にせられし諸神°父の七つの公會を以て諸の異端に動かされぬ者として護るなり。
恥はハリストスの二性の混合を漫(みだり)に唱へしエウティフ及びディオスコルの面を蔽ふべし、蓋しハリストスは幻像(まぼろし)ならずして、實體に地上の者の性を受けて、之を神成し給へり。
  生神女讃詞
ネストリイはエウレイ人の暗き會の中に隠れ、其褻瀆(せつどく)の舌は斬らるべし、蓋し童貞女マリヤは我等の為に身を取りし神を生み給へり。
  小讃詞(コンダク)、第八調。
諸使徒の宣傳と諸神°父の定理とは教會の為に惟一の教を固めたり、斯く教會は天上の神學が織りたる眞實の衣を衣て、神の教の大いなる奥義を正しく解き、且つ讃栄す。
  同讃詞(イコス)
我等神の教會が声高く宣傳して呼ぶを聞かん、渇く者は我に来りて、我が執る所の爵を飲むべし、此れは智慧の爵、我眞實の言を以て此の飲料(のみもの)を斟(く)めり、此れ反論に非らずして承認(うけとめ)を注ぐ水なり、之を飲む今のイズライリは斯く宣ぶる神を見る、視よ、視よ、此れ我自らなり、変らざる者なり、我は始(はじめ)の神なり、我其後にもあり、我の外一も他の神なしと、之を飲む者は飽くを得て、神の教の大いなる奥義を讃め歌はん。
  第七歌頌
イルモス、神の使(つかい)は潔き少者の為に爐(いろり)に露を出ださしめ、ハルデヤ人を焼く神の詔(みことのり)は苦しむる者に呼ばしめたり、吾が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
昔ダニイルはワワィロンの蛇を壊れり、諸神°父の祈祷に因りてエギペトの残忍の蛇たるアリイ、ハリストスの牧群を食らふ者は裂かれたり。
赦すべからざる不敬虔に燃ゆる狼たるマケドニイは人人を神成する神°、聖洗の浴盤を以て衆信者に原始(はじめ)の美(うるわ)しきを衣(き)する主に抗敵せり。
ディオスコルと、エウティフと、鰐たるセウィル、ハリストスの二性を混合し混雑する三人(みたり)は強暴を以て尊き三者に抗敵せり。
  生神女讃詞
主宰よ、我等は爾の肉體の姿の聖像、又爾の母及び衆聖人の聖像に慎みて接吻して、尊敬が原像に帰するを正しく識る。
  第八歌頌
イルモス、ハリストスよ、爾は潔き者の為に焔より露を注ぎ、義人の祭の為に水より火を出せり、爾は一つの望みにて萬事を行ひ給へばなり、我等爾を世世に讃め揚ぐ。
一つの根よりする二つの芽の如く、子及び聖神°は輝けり、蓋し父は惟一の原因なり、年に縁らざる者は年に縁らざる二位と同尊なる者なり。
父及び聖神°と一性なる言よ、爾は年に縁らずして無形の腹より輝けり、然れども我等の為に惟一の生神女の年に縁る有形の腹に入り給へり。
神聖なる七数(しちすう)の公會の諸神°父の属神°の火に燃ゆる箭(や)は敵なる異端者の冷やかなる心に刺されて、彼等を死に至らしめたり。
  生神女讃詞
童貞女よ、我等は惟一のハリストスに於て二つの位を承け認めず、又其二つの性を混淆(こんこう)して合はするなし、蓋し爾の子及び造成主は一位にして二性なる者なり。
  第九歌頌
イルモス、天使の品位すら見るを得ざる神は、人見る能はず、唯爾至浄の者に依りて人體を取りし言は人人に現れ給へり、我等彼を崇めて、天軍と偕に爾を讃め揚ぐ。
我が醇正なる教、我等が信を以て此れに於て洗せられし所の者の聖なる傳に一も加へ、或いは之より除くべからず。斯の教を變ずる者は實に詛(のろい)の罰に服す。
我等皆心に歓喜(よろこび)を懐きて、聖にせられし公會の諸神°父を尊まん、蓋し彼等に由りて醇正なる教の光を観たり、彼等は衆を眞の教に導く燈と現れたればなり。
我等は霊の為に潔浄(きよめ)を求めて、敬虔に生(いのち)を送ることを務めん、眞の教の富を其諸子たる我等の為に蓄へたる聖なる諸神°父に與る者と為らん為なり。
  生神女讃詞
神の母よ、神は爾の胎内より輝き出でて、人類を神成し、凡そ爾を常に眞の生神女と傳ふる者を其光栄を継ぐに勝(た)ふる者と為し給へり。
  光耀歌
我等今日神聖なる諸神°父の記憶を祝ひて、爾に祈る、慈憐の至りて深き主よ、彼等の祈祷に因りて爾の民を諸の異端の害より脱れしめて、衆に父と言と至聖なる神°とを讃栄するに勝(た)へさせ給へ。 
  生神女讃詞
神の宮よ、慶べ、樹蔭繁き山よ、慶べ、焚かれぬ棘よ、慶べ、光栄の寳座よ、慶べ、神聖なる筵(えん)よ、慶べ、純金の壷よ、慶べ、至りて光明なる燈よ、慶べ、軽き雲たる童貞女母マリヤよ、慶べ。
 「凡そ呼吸ある者」に復活の讃頌(スティヒラ)四章、又諸神°父の、四章。第六調。
尊貴にして至りて福たる諸神°父は悉くの霊の知識を聚(あつ)め、又神聖なる神°に照されて、尊き信経を録(しる)し、其中(うち)に正しく使徒の教に従ひて、明らかに神の言が之を生みし者と同無原にして、一性なることを教ふ。二次
句 主我が先祖の神よ、爾は讃揚せられ、爾の名は世世に讃美讃栄せらる。
福音の教及び敬虔なる傳の守護者且つ傳道師たる至福なる諸神°父は聖神°の光照に照らされて、簡短なる詞(ことば)と多くの智慧とを以て神より賜はりたる醇正の教を宣べ給へり。
句 我の聖者、祭を以て我と約を結びし者を我が前に集めよ。
ハリストスの眞の僕たる諸聖神°父は義なる怒りを起して、害を為す狼を逐ひ、之を悔いなき死罪ありて霊の癒されぬ者として、教會より斥(しりぞ)けたり。
   光栄、第八調、ニコミディヤのゲオルギイの作。
聖なる諸神°父の會は地の四極より集まりて、父と子と聖神°が一性なるを教へ、神學の奥義を明らかに教會に傳へたり、我等熱心に彼等を讃め揚げて云ふ、嗚呼神聖なる営(えい)、主の軍の武装したる兵士、無形の空の光れる星、奥密のシオンの堅固なる柱、天堂の芳ばしき花、言の黄金(こがね)の口、ニケヤの令譽(ほまれ)、世界の装飾(かざり)なる者よ、我等の霊の為に切に祈り給へ。
  今も、
生神童貞女よ、爾は至りて讃美たる者なり、云云 大詠頌。
 聖三祝文の後に復活の讃詞(トロパリ)のみ。聨祷並びに発放詞。
 第一時課並びに最後の発放詞。時課には復活の讃詞(トロパリ)、光栄、諸聖神°父の、今も、時課の生神女讃詞。「天に在す」の後に復活の小讃詞(コンダク)。

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 聖體禮儀に眞福詞は八調経の、六段、又諸聖神°父の、第三歌頌四段。聖入の後に讃詞(トロパリ)、復活の、及び諸神°父の。次に小讃詞(コンダク)、復活の、光栄、諸神°父の、今も、生神女の本堂の、或は「ハリスティアニン等の辱を得ざる転達」。
 提綱(ポロキメン)は本調の、又諸祖の歌、第四調、主我が先祖の神よ、爾は讃揚せられ、爾の名は世世に讃美讃栄せらる。
 使徒の誦讀は本日の、又諸神°父の、エウレイ書三百三十四端。アリルイヤは本調の、又諸神°父の、第一調「諸神の神主は言を出して地を召す」。句「我の聖者、祭を以て」。
 福音経の誦讀は本日の、又諸神°父の、イオアン五十六端。
 領聖詞は「天より主を讃め揚げよ」。又諸神°父の、「義人よ、主の為に喜べ」。