第二編
生神女の祭日の総奉事
晩課
「主よ爾に籲(よ)ぶ」に讃頌(スティヒラ)、第四調。
至浄なる生神女よ、愛を以て爾の至栄なる(祭名)を祭る我等を神聖なる行為にて諸敵の攻撃より護りて覆ひ給へ、蓋我等爾に呼ぶ、爾は我等の能力(ちから)と、堅固(かため)と、聖なる歓喜(よろこび)なり。爾の子及び我等の神は惟一なり、我等彼に伏拝して云ふ、イイスス全能者よ、慈憐なる主として、我等の霊を救ひ給へ。
我等今日敬虔の心を抱きて集まりて生神女を崇め讃めん、至聖なる童貞女よ、爾の大事は夥(おびただ)しく、奇跡は数へ難し、蓋爾は我等の為に聖なる保護と、美誉(ほまれ)と、光栄と、醫治(いやし)の泉なり。我等爾の聖なる(祭名)を祭りて、祷りて云ふ、イイスス全能者よ、慈憐なる主として、我等の霊を救ひ給へ。
至浄なる童貞女よ、我等敬虔に爾の(祭名)の祭を行ふ者を爾の尊き祈祷を以て扞(ふせ)ぎ衛(まも)りて、諸敵の為に畏るべき者、之に服役せざる者と為し給へ、我等が爾の子に呼ばん為なり、イイスス全能者よ、慈憐なる主として、我等の霊を救ひ給へ。
光栄、今も、第六調。
至浄なる生神女よ、今日神の教会は最(いと)華麗なる冠の如く爾の(祭名)を以て飾られ、麗しく喜び、奥密に祝ひて、爾女宰に呼ぶ、尊き王冕(わうべん)、神聖なる宝冠よ、慶べ、光栄の充満、永遠の福楽よ、慶べ、爾に趨り附く者の投泊(みなと)、転達、及び我等の霊の救よ、慶べ。
聖入、及び本日の提綱(ポロキメン)。
創世記の読 二十八章
イアコフはワィルサワィヤより出でてハッランに往けり。 ―(第三巻百三十三頁二百三十一喩言をうつす)
イエゼキイリの預言書の読 四十三及四十四章
主是くの如く言ふ、八日に至りて後、司祭等は爾等の燔祭と ―(第三巻百三十四頁二百三十二喩言をうつす)
箴言の讀 九章
智慧は其家を建て、其七の柱を堅め、―(第三巻百三十五頁二百三十三喩言をうつす)
挿句(くづけ)に讃頌(スティヒラ)、第三調。
地の四極よ、来りて、神の母の尊き(祭名)を讃美せん、蓋彼は手を挙げて子に祷る、故に其聖なる(祭名)に因りて世界は活かされたり、我等は聖詠と歌頌と属神゜の詩賦とを奉りて、衆聖者と偕に欣ばしく祝はん。
句 彼は彩服(あやにしき)を衣(き)て王の前に進められ、彼の伴(とも)たる童女は彼に従ひて爾の前に進めらる。
神は光栄を以て大いに爾を妝(よそほ)ひたり、蓋爾は人人の光を手に抱き給へり、獨其光の中にある「ハリスティアニン」等の恃頼(たのみ)、患難憂愁に遇ふ者の扶助者、激浪(あらなみ)に打たるる者の投泊(みなと)なる者よ、愛を以て爾の最(いと)尊き(祭名)を歌ふ者の諸難より救はれんことを祷り給へ。
句 女(じょ)よ、之を聴き、之を観、爾の耳を傾けよ。
至聖至潔なる童貞女よ、天に於て天使の大数、地に於て人の族(やから)は爾の最(いと)尊き(祭名)を讃揚す、爾に祷る、讃美たる生神女、婚姻に與らざる者よ、萬有の造成主ハリストス神の母として、我等爾及び神に恃頼(たのみ)を負はせたる者の為に絶えず彼に祷り給へ。
光栄、今も、第二調。
我等は思いと心とを潔めて、諸天使と偕に欣ばしく祝ひ、萬有の王の聘女(よめ)たる童貞女にダワィドの歌を捧げて云はん、主よ、爾及び爾が能力の櫃は爾が安息の所に立てよと、主宰よ、爾は彼を美(うるは)しき宮として飾りて、爾の城邑(まち)に立て給へり、爾の権力を以て彼の祈祷に由りて之を治めて、諸敵より扞(ふせ)ぎ衛(まも)らん為なり。
讃詞(トロパリ)は本祭日の、奉事例に据る。若し奉事例になくば、左の讃詞(トロパリ)を誦すべし。第四調。
我等罪なる賤しき者は今熱心にして生神女に趨り附き、伏し拝み、痛悔して心の底より籲(よ)ばん、女宰よ、我等を憐みて助けよ、我等多くの罪の為に亡ぶるに因りて速やかに至り給へ、爾の諸僕を空しく返す勿れ、我等獨爾を頼みとすればなり。
光栄、今も、
生神女よ、我等不当の者は常に黙(もだ)さずして爾の権能を宣べん、蓋爾主の前に立ちて祷らずば、孰(たれ)か能(よ)く我等を諸々の禍(わざはひ)より助けん、孰(たれ)か能(よ)く我等を自由の者として今に至るまで・・・(欠落)
生神童貞女マリヤは実に光れる雲の如く我等の為に輝けり、已にアダムは定罪せられず、エワは縲絏(なはめ)より解かれたり、故に我等も毅然として惟一の潔き者に呼ぶ、至聖なる童貞女よ、我等に諸罪の赦しを賜はんことを爾の子に祈り給へ。
光栄、今も、同上。
「主の名を讃め揚げよ」の後に附唱、「我等凡の属神゜の歌頌を生神女に捧げん。」或は「爾を讃め揚ぐるは誠に当れり。」
抜粋聖詠
主よ、ダワィド及び其全き温柔を記憶せよ。
多燭詞(ポリエレイ)の後に坐誦讃詞(セダレン)、第一調。
至浄なる生神女よ、爾の童貞の腹の果(み)は美(うるは)しく現れたり、蓋爾は世界の為に生命を生じ給へり、故に天軍は爾の尊き祭を讃栄して、爾に呼ぶ、光栄は爾の(祭名)に帰す、聘女(よめ)ならぬ母よ、光栄は爾の童貞に帰す。
光栄、今も、同上。
品第詞(ステペンナ)、第四調の第一倡和詞(アンティフォン)。
提綱(ポロキメン)、第四調。
我爾の名を萬世に誌(しる)さしめん。
句 我が心善言を湧き出だせり、我曰ふ、我が歌は王の事なり。
「凡そ呼吸ある者。」 福音経は巻末に載す。
第五十聖詠の後に讃頌(スティヒラ)、第六調。
今日天の門は啓かれて、神聖なる戸は現る、今日喜びの恩寵は神の母の(祭名)に由りて世界に賜はる、彼に由りて地の者は天の者と合せられて我等の霊の救を得(う)るを致す。
至聖なる生神女の規程(カノン)、第八調。イルモス二次、讃詞(トロパリ)十二句に。
第一歌頌
イルモス イズライリは乾ける地の如く水を過(とほ)り、エギペトの禍(わざはひ)を免れて籲(よ)べり、我が救主及び神に歌はん。
至浄至聖なる童貞女よ、神聖なる力を以て我を堅めて、敬虔を抱きて欣ばしく爾の(祭名)を歌はしめ給へ、此れ爾の城邑(まち)の為に保護、爾の衆人の為に壊(やぶ)られぬ力、爾の牧群の為に堅固(かため)なり。
無玷(むてん)なる女宰よ、我等は爾の祈祷に由りて慈憐と仁慈とを蒙る、蓋爾は有能の神、爾の祷りに由りて敬虔なる衆人を救ふ主を生み給へり、故に我等皆爾を讃揚す。
至浄なる生神女よ、我等爾の神聖なる(祭名)を祭る、爾に由りて我等に永遠の救及び奪はれざる楽しみは賜はりたり、爾は我等の恃頼(たのみ)と、帲幪(おほひ)と、能力(ちから)、及び我が霊の避所(かくれが)なればなり。
無玷(むてん)なる女宰よ、我等爾の民は爾の帲幪(おほひ)の下に趨り附く、爾の諸僕の為に佑助(たすけ)と為りて、愛を以て爾を歌ふ者の救に務むる求めを應はせ給へ。
共頌(カタワシャ)「我が口を開きて。」
第三歌頌
イルモス 主、天の穹蒼(おほぞら)の至上なる造成者、教会の建立者、冀望(きぼう)の極(かぎり)、信者の固め、獨人を愛する者よ、我を爾の愛に堅め給へ。
我等信を以て聖なる生神女の(祭名)に由りて心を新たにせん、凡そ信を以て求むる者に救を賜ふ至浄なる者よ、我等を見ゆると見えざる敵より護り給へ。
生神女よ、敬虔を抱きて熱心に爾の堂に趨り附き、愛を以て爾の(祭名)に俯伏する者を爾は聖にし給ふ。求む、我等を凡の患難より救ひ、我等の皇帝に敵に対して勝利を賜ひ、爾の子我等の神を我等の為に寛容の者と為し給へ。
生神女よ、神の言は親(みづか)ら望みし如く、己の為に爾の聖なる腹の内に居住(すまひ)を為し、爾より身を取りて生れ、我等に爾の(祭名)の日を見るを賜へり、我等愛を以て之を祭りて、爾に祷る。
至聖なる生神女、己の慈憐にて我等を養ふ爾の至浄なる子を乳にて養ひし者よ、我等衆信者は欣ばしき霊、楽しき心を以て智慧を爾の尊き神聖なる(祭名)に挙げて爾に祈る。
坐誦讃詞(セダレン)、第四調。
爾の教会は欣ばしく爾の光栄なる(祭名)を祭り、我等衆信者は歌ひて熱切に爾に呼ぶ、潔き童貞女よ、諸敵に対して我等を堅め、不法の者の謀(はかりごと)を破り、我等の生命を爾の子の神聖なる旨を行ふに向はしめ給へ。
光栄、今も、同上。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が摂理の秘密を聆き、爾の作為(しわざ)を悟り、爾の神性を讃栄せり。
潔き童貞女よ、暮れざる光の前に立ちて我等を記憶し、爾の子我等の神に祈りて、爾の尊き(祭名)を祭る者に諸罪の赦を賜はんことを求め給へ。
光明なる日の天を周(めぐ)りて耀くが如く、爾の神聖なる祭は光線を放ちて、我等より諸慾の暗(やみ)を払ひ、我等の霊に潔浄(きよめ)を與へ、我等の諸難を解く。
今悪の暗(やみ)は払はれ、日の光は霊の為に耀けり、此れ純潔なる神の母の尊き(祭名)の祭なり、我等敬虔に之を祭る。
至浄無玷(むてん)なる讃美たる母よ、爾は神霊の聖物の櫃なり、爾は我等の大いなる避所(かくれが)及び美誉(ほまれ)なり、爾は尊貴なる爾の(祭名)を尊む者の為に醫治(いやし)の尽きざる泉なり。
第五歌頌
イルモス 隠れざる光よ、何ぞ我を爾の顔(かんばせ)より退けし、外(ほか)の闇は憐なる我を掩(おほ)へり、祈る、我を返して、我が途を爾の誡の光に向はしめ給へ。
凡そ爾に趨り附く者は聖にせられ、爾の尊き(祭名)を祭る信者は此れに由りて赦免を受く、祈る、此れに由りて我等に審判の日に於て仁慈と慈憐とを與へ給へ。
童貞の潔浄に飾られて爾の美(うるは)しき子我等の神を生みし者よ、爾の尊き(祭名)の祭を飾り、司祭神品を楽しませ、我が皇帝に敵に勝たしめ、爾の民を凡の患難より解き給へ。
無玷(むてん)なる女宰よ、楽園の中の芳しき花の如く、爾の尊き祭は愛を以て爾を尊む信者の心に神聖なる芳しき香(か)を満たしむ。
無玷(むてん)なる女宰童貞女よ、爾は雨雲と為りて、神聖なる救の水を流し、罪に由りて枯れたる地を湿(うるほ)して、諸徳の果(み)を結ばしむ、故に我等爾を讃揚す。
第六歌頌
イルモス 救世主よ、我を浄め給へ、我が不法多ければなり、祈る、我を悪の淵より引き上げ給へ、我爾に呼びたればなり、吾が救の神よ、我に聴き給へ。
生神女永貞童女よ、爾は世世の先より在す者を嬰児(をさなご)として生みて、多くの罪に由りて古びたる我等の心を新たにし給へり、求む、我等の新たなる歌、爾の祭に捧げらるる者を受け給へ。
至浄なる者よ、爾の聖なる教会、奇妙に義とせられし者は敬虔に爾の神聖なる(祭名)を祭る、求む、此れに縁りて我等衆爾を讃美する諸僕に心の醫治(いやし)を與へて、我等を諸々の禍(わざはひ)より護り給へ。
生神童貞女よ、凡の信者は楽しき霊を以て爾の堂に集まりて、爾の祭を祝ひ、日の如く耀き、神の恩寵にて信者を照す尊き(祭名)を歌ふ、童貞女母女宰よ、此れを以て我等をも輝かして、我等の心を照し給へ。
神の聘女(よめ)少女よ、我等爾の至浄なる(祭名)を歌ひて、爾の無玷(むてん)なる孕みと爾の産とを尊む、我等と偕に天使の品位及び衆聖人の会は爾を讃栄す。
次に本祭日の小讃詞(コンダク)。若し之なくば左の小讃詞(コンダク)を誦すべし。第一調。
言と智慧とに超えて言ひ難き神の性の尊き居處(すまひ)と為りし童貞女よ、爾は萬有の王たる主の母として、罪なる者の為に転達し、恩寵と醫治(いやし)とを賜ふ。求む、爾の子に我等が審判の日に於て慈憐を蒙らんことを祈り給へ。
又小讃詞(コンダク)、第六調。
女宰よ、我等には爾の外(ほか)に他(た)の助けなく、他の恃みなし、爾我等を助け給へ、我等爾を以て恃みと為し、爾を以て誇る、我等は爾の諸僕なればなり、願はくは我等恥を蒙らざらん。
同讃詞(イコス)
我等愛を以て生神女に呼ぶ、主の城邑(まち)よ、慶べ、ダワィドの帝笏よ、慶べ、活ける宮よ、慶べ、神聖なる「マンナ」の壺よ、慶べ、焚かれぬ棘(いばら)よ、慶べ、黄金(こがね)の燈台よ、慶べ、滅(け)されぬ燈(ともしび)よ、慶べ、樹蔭繁き神の山よ、慶べ、日の状(さま)の宝座よ、慶べ、天の梯(かけはし)及び門よ、慶べ、湿されずして花を発(ひら)きたるアアロンの杖よ、慶べ、衆人を凡の患難憂愁より救ふ者よ、慶べ。至浄なる者よ、求む、爾の子に我等が審判の日に於て慈憐を蒙らんことを祈り給へ。
第七歌頌
イルモス 昔ワワィロンに於て火は神の降臨に慙(は)ぢたり、故に少者は爐に在りて、花園に歩むが如く祝ひて歌へり、吾が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
萬衆の女王よ、爾は来りて、我等の光栄の為に己の神聖なる(祭名)の祭の天の帲幪(おほひ)を開き給へり、我等此れに縁りて見えざる敵の攻撃より救はれて、爾の子に呼ぶ、我が先祖の神は崇め讃めらる。
女君生神童貞女よ、爾の誕生及び凡の爾の祭を以て周年は装飾せらる、今も爾の尊き(祭名)の日は教会を飾りて、恩寵を流す、故に我等衆信者は爾の堂に趨り附きて、爾を讃揚す。
天の衆軍は主を生みし者を讃栄し、人人の諸族は彼我等に己の尊き(祭名)の日を賜ひし者を讃揚す、彼は我等の恃頼(たのみ)なり、我等の避所(かくれが)と、帲幪(おほひ)と諸敵の攻撃に対する防衛(ふせぎまもり)なり。
恩寵の雲よ、我等爾の光栄なる(祭名)の祭の日を尊む者に上より恩寵と慈憐との露を注ぎ給へ、凡の霊は爾を讃栄して、喜びて歌ふ、爾は女の中に祝福せられたり、爾の腹の果(み)も祝福せられたり。
第八歌頌
イルモス 無原なる光栄の王、天軍の戦く主を、司祭よ、歌へ、人人よ、萬世に讃め揚げよ。
潔き生神女、ハリストス神の聖なる宝座及び宮よ、爾は獨萬衆の女王なり、求む、爾の尊貴なる(祭名)を尊む者に諸罪の赦しを賜はんことを神に祷り給へ。
地上に於て真に至栄なる者よ、爾は身を爾より取りし主を己の聖なる手に抱き給へり、今は爾上天に登りて、人人に爾の尊き(祭名)の輝ける日を遺し給へり、我等此の日に於て讃栄して歌ふ、主を歌ひて、世世に彼を讃め揚げよ。
神聖なる預言者よ、祝ひて生神童貞女の尊貴なる(祭名)を尊め、蓋彼は爾等衆の言を應へて、爾等の預言せしハリストス萬有の王、我等が世世に讃め揚ぐる者を生み給へり。
陥る者の再興、憂ふる者の喜悦(よろこび)、迷ふ者の嚮導者、病む者の醫治(いやし)、衆「ハリスティアニン」の救なる女君よ、我等爾を呼びて、爾の(祭名)を尊む者を護りて、我等を見ゆると見えざる諸敵より救ひ給へ。
第九歌頌
イルモス 凡の者は神の言ひ難き寛容の事、如何に至上者が甘んじて肉体を取るまでに降りて、童貞女の腹より人と為りしかを聞きて、恐れざるなし、故に我等信者は至浄なる生神女を崇め讃む。
神の城邑(まち)よ、光栄の事は爾に於て伝へらる、爾は天の者及び地の者に王たる主の城邑(まち)なり、彼は爾より生れて、爾を地より天に登せ給へり、爾の尊貴なる(祭名)を尊む者の為に絶えず彼に祈り給へ、我等彼と偕に爾を崇め讃む。
無形の者の品位、太祖の会、神聖なる使徒及び諸預言者の隊、致命者の軍、成聖者と克肖なる諸神゜父との会、及び衆聖人よ、我等と偕に楽しみて、神の母の(祭名)を祭りて崇め讃めよ。
至浄なる童貞女よ、爾は己の産を以て萬衆を聖にし、更に爾の(祭名)の最(いと)尊き日を以て衆を光照し給へり、我等之を祭りて、爾を崇め讃む。
至浄なる神の母よ、吾が皇帝の角(つの)を高くし、諸敵の驕りを仆(たふ)し、我等の城邑(まち)を外攻に侵されぬ者と為し、亦爾の大いなる名の崇められて、衆に熱切に讃栄せらるる凡の地方を護り給へ。
光耀歌
アダムよ、新たになれ、エワよ、楽しめ、預言者は使徒及び致命者と偕に祝へ、克肖者は成聖者と偕に喜べ、蓋至浄なる生神女マリヤの(祭名)は諸天使及び人人の為に喜びと楽しみなり。三次
「凡そ呼吸ある者」に讃頌(スティヒラ)、第一調。
生神女よ、爾の(祭名)の祭は光の泉、光照の流れなり、祈る、此れに縁りて我等を無知の暗(やみ)と霊体の慾より脱れしめて、来世に於て終なき苦しみより救ひ給へ。二次
生神女よ、爾より身にて生れし神の実在の睿知なる主は爾を善智の泉及び恩寵の淵と顕し給へり、故に祈る、我に爾の善智の滴りを注ぎて、我を永遠の生命に導き給へ。
ハリストスの奥密なる奇跡の始たる女宰よ、我等は爾の神聖なる(祭名)の祭を奇跡の泉と尊みて、之に伏拝して爾に祈る、生神女よ、我等を今世に於て諸病諸難より、来世に於て終なき苦しみより救ひ給へ。
光栄、今も、第八調。
我等皆生神女マリヤを歌はん、神の母よ、慶べ、智なる活ける梯(かけはし)よ、慶べ、焚かれざる棘(いばら)よ、慶べ、至聖なる壺よ、慶べ、信徳の華よ、慶べ、芽を生じたる杖よ、慶べ、黄金(こがね)の香爐よ、慶べ、樹蔭繁き神の山たる童貞女よ、慶べ、始のエワの解脱よ、慶べ、神の宝座よ、慶べ、多憐なる華美よ、慶べ、女宰よ、慶べ。
大詠頌、并に発放詞。
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