第十二編
一人の克肖者の総奉事
晩課
「主よ爾に籲(よ)ぶ」に讃頌(スティヒラ)、第四調。
至尊にして讃美たる成聖者よ、爾等は光明なる星の如く世界を飾り、光線を以て之を照して、正教の定理を固め、異端の闇を払ふ。信を以て爾等の至尊なる記憶を行ふ者が朽壊及び艱難(かんなん)より救はれんことを祈り給へ。
至福なる捧神者よ、爾等は光を施す日と現れて、属神の輝きを以て全地を照し、神の命(めい)の光線を四極に放ちて、童貞女より輝きし者の力に由りて、信者の心を照して、諸異端の闇を払ひ給ふ。
至福なる者よ、爾等は定理の杖を以て神霊の狼(おほかみ)をハリストスの教会より逐ひ、霊智なる堡嶂(かため)を以て四方より之を繞(めぐ)らして、之を全うし動きなき者としてハリストスに捧げたり。彼に祈りて、信を以て爾等の至尊なる記憶を行ふ者が朽壊及び艱難(かんなん)より救はれんことを求め給へ。
光栄、今も、生神女讃詞。
至聖なる神の聘女(よめ)よ、爾の祈祷を以て吾が卑微(ひび)なる霊を諸罪と、定罪と、死より脱れしめ、終りの至らざる先に痛悔と涙の流れとを以て我を潔められたる者と為し、詰問の日に於て我に諸聖人の会の受けし義とせらるることを得しめ給へ。
十字架生神女讃詞
至浄なる者は人を愛する主ハリストスの十字架に釘せられ、戈(ほこ)にて脅(わき)の刺さるるを見て、哭きて呼べり、吾が子よ、此れ何ぞ、恩を知らざる民は爾が彼等に為しし善に易へて何をか爾に報いたる、至愛なる者よ、胡為(なんす)れぞ我を子なき者として遺す、慈憐なる主よ、我爾が甘じて受くる釘殺(ていさつ)を奇とす。
もし之あらば、自調。光栄、第六調。
神の人人及び忠なる僕(ぼく)、主の役者(えきしゃ)、慈愛を蒙れる者、選ばれたる器、教会の柱及び堅固(かため)、国の嗣(よつぎ)よ、我等の為に主に籲(よ)びて黙(もだ)す毋(なか)れ。
今も、生神女讃詞
生神童貞女よ、我等は爾より身を取りし者の神なるを悟れり、彼に我等の霊の救の為に祈り給へ。
十字架生神女讃詞
ハリストスよ、爾を生みし者は爾の釘せらるるを見て呼べり、吾が子よ、我が見る所の奥密は何ぞ驚くべき、生命を賜ふ主よ、如何ぞ身にて木に懸けられて死する。
もし多燭詞(ポリエレイ)を以て祭を行はば、復活の生神女讃詞第六調を誦すべし。
至聖なる童貞女よ、誰か爾を讃美せざらん、誰か爾の至りて浄(きよ)き産を歌はざらん、世の無き先に父より光る獨生の子は爾浄き者より言ひ難く身を取りて出で、本性の神は我等の為に本性の人と為れり、其位(くらい)一つにして相分れず、其性二つにして相失はず、浄くして至りて福(さいはひ)なる者よ、我が霊の憐れみを蒙らんことを彼に祷り給へ。
聖入。本日の提綱(ポロキメン)。成聖者の喩言(パリミヤ)、巻末に載す。
挿句(くづけ)の讃頌(スティヒラ)、第一調。
属神゜の秘密者、霊智なる神の箛(らっぱ)、神聖なる鑑(かがみ)、聖にして火舌(くわぜつ)なる成聖者、金水(きんすい)の教へを我等に流す者を今日宜しきに合(かな)ひて讃め揚げん、我等の霊に平安と大いなる憐れみとを賜はんことをハリストスに祈り給へ。
句 聖人の死は主の目の前に貴し。
信仰の則(のり)、神聖にして有能なる智慧、金水(きんすい)の川、至りて光明なる尊き燈(ともしび)、聖三者の軍士、聖神゜の恩寵の居所(すまひ)、動かざる柱、教会の堅固(かため)なる神゜父等を宜しきに合(かな)ひて歌を以て讃め揚げん。
句 爾の司祭等は義を衣(き)、爾の諸聖者は悦(よろこ)ばん。
聖神゜の器、神聖なる雷(いかづち)の箛(らっぱ)、伝道の電(いなづま)、大(いた)く輝ける燈(ともしび)、神に依りて光を施す至福なる成聖者よ、爾等を尊む我等の為にハリストスに祈りて、我等の霊に平安と大いなる憐れみとを賜はんことを求め給へ。
光栄、第六調。
我等今日聖神゜の秘密の箛(らっぱ)たる捧神なる神゜父等を讃め揚げん、彼等は教会の中(なか)に神学の諧和(かいわ)の歌、惟一にして変易せざる三者、永在の神性を歌へり、彼等は諸異端を破壊する者、正教者の為に戦ふ者、且(かつ)恒に主に我等の霊に憐れみを蒙らしめんことを祈る者なり。
今も、生神女讃詞。
生神女よ、爾は実の葡萄の枝、我等の為に生命の果を結びし者なり、女宰よ、爾に祈る、聖使徒と共に我が霊の憐れみを蒙らんことを祈り給へ。
十字架生神女讃詞
昔童貞女は童貞者門徒と偕に主の釘せらるる時 木の側(かたはら)に立ちて、泣きて呼べり、嗚呼哀しい哉、衆に苦しみなきを賜ふハリストスよ、如何ぞ苦しみを受くる。
讃詞(トロパリ)は奉事例に据る。もし奉事例になくば、左の讃詞(トロパリ)を誦せよ。第四調。
我が先祖の神、常に爾の寛容に由りて我等に行ふ主よ、爾の仁慈を我等より離さずして、彼等の祈祷に因りて我が生命を平安に治め給へ。
光栄、今も、生神女讃詞、或は十字架生神女讃詞。
早課
「主は神なり」に讃詞(トロパリ)同上。
第一の「カフィズマ」の後に坐誦讃詞(セダレン)、第五調。
我等教会の王たる飾として主の成聖者、定理の尽きざる宝蔵(ほうざ)なる者を讃め揚げん、蓋彼等は此を以て我等に性の合一にして位(い)の分れたる聖三者を尊まんことを教へ給へり。二次
光栄、今も、生神女讃詞。
神の恩寵を蒙れる至聖なる童貞女よ、我等信を以て爾慈憐なる者に就きて、爾の熱切なる保護を求むる者を憐み給へ、爾は至上なる神の仁慈の母として、爾の母たる祈祷を以て常に衆を覆ひて、救はんことを能(よく)すればなり。
第二の「カフィズマ」の後に坐誦讃詞(セダレン)、第三調。
神智なる成聖者よ、爾等は教会の柱たり、正教の奪はれぬ富と現れ、潔浄を以て爾等の生命を輝かし、聖三者の教へを説き給へり、克肖なる神゜父等よ、ハリストス神に我等の霊の救ひの為に祈り給へ。二次
光栄、今も、生神女讃詞。
神の性に離れずして、爾の胎内に身を取りて、神人(かみびと)と生れし惟一の主は、爾母を産の後にも産の前の如き純潔なる童貞女として護り給へり、彼に熱切に大いなる憐れみを我等に賜はんことを祈り給へ。
「主の名を讃め揚げよ」の後に附唱。
大いなる成聖者よ、我等爾等を讃揚して、爾等の聖なる記憶を尊む、爾等は我等の為にハリストス我が神に祈り給へばなり。
抜粋聖詠
「萬民之を聴け、全地に居る者皆之に耳を傾けよ。」
多燭詞(ポリエレイ)の後に坐誦讃詞(セダレン)、第四調。
睿智なる全地の教師等、行ひと言とを以て地上に神を栄せし者は、我等の救の轉達者として、今日讃揚せらるべし。二次
光栄、今も、生神女讃詞。
患難に遇ふ者の勝たれぬ轉達者たる生神女、爾を頼む者の熱切なる保護者よ、我を諸難より救ひ給へ、爾は衆人の扶助者なればなり。
品第詞(ステペンナ)、第四調の第一倡和詞(アンティフォン)。
提綱(ポロキメン)、第四調。
聖人の死は主の目の前に貴し。
句 我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。
「凡そ呼吸ある者。」 成聖者の福音経、巻末に載す。
第五十聖詠の後に讃頌(スティヒラ)、第六調。
克肖なる諸神゜父よ、爾等の諸徳の風聲(きこえ)は全地に伝はる、爾等は悪鬼の群(むれ)を破り、潔浄を以て天使の生命に效(なら)ひて、其品位に至り、天に於て己の勤労の賞(むくい)獲たり。主の前に勇敢(いさみ)を有(たも)ちて、我等の霊の為に平安を求め給へ。
規程(カノン)、第八調。
第一歌頌
イルモス 我等其民をして紅(くれない)の海を過(とほ)らせし主に歌はん、彼獨(ひとり)厳(おごそか)に光栄を顕したればなり。
世界の中に光れる睿智なる成聖者よ、爾等は萬有の王の神聖なる命(めい)を行ひしを以て耀く、故に我等ハリストスを歌はん、彼光栄を顕したればなり。
信者よ、我等至大至尊なる成聖者を尊まん、蓋彼等は世界の中に敬虔の光を以て耀き、不虔の暗(やみ)を払へり。
捧神なる聖にせられし伝道師等よ、諸天使と偕に萬有の王の前に立ちて、爾等の記憶を行ふ我等に諸罪の潔浄(きよめ)を賜はんことを祈り給へ。
生神女讃詞
永遠に父より生まるる無原の言を孕みて、身を取りし者として言に超えて生みたる至浄なる者よ、我等が諸難より救はれんことを切に祈り給へ。
第三歌頌
イルモス 始に智慧にて天を堅め、地を水の上に建てしハリストスよ、爾が誡の石に我を堅め給へ、爾獨人を慈む主の外に聖なる者なければなり。
克肖なる捧神者よ、爾等は真(まこと)の節制と倦まざる祈祷とを以て諸徳の最(いと)高き城邑(まち)に登れり、彼所に常に主宰の光栄の中に楽しむ。
克肖なる成聖者よ、神の前に勇敢(いさみ)を有つ者として、我等信を以て爾等の記憶を歌ふ者の救はれんことを祈り給へ。
克肖者よ、爾等は敬虔の範(のり)の教師、神の睿智なる言及び真実の伝道師として、諸異端に対して勝利を獲たり。
生神女讃詞
神の母潔き童貞女よ、我等皆爾を神の宝座及び天として歌ふ、蓋爾より真実たるイイススハリストスは我等の救ひの為に現れ給へり。
坐誦讃詞(セダレン)、第二調。
福たる諸神゜父よ、爾等は実に節制の尊き器、敬虔の奪はれざる富と現れて、度生を以て世界の中に耀き、爾等の助けを求むる者に豊かに之を賜ふ。克肖者よ、ハリストス神に大いなる憐れみを我等に賜はんことを祈り給へ。
光栄、今も、生神女讃詞。
人は救を得(う)る所に義に合(かな)ひて趨り附く、生神女よ、爾の如き避所(かくれが)、我等の霊を蔽ふ者は亦(また)何所(いづこ)にかあらん。
十字架生神女讃詞
生神女よ、我等は爾の子の十字架を能力の杖として得て、此を以て諸敵の驕りを破り、愛を以て絶えず爾を讃め揚ぐ。
第四歌頌
イルモス 主よ、我爾が摂理の秘密を聆(き)き、爾の作為(しわざ)を悟り、爾の神性を讃栄せり。
我等皆歌を以て睿智なる成聖者を讃め揚げて言はん、捧神なる諸神゜父よ、我等の救はれんことを熱切に祈り給へ。
神福なる者よ、我等は爾等を実に敬虔の範(のり)の伝道師及び扶植者(ふしょくしゃ)、醇正(じゅんせい)の教への教師及び成聖者と有(たも)ちて、歌頌と詩賦(しふ)とを以て爾等を讃め揚ぐ。
主の克肖なる成聖者、教導師及び養育者よ、我等信者は歌頌と詩賦とを以て爾等の聖にせられし記憶を祭る。
生神女讃詞
聘女(よめ)ならぬ聘女、婚姻に與らざる潔き童貞女、ハリストス神の母よ、爾を歌ふ者の霊を救はんことを絶えず彼に祈り給へ。
第五歌頌
イルモス 主よ、我等夙(つと)に興(お)きて爾に籲(よ)ぶ、我等を救ひ給へ、爾は我等の神なればなり、爾の外(ほか)他(た)の神を知らず。
神智なる者よ、爾等は敬虔の香料を塗られて牧師と為れり、故に我等皆爾等を捧神なる成聖者として尊む。
光栄なる神智者よ、爾等は勤労と祈祷とを以て使徒に效(なら)ふ者と為りて、教会の人人を養ひ給へり。
見神者たる諸神゜父よ、爾等は熱心者イリヤ及び見神者モイセイに效(なら)ひて、諸異端の首長等を辱め給へり。
生神女讃詞
信者皆来りて、天使と偕に同心に祝福せられし者を萬有の王を生みし女王(にょわう)として尊まん。
第六歌頌
イルモス 光を衣の如く衣(き)る慈憐の深きハリストス我が神よ、我に光明の衣を予(あた)へ給へ。
福たる諸神゜父よ、爾等は爾等は己の神聖なる教へを以て教会の光栄を盛(さかん)に顕して、諸異端を根より絶やし給へり。
光栄なる者よ、爾等は敬虔の光体として、教への純美なるを以て全地に輝きて、神の言にて諸異端を昧まし給へり。
克肖者よ、爾等は舌と言とを武器と為して、異なる教へを悉く斬り、衆人の為に聖三者の定理を明(あきらか)に説き給へり。
生神女讃詞
ハリストス神よ、爾は童貞女より生れて、世界を照し給へり、爾に祈る、仁愛なる主として、我をも我が諸罪より救ひて、我が生命を治め給へ。
小讃詞(コンダク)は奉事例に据る。もし奉事例になくば、左の小讃詞(コンダク)を誦せよ。第八調。
成聖者よ、教会は爾等を歌ひて、徳行の教師、神品職の飾として讃栄す、求む、爾等の祈祷に由りて、愛を以て爾等を尊む者に徳を行ふ力を與へて、諸々の誘惑(いざなひ)より救ひ給へ、爾等は勝たれぬ者なればなり。
同讃詞(イコス)
神聖なる成聖者よ、爾等は敬虔の川と現れて、爾等の教への流れを以て全地に飲ませ、奇跡の雨を以て其汚(けがれ)を洗ひ、宜しきに合(かな)ひて永遠の福楽の嗣(よつぎ)と為り給へり。故に我等今日集まりて、歌を以て敬虔に爾等を尊み、信を以て爾等に呼ぶ、ハリストス神に絶えず我等衆の為に祈り給へ、爾等は勝たれぬ者なればなり。
第七歌頌
イルモス 太初(はじめ)に地を基(もと)づけ、天を言にて固めし主、我が先祖の神よ、爾は世世に崇め讃めらる。
真(まこと)の神聖なる成聖者を爾の群(ぐん)の牧者と為しし我が先祖の神は崇め讃めらる。
爾等は諸慾の焔(ほのほ)を滅(け)して、恩寵を以て敬虔者の霊を湿(うるほ)して呼ばしめたり、我が先祖の神は崇め讃めらる。
節制と、警醒と、真(まこと)の信とを以て勤労せし成聖者よ、我等衆を憶(おも)ひ給へ。
生神女讃詞
我等の為に童貞女より生れて、世界を敵より救ひし我が先祖の神は崇め讃めらる。
第八歌頌
イルモス 聖なる山に光栄を顕し、棘(いばら)の中(うち)に火を以てモイセイに永貞童女の奥密を示しし主を歌ひて、萬世に讃め揚げよ。
成聖者神゜父よ、爾等はモイセイに效(なら)ひて無慾の山に登り、霊智なる恩寵の黒暗(くらやみ)に入りて法を受けたり、故に我等ハリストスを世世に讃め歌ふ。
克肖者よ、爾等はハリストスの民を牧して、エギペトの迷ひを逃れ、慾に耽りたるワワィロンを避け、上なるシオンに入りて、世世の居所(すまひ)得たり。
神の成聖者よ、爾等は恩寵の香料を塗られて、言と行ひとに敬虔を守りて聖務を尽くせり、故に爾等は聖三者を惟一の性に於て萬世に讃め揚ぐ。
生神女讃詞
聖なる童貞女の腹に入りて、此を以て言ひ難く舊(ふる)きアダムを新たにし給ひし主を歌ひて、萬世に彼を讃め揚げよ。
第九歌頌
イルモス 山に於て立法者に火及び棘(いばら)の中に預象せられたる、我等信者の救ひを為す永貞童女の産を、黙さざる歌を以て崇め讃む。
無慾と信、望(ばう)と愛とを以て我等に永遠の生命の言を伝へし睿智なる成聖者よ、我等の霊の救はれんことを祈り給へ。
至尊なる成聖者よ、爾等は聖神゜の杖を以て人人を牧し、神の教会より神の敵たる諸異端を逐ひ給へり、故に我等歌を以て爾等を讃め揚ぐ。
福たる成聖者諸神゜父よ、我等皆歌頌と詩賦とを以て黙(もだ)すなく爾等を教会の光体として讃め揚げ、宜しきに合(かな)ひて爾等の不朽体の柩を尊む。
生神女讃詞
不朽の常に流るる泉よ、慶べ、日の光明なる雲よ、慶べ、神性の輅(くるま)よ、慶べ、成聖の匱(ひつ)よ、慶べ。
光耀歌
日の光線よりも盛んに耀ける燈(ともしび)、光の原因たる三者及び三日(さんじつ)の惟一者より神妙に燃されたる捧神なる神゜父等を我等崇め讃めん。
生神女讃詞
生神童貞女よ、我等は黙(もだ)さざる歌を以て爾を讃揚す、蓋爾は三者の一位を胎内に宿して、変易せざる永在の言を神聖なる手に抱き給へり。
「凡そ呼吸ある者」に讃頌(スティヒラ)、第六調。
諸使徒及び教師等に由りて恩寵は力を顕し、信は堅固になり、我等衆は神を識る智識に満てられて、救ひに富まされたり。二次
主よ、爾は己の成聖者を天の奥密と、人の学問と、恩寵の賜(たまもの)とに満たし、彼等に凡の異端の言に勝つ力を與へて、彼等を奇異なる者と為し給へり。
睿智なる全地の教師等、行ひと言とを以て地上に神を栄せし者は、我等の救ひの轉達者として、今日讃揚せらるべし。
光栄、第六調。
善い哉、善にして忠なる僕等(ぼくら)、ハリストスの葡萄園の善き工人(はたらきびと)よ、爾等は終日の苦労をも忍び、爾等に託せられし「タラント」をも益(ま)せり、又爾等より後(のち)に来りし者を猜(そね)まざりき、故に天の門は爾等の為に啓かれたり。聖なる教師等よ、主宰ハリストスの歓楽(よろこび)に入りて、我等の為に祈り給へ。
今も、生神女讃詞。
生神女よ、爾は実の葡萄の枝、我等の為に生命の果を結びし者なり、女宰よ、爾に祈る聖使徒と共に我が霊の憐れみを蒙らんことを祈り給へ。
十字架生神女讃詞
至淨なる者は爾が十字架に懸けられしを見し時、母として泣きて呼べり、吾が子及び吾が神、吾が甘愛なる産よ、如何ぞ爾は恥づべき苦しみを忍び給ふ。
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