10月5日/18日

モスクワの府主教全ロッシヤの奇蹟者、

  成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、

          及びフィリップの祭日


小晩課

「主よ、爾にぶ」に讃頌、第八調。

至尊なる神゜父、成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、信を抱きて、爾等の堂に来りて、助を求むる者に、爾等慈憐を以て傾きて、瞽者には光、病者には醫治、跛者には歩行を予へ給ふ、蓋我等衆信者は爾等を保護者、轉達者及び扶助者として得たり。二次

至福なる神゜父、成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、爾等は諸徳を以て車に乗るが如く神に升りて、勝利の尊榮を受け、我等にうわぎの如く柩に置かれたる爾等の躯を遺して、醫治を流し、悪鬼を逐ひ給ふ。故に讃美たる成聖者よ、我等は爾等を讃榮す。

ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、爾等は修齋の度生に飾られて、成聖者の會に加はり、今天に在りて楽しみ、天使等と共に祝ひて、神聖なる光に照されて、ハリストスの前に立つ。地上に爾等を讃榮して、爾等の至尊なる祭を行ふ者を常に記念し給へ。

  光榮、第六調。

ハリストスの成聖者の記憶は日の如く輝きて、信者の心と智慧とを照す、我等欣ばしく今日之を行ひて、祈りて呼ばん、ロッシヤの地のハリストスの名を蒙れる人々の牧者及び教師よ、慶べ、教会の尊榮、司祭首の飾、修道士の誉たるハリストスの成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、慶べ。ハリストス神に我等の霊の救はれんことを祈り給へ。

  挿句に讃頌、第二調。

ペトルは恩寵の助に因りて属神゜の家と現れたり。故に我等今集まりて彼を歌はん。

句、爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。

成聖者の誉、司祭等の光榮、修道士の規範、教会の防固なる聖アレキシイよ、慶べ。

句、聖人の死は主の目の前に貴し。

三日の光の至りて輝ける堂なるイオナよ、爾の言に養はるる者の霊を爾照し給ふ。

句、義人の口は睿智を言ひ、其舌は義を語る。

睿智なるフィリップよ、爾は聖神゜の家と為りて、恩寵に由りて神聖なる教に満てられたり、此を以て爾世に飲ましむ。

  光榮、今も、生神女讃詞。

生神童貞女よ、慶べ、全世界の誉よ、慶べ、祝福せられたる潔き神の母よ、慶べ。

 

大晩課

第一「カフィズマ」の第一段を歌ふ。

「主よ、爾にぶ」に讃頌、第四調。

至尊にして讃美たる成聖者よ、爾等は光明なる星の如く世界を飾り、光線を以て之を照して、正教の定理を固め、異端の闇を拂ふ。信を以て爾等の至尊なる記憶を行ふ者が朽壊及び艱難より救はれんことを祈り給へ。

三重に福たる捧神者よ、爾等は光を施す日と現れて、属神゜の輝を以て全地を照し、神の命の光線を四極に放ちて、童貞女より輝きし者の力に由りて、信者の心を照して、諸異端の闇を拂ひ給ふ。

使徒と均しき傳道師、聖神゜父等の同心者、修齋者の同労者、選ばれたる牧師、慈憐にして諸恩を施す者、ロッシヤの首座たる成聖者、諸天使と對談する者、我等の霊の為に祈祷する者よ、我等宜しきに合ひて爾等を讃め揚ぐ。

  又讃頌、第六調。

聖にせられたる捧神者、神聖なる傅膏を被りて聖神゜の居處と為りし者、實に聖務に適ひて常に至聖所に入り、恩寵に輝きて救の機密を施しし成聖者、ロッシヤの首座たる者よ、勇を以て我等の霊の為に祈り給へ。

至福なる司祭首よ、爾等は諸徳に輝ける生を度りて、信者を照し、誘惑の闇を拂ひ、諸難の狂風を鎮めたり。聖神゜の恩寵に由りて爾等は實に光の子と為りて、今暮れざる光の輝ける所に楽しみ給ふ。故に我等は爾等の神聖なる記憶及び光を施す祭を行ひて、楽しみて爾等を讃揚す。

睿智なる司祭首ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、爾等は聖神゜の光に輝かされて、諸異端の闇を拂ひ、恩寵を以て衆信者の意念を照して、無原なる聖三者を讃榮するを教へ給へり。故に我等は欣ばしく爾等の光明なる記憶を行ひて求む、讃美たる者よ、我等の霊の為に至仁なる神ハリストスに息めずして祈り給へ。

  光榮、第六調。

神の人々及び忠なる僕、主の役者、慈愛を蒙れる者、選ばれたる器、教会の柱及び堅固、國の嗣よ、我等の為に主にびて黙す毋れ。

  今も、「至聖なる童貞女よ、誰か爾を讃美せざらん」。

  聖入。本日の提綱。喩言三篇。

第一、箴言の讀、義人の記憶には誉伴ひ、其首には主の降福あり。

第二、ソロモンの智慧書の讀、義者の口は智慧を流し、智者の唇は悦ぶべきことを知る。

第三、ソロモンの智慧書の讀、義人の榮せらるる時は民楽しむ、(三篇共に本書の末に載す)。

  「リティヤ」に讃頌、第二調。

信者の會は来りて、聖詠に言へる如く、手を拍ちて、成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップを歌頌せん。彼等は悲しむ者の慰藉者、罪人の為に主に祈祷する者、衆人の為に常に熱切に轉達する者、ロッシヤの地の誉、神品職の飾、諸恩の川、世界に大なる憐を賜ふハリストスの神聖なる謙卑に熱心に效ふ者なり。

至聖なる牧師及び成聖者、信者の固なる者よ、主の前に勇を有ちて、爾等の祈祷を以て、熱心に爾等の至尊なる記憶を行ふ者が凡の患難及び諸敵の攻撃より救はれんことを主宰に祈り給へ。

教会の霊智なる燈、聖三者の軍士、ロッシヤの首座たる成聖者よ、爾等は迷の闇を拂ひて、正教の光を以て世界を照し給へり、故に神聖なる光榮に與る者と為るを得たり。我等に大なる憐を賜はんことを常にハリストス神に祈り給へ。

  光榮、第五調。

睿智なる司祭首等の周年の祭に於て我等は歌の角(らっぱ)を吹き、楽しみて祝ひ、歓びて慶賀せん。諸王諸侯よ、疾く来りて、歌を以てハリストスの教会の燈を歌頌すべし。諸牧師諸教師よ、共に集まりて、属神゜の詩賦を以て、善き牧者の此の睿智なる秘密者、光を放つ燈臺、教会の柱、教の堅固なる基、救の神聖なる春を報ずる燕、教を傳ふる美聲の角(らっぱ)なる者を讃め揚げて、斯く言はん、聖なる奇蹟者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、勤めて我等を外攻内亂より脱れしめて、爾等の祈祷を以て己の牧群を救ひ給へ。

  今も、生神女讃詞。

我等歌の角(らっぱ)を吹かん、蓋萬有の女王、母童貞女は上より臨みて、祝福を以て之を歌頌する者に冠らせ給ふ。諸王諸侯よ、疾く来りて、先に死に縛られたる者を仁慈に因りて釋き給ひし王を生みたる女王を歌を以て歌頌すべし。諸牧師諸教師よ、共に集まりて、善き牧者の至浄なる母を讃め揚げん。輝ける燈、光れる雲、天より廣き者、活ける約匱、主宰の火の状の寶座、「マンナ」を納るる金の壺、言の闔したる門、衆「ハリスティアニン」の避所を属神゜の歌を以て崇め讃めて、斯く言はん、言の宮よ、我等卑微なる者を天國に堪へさせ給へ、爾の轉達には能はざる所なければなり。

  挿句に讃頌、第二調。

我等何の歌の美しきを以てかハリストスの成聖者、福音の至りて光明なる傳道師、教会の守護者、ロッシヤの地の保護者、神を識る光に導く教導師、皇帝の扶助者を崇め讃めん。彼等の祈祷に由りてハリストス大なる憐を有つ主は諸敵の驕慢を倒し給へり。

句、聖人の死は主の目の前に貴し。

我等何の爽快なる口を以てか神智なる成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップを崇め讃めん。彼等はハリストスの教会の鮮なる飾、神品職の榮冠、正教の治理者、神聖なる醫治の盡きざる泉、属神゜の賜の付予者、其流を以てロッシヤの地を楽しましむる多くの奇蹟の川、皇帝の熱心なる扶助者なり。彼等に由りてハリストス大なる憐を有つ主は諸敵の驕慢を倒し給へり。

句、爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。

我等何の美しき聲を以てか奇蹟に於て高名なる成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップを歌頌せん。彼等は襁褓の中より成聖せられし者、教会の動なき柱、無形の者の共住者、堅く義を守りし者、迫害せらるる者の保護者、病める者の廉潔なる醫師なり。彼等に因りてハリストスは諸教会に合一と平安と大なる憐とを賜へり。

  光榮、第三調。

至尊なる成聖者、至福なる神゜父及び奇蹟者、ハリストスの悦を獲たる役者、ロッシヤの首座たるペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、爾等は預言者の度生を以て輝き、使徒の恩賜を蒙るに勝ふる者と為りて、天使等と共に常に救世主に奉事す。求む、我等が諸罪より救はれて、我が霊に平安と大なる憐とを賜はらんことを祈り給へ。

  今も、生神女讃詞。

  讃詞、第四調。

ロッシヤの教会の首座、使徒の傳の眞の守護者、動なき柱、正教の教導師ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、萬有の主宰に祈りて、世界に平安、我等の霊に大なる憐を賜はんことを求め給へ。

  光榮、今も、生神女讃詞。

 

早課

「主は神なり」に讃詞、同上。

  「カフィズマ」の第一の誦文の後に坐誦讃詞、第五調。

我等教会の王たる飾として主の成聖者、聖傳の盡きざる寶蔵なる者を讃め揚げん、蓋彼等は此を以て我等に性の合一にして位の分れたる聖三者を尊まんことを教へ給へり。二次。

  光榮、今も、生神女讃詞。

神の恩寵を蒙れる至聖なる童貞女よ、我等信を以て爾慈憐なる者に趨り附きて、爾の熱切なる保護を求むる者を憐み給へ、爾は至上なる神の仁慈の母として爾の母たる祈祷を以て常に衆を覆ひて、救はんことを能すればなり。

  第二の誦文の後に坐誦讃詞、第三調。

神智なる成聖者よ、爾等は教会の柱たり、正教の奪はれぬ富と現れ、潔浄を以て爾等の生命を輝かし、聖三者の教を説き給へり。克肖なる神゜父等よ、ハリストス神に我等の霊の救の為に祈り給へ。二次。

  光榮、今も、生神女讃詞。

神の性に離れずして、爾の胎内に身を取りて、神人と生れし惟一の主は、爾母を産の後にも産の前の如き純潔なる童貞女として護り給へり。彼に熱切に大なる憐を我等に賜はんことを祈り給へ。

  「主の名を讃め揚げよ」の後に讃揚詞。

ハリストスの成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、我等爾等を讃揚して、爾等の聖なる記憶を尊む、爾等は我等の為にハリストス我が神に祈り給へばなり。

  抜粋聖詠、萬民之を聴け云々

  多燭詞の後に坐誦讃詞、第四調。

地上に言と行とを以て神を榮せし全地の睿智なる教師等は、我等衆に救を與ふる者として、今日崇め讃めらるべし。二次。

  光榮、今も、生神女讃詞。

勝たれぬ轉達者たる神の母、衆人の保護、爾に趨り附く者の為に常に祈祷する者よ、我を棄てずして、諸難より我を救ひ給へ。

  品第詞、第四調の第一倡和詞。

  提綱、第四調。

聖人の死は主の目の前に貴し。句、我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。

「凡そ呼吸ある者」。福音經はハイオアン三十六端。

  第五十聖詠の後に讃頌、第六調。

至福なる者よ、神の恩寵は爾等の聖躯の至尊なる柩を覆ふ、故に我等は爾等の奇蹟の香料の薫に趨り附きて、諸病の醫治を斟む。嗚呼ハリストスの成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、ハリストス神に我等の霊の為に祈り給へ。

規程は生神女の、「イルモス」と共に六句に。

  次に成聖者の規程、八句に。第八調。

  第一歌頌

イルモス、イズライリは乾ける地の如く水を過り、エギペトの禍を免れてべり、我が救主及び神に歌はん。

嗚呼大なる成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、我等多くの誘惑に圍まれて、爾等に趨り附きて、救を求む、甚しき危難及びさいがいより我等を救ひ給へ。

諸慾の攻撃及び多くの憂愁患難は我が霊を残ふ、克肖なる成聖者よ、神に捧ぐる爾等の祈祷を以て之を安ぜしめて、悲より楽に移し給へ。

大なる奇蹟者、選を蒙りたるペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、救主ハリストスに祈り給へ、我等が爾等の祈祷に因りて、憂患とわざわいと諸敵の攻撃より救はれん為なり。  生神女讃詞

嗚呼神の母女宰よ、我等憂患と災禍とに居る者に爾の神聖なる眷顧及び懸慮を得しめ給へ。

共頌、「我が口を開きて」。

  第三歌頌

イルモス、主、天の穹蒼の至上なる造成者、教会の建立者、冀望の極、信者の固、獨人を愛する者よ、我を爾の愛に堅め給へ。

神の悦を得たる者よ、爾等は神に亜ぎてモスクワの守護者及び庇護者なり。我等を救の湊に向はしめ給へ、爾等は信者の為に防護なればなり。

聖なる奇蹟者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、祈る、爾等が神に奉る祈祷を以て、我が霊の紛擾と患難の狂風とを退けて、我等に穏静を與へ給へ。

高潔にして萬善に熱中し、神より奇蹟の恩賜に富まされたる者よ、爾等己の役者を榮する神に祈りて、衆に佑助を與へ給へ。

  生神女讃詞

生神童貞女よ、甚しき病と諸敵の攻撃とに苦しめらるる我等を助けて、悲を喜に轉じ給へ。

  坐誦讃詞、第四調。

聖なる神゜父等よ、爾等の手は善く労し、神に悦ばるることを為し、促す者に優に與へたり、爾等の口は神を讃榮し、人々に神を識ることを教へたり。求む、斯の手を萬有の主宰に伸べ、斯の口を開きて、神に奉る爾等の祈祷を以て、急ぎて我等を助け、我等を攻むる諸悪、さいがい、危難より脱れしめ給へ。二次。

  光榮、今も、生神女讃詞。

永在の神を生みし純潔なる童貞女、獨衆に歌はるる者よ、成聖者と共に常に神に祈りて、我等信と愛とを以て職として爾を歌ふ者に終の先に諸罪の赦免と生命の更新とを賜はんことを求め給へ。

  第四歌頌

イルモス、主よ、我爾が摂理の秘密を聆き、爾の作為を悟り、爾の神性を讃榮せり。

聖なる神゜父等よ、神に祈りて、爾等の祈祷を以て、我が諸慾の紛擾と多くのわざわいの暴風とを鎮め給へ。

聖なる神゜父等よ、我等援助の為に爾等を呼ぶ者に多くの慈憐を蒙らしめ給へ、仁慈なる神は爾等の祷を聆き給へばなり。

聖なる神゜父等ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、我等は爾等を倚頼と為し、神に奉る爾等の祈祷を壊られぬ垣と為して、諸悪諸難を免る。

  生神女讃詞

潔き者よ、我等の霊の諸病と肉體の諸慾とを醫し給へ。女宰よ、爾の祈祷を以て疾く我等に健康を與へ給へ。

  第五歌頌

イルモス、主よ、爾の誡を以て我等を照せ、人を愛する者よ、爾の高き臂を以て爾の平安を我等に與へ給へ。

聖なる神゜父等よ、我等を外寇内亂より脱れしめて、我等の生命を楽に満て給へ。

聖なる奇蹟者よ、我が霊の為の熱心なる轉達者及び祈祷者として、我等を諸のわざわいより脱れしめ給へ。

神に奉る爾等の祈祷を以て我が諸罪と不當なる行との闇を除き給へ。

  生神女讃詞

嗚呼女宰よ、我等爾を壊られぬ垣及び湊、霊の全き救及び哀の中の慰藉として得たり、今我等を諸慾諸難より救ひ給へ。

  第六歌頌

イルモス、我祷を主の前に灌ぎ、我が憂を彼に告げん、我が霊は悪に満ち、我が生命は地獄に近づきたればなり。我イオナの如く祈る、神よ、我を淪滅より引き上げ給へ。

聖神゜父等よ、神に奉る爾等の祈祷を以て、爾等の都邑に疫病、火難、外寇を免れしめ給へ。

主の成聖者よ、我等は爾等を我が都邑の庇護者及び堅固なる守護者として知る、故に爾等に趨り附きて、慈憐を蒙りて、諸難を免る。

聖なる奇蹟者よ、我等は爾等を垣及び湊、哀の中の慰藉、我が霊の堅固及び拯救として獲たり。  生神女讃詞

至りて無てんなる童貞女よ、我爾を生命の庇護者及び堅固なる守護者、災禍の患を解き、悪鬼の攻撃を防ぐ者と知りて、常に我に苦難を免れしめんことを祈る。

  小讃詞、第三調。

爾等は成聖者として敬虔に生を度り、人々を神を識る知識に導き、善く神の悦を得たり。故に神の恩寵の門徒として、彼より不朽と奇蹟とを以て榮せられたり。

  同讃詞

初めて召されたる者の後任者、ロッシヤの教会の首座、大なる燈、聖三者の軍士、正教の教導師ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、爾等は敬虔を以て世に生を度り、己の教を以て全地を照せり。故に天國の嗣と為りて、神の恩寵の門徒として、不朽と奇蹟とを以て榮せられたり。

  第七歌頌

イルモス、昔ワワィロンに於てイウデヤより来りし少者は、聖三の信を以て、爐のを踏みて歌へり、先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

救世主よ、爾は我等の救を立てんと欲して、爾の悦を得たる役者に奇蹟の恩賜を賜ひて之を榮す、蓋彼等は爾に呼ぶ、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

ハリストスの克肖なる成聖者ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、童貞女より生れし慈憐の深き主に我等を諸罪諸難諸悪より救はんことを祈り給へ、蓋我等呼ぶ、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。

神の悦を得たる役者、悔改の教師等よ、爾等は、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらると、呼ぶ者の為に救贖の寶蔵、醫治の泉なり。  生神女讃詞

至聖なる生神女よ、爾より生れし主は爾を、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらると、呼ぶ者の為に救贖の寶蔵、不朽の泉、信の堅固、悔改の門と為し給へり。

  第八歌頌

イルモス、天使の軍の歌ふ所の天の王を崇めて、萬世に讃め揚げよ。

聖なる諸神゜父、正教の教師等よ、爾等の佑助を求めて、歌ひて、世々にハリストスを讃め揚ぐる者を棄つる毋れ。

爾等は、我等呼びて、世々にハリストスを讃め揚ぐる者を霊の恙より醫し、體の病より起し給ふ。

神の悦を得たる爾等に趨り附きて、熱信に歌ひて、世々にハリストスを讃め揚ぐる者の為に爾等醫治の富を流し給ふ。  生神女讃詞

童貞女よ、爾は我等より誘惑の攻撃を退け、諸慾の侵害を除き、我等をして爾潔き者を歌ひて、世々に讃揚せしめ給ふ。

  第九歌頌

イルモス、潔き童貞女よ、我等爾に依りて救はれし者は爾を實に生神女と承け認めて、無形の軍と偕に爾を崇め讃む。

聖なる諸神゜父ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、爾等に祈る、我等の涙の流を棄てずして、凡そ爾等を讃美する者に慰藉を與へ給へ。

聖なる諸神゜父、熱心なる保護者よ、神に奉る爾等の祈祷を以て我等の心を喜悦に満て給へ。

至りて光明なる燈、聖三者の軍士ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、爾等の勤労と功徳とに由りて敬虔に爾等を讃美する者より無智の闇は拂はれたり。  生神女讃詞

童貞女よ、爾の光の輝を以て、敬虔に爾を生神女と承け認むる者を照し、其無知の闇を拂ひて、烈しき禍より救ひ給へ。

  光耀歌

日の光線よりも盛に耀ける燈、光の原因たる三者及び三日の惟一者より神妙に燃されたる捧神なる神゜父等を我等崇め讃めん。二次。

  光榮、今も、生神女讃詞。

生神童貞女よ、我等黙さざる歌を以て爾を讃美す、蓋爾は聖三者の一を腹に受けて、變易なき永在なる言を爾の神聖なる手に抱き給へり。

「凡そ呼吸ある者」に讃頌、四句を立つ、第八調。

成聖者ペトルよ、爾は慈憐なる霊、潔き意念、温柔の心、無てんの信、偽なき愛、教師の恩賜、成聖者の職位を有ちて、今天に在る成聖者の會に列り給へり。故に我等皆爾を尊みて、聖なる歌を以て敬虔に爾を讃揚す。

嗚呼至尊なる神゜父、奇異なる睿智者アレキシイよ、爾は修道の度生を以て神の悦を得たり、神は爾を幼少より選びて、霊智なる羊群の牧師及び大なる教師と為せり。爾は司祭等の教導師と為り、全ロッシヤの地の為に至りて光明なる星と現れて、奇蹟を以て凡そ熱信に爾の聖躯の柩に俯伏する者を照す。故に天に在りて成聖者の會は爾を接けたり、彼等と偕に祈りて、爾の牧群の為に諸罪の赦を求め給へ。

神゜父イオナ、神智なる成聖者よ、爾は少きより、ハリストスを愛し、又其愛を蒙りて、彼よりする至聖神゜の神聖なる光にて爾の心を照して、實に輝く者と為れり。故に爾の聖堂に趨り附く者の祈願を其救の為に應はせて、ハリストス神に我等の霊の救はれんことを祈り給へ。

福たるフィリップ、奇異なる成聖者よ、爾は馳すべき程を盡し、信を守れり、故にハリストスは光明なる義の冕を以て爾に冠らせて、爾の表信を飾り給へり。今天の嗣業を受けて、爾の記憶を歌頌する者の為に救世主に祈り給へ。

嗚呼至尊にして奇異なる神゜父等ペトル、アレキシイ、イオナ、フィリップよ、爾等は託せられし「タラント」を益して、己の主の歓楽を受くるに勝ふる者と為れり、今神聖なる光の恩寵に飾られて、成聖者の會と偕に主の前に立ち給ふ。故に我等は信と愛とを以て爾等の至りて光明なる記憶を讃美して、其悦を得たる役者を榮せしハリストスを崇め讃む。

  光榮、第六調。

善い哉、善にして忠なる僕等、ハリストスの葡萄園の善き工人よ、爾等は終日の苦労をも忍び、爾等に託せられし「タラント」をも益せり、又爾等より後に来りし者を猜まざりき、故に天の門は爾等の為に啓かれたり。聖なる教師等よ、主宰ハリストスの歓楽に入りて、我等の為に祈り給へ。

  今も、「生神女よ、爾は實の葡萄の枝」。

 

聖體禮儀

眞福詞は、規程の第三及び第六歌頌。

  提綱、第七調。

聖人の死は主の目の前に貴し。句、我何を以て主の我に施しし悉くの恩に報いん。使徒の誦讀はエウレイ書三百三十五端。「アリルイヤ」、第二調、爾の司祭等は義を衣、爾の諸聖者は悦ばん。句、往きて彼の住所に就き、彼の足だいに叩拝せん。

  福音經の誦讀はマトフェイ十一端。

領聖詞、義人よ、主の為に喜べ、讃榮するは義者に適ふ。