7月22日/8月4日

聖攜香女亜使徒マリヤ「マグダリナ」の祭日


又神品致命者聖フォカの記憶

晩課

「主よ、爾にぶ」に聖女の讃頌、第八調。

「マグダリナ」マリヤよ、爾は香料を涙と共に攜へ、神聖なる墓に至りて、生を施す主の神聖なる復活、及び衆人の救贖を報ずる光栄の天使を覩たり。故に急ぎて十一の者に告げて、欣ばしく云へり、祝へよ、ハリストス起き給へり。

讃美たる者よ、爾は我等の為に我等に似たる者と為りしハリストス神に事へ、間断なき光線を以て心と思とを燃して、光と為れり。爾はハリストスが十字架に懸れるを覩て、涙を流して言へり、驚くべき顕見や、何如にして生命は今自由の死を受くる。

ハリストスに学びて、其命を霊の救の為に傳へし至栄神福なるマリヤよ、我等爾の聖なる記憶を行ひて、信を以て爾の不朽体の柩、熱切に趨り附く者の為に盡きざる恩寵と光照とを流す者に接吻す。

  聖人の讃頌は總月課経に据る。

  光栄、第六調。(アナトリイの作)。

マリヤ「マグダリナ」よ、爾は諸善の第一の原因者、慈憐を以て我等の性を神成せし主の神聖なる復活を第一の者として見て、第一の福音者と現れて、使徒に呼べり、哀を去りて喜を受け、来りて、復活せしハリストス、世界に大なる憐を賜ふ主を覩よ。

  今も、生神女讃詞、或は十字架生神女讃詞。

昔潔き牝羊、無てんなる女宰は己の羔が十字架の木に在るを覩て、母として泣き、訝りて呼べり、最甘き子よ、斯の新にして至妙なる顕見は何ぞや、何如ぞ不虔なる会は爾をピラトの裁判に付して、萬有の生命を死に定めたる。言よ、我爾の言ひ難き寛容を讃め歌ふ。

  挿句の讃頌は八調経に据る。

  光栄、第八調。(ワィザンティイの作)。

至大なる慈憐に因りて甘じて我が貧窮を以て貧窮と為りしハリストス神に女弟子として忠信に事へたる「マグダリナ」マリヤは、彼が木に懸けられ、又墓に閉されしを覩て、涙を流して呼べり、此の驚くべき顕見は何ぞや、死者を活かす者は何如ぞ死者と為りたる、我は悪鬼の臭気より我を脱しし者に何如かる香料を獻げん、我の原母を涙より救ひし者に何如なる涙を灑がんと。然れども爾は、萬有の王よ、園を守る者の如く現れて、爾の言の露を以て其暑熱を涼しくして、之に言へり、我の兄弟に往きて、福音の喜を告げよ、蓋我は我が父我が神及び爾等の神に升る、世界に大なる憐を賜はん為なり。

  今も、生神女讃詞、或は十字架生神女讃詞。

イイスス主宰よ、爾の母童貞女は爾が十字架に釘せられ、自由に苦を受くるを見て呼べり、嗚呼哀しい哉吾が甘愛なる子よ、爾は人々の諸病を醫したる醫師、爾の慈憐に因りて衆を朽壊より脱れしむる者にして、如何ぞ非義なる傷を忍ぶ。

  讃詞、第一調。

尊きマリヤ「マグダリナ」よ、爾は我等の為に童貞女より生れしハリストスに従ひて、其誡と法とを守れり。故に我等今日爾の至聖なる記憶を祭りて、爾の祈祷に因りて諸罪の赦を受く。

  聖人の讃詞は總月課経に据る。

 

早課

規程は八調経の一篇、聖者の二篇。

聖女の規程、其の冠詞は、愛を以て「マグダリナ」マリヤを歌ふ。第八調。フェオファンの作。

  第一歌頌

イルモス、イズライリは乾ける地の如く水を過り、エギペトの禍を免れてべり、我が救主及び神に歌はん。

神聖なる徳にて飾られ、神聖なる光線にて輝けるマリヤよ、爾の祈祷を以て我が昧みたる心を照し給へ。

父の言は明に爾を悪鬼より脱れしめて、聖にせり。爾は彼の女弟子と為りて、聖神゜の恩賜に満たされたり。

爾は慈憐に因りて地に現れたる主宰、盡きざる泉たる者より生を施す水に満たされて、罪の濁れる流を涸らせり。

  生神女讃詞

至浄なる女宰生神女よ、我等は爾萬有の造成主の母、陥りし人の性を神と和睦せしめし少女を歌ふ。

  聖人の規程は總月課経に載す。

  第三歌頌

イルモス、主、天の穹蒼の至上なる造成者、教会の建立者、冀望の極、信者の固、独人を愛する者よ、我を爾の愛に堅め給へ。

マリヤよ、爾は先づ諸善の原因者、慈憐を以て我等の性を神成せし主を愛して、熱心に彼に従ひて、其神聖なる命を行へり。

處女よ、爾は涙を流して贖罪主の墓に至りて、第一の者として神聖なる復活を見たり。故に福音者と現れて呼べり、ハリストス起き給へり、手を柏てよ。

  生神女讃詞

純潔なる者よ、爾の至浄なる血より身を取りし言は我を救ひて、仁慈の饒なるに因りて始の堕落の定罪を解き給ふ。彼に絶えず爾の牧群を救はんことを祈り給へ。

  聖人の小讃詞は總月課経に据る。

  マリヤの坐誦讃詞、第八調。

マリヤ「マグダリナ」よ、爾は實に女弟子として、至大なる慈憐に因りて貧窮と為りし言に熱心に奉事し、彼が十字架に挙げられ、又墓に置かれたるを覩て、涙を流して哭けり。故に我等爾を尊みて、切に爾の慶賀を行ふ。光栄なる攜香女よ、愛を以て爾の聖なる記憶を尊む者に罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。

  光栄、聖人の坐誦讃詞、總月課経に据る。

  今も、生神女讃詞。

潔き者よ、爾は神聖なる爾の産を以て、地上の者の諸慾の中に朽ちて死したる性を新にして、衆を死より不朽の生命に起し給へり。故に至栄なる童貞女よ、爾が預言せし如く、我等宜しきに合ひて爾を讃美す。

  十字架生神女讃詞

至りて無てんなる童貞女、ハリストス神の母よ、爾が己の子及び神の甘じて十字架に釘せらるるを覩し時、剱は爾の至聖なる霊を貫けり。讃美たる者よ、彼に絶えず我等に諸罪の赦を賜はんことを祈り給へ。

  第四歌頌

イルモス、主よ、我爾が摂理の秘密を聆き、爾の作為を悟り、爾の神性を讃栄せり。

爾は世俗の空虚に亂されざる意念を有ちて、全世界を迷より救はん為に来りし者に事へたり。

マリヤよ、爾は涙を流し、生を施す墓に至りて、ハリストスの復活を報ずる天使を見たり。

栄すべき者よ、爾の無てんなる心はハリストスの誡に在りき。爾は彼独人の子より美しき者を慕へり。

  生神女讃詞

少女よ、怠惰の睡に因りて罪の寐は我に至れり、爾のけい醒の祈祷を以て我を起して痛悔に向はしめ給へ。

  第五歌頌

イルモス、隠れざる光よ、何ぞ我を爾の顔より退けし、外の闇は憐なる我を掩へり。祈る、我を返して.我が途を爾の誡の光に向はしめ給へ。

原母は昔言を以て彼を誘ひて、楽園より逐ひし者が、雄雄しき質を得たる潔き女等の足に践まるるを見て、常に彼等と偕に喜ぶ。

尊きマリヤ「マグダリナ」よ、爾は死して墓に閉されたれども、衆に生を()き入るる者を愛する愛に感傷して、彼の甘き愛に香料を攜へ、涙の馨香を灑ぐ。

救世主の神聖なる苦の後、其威厳なる升天の後に、爾は巡りて、言の光栄なる女弟子として、遍く尊き教を傳へ、不知に由りて迷へる多くの者を真理に導き給へり。  生神女讃詞

至聖なる少女よ、測り難き慈憐に因りて爾より生れんことを嘉せし主は、我罪の網に陥りし者を脱し給ふ。信を以て爾を歌ふ者を凡の艱苦より救はんことを彼に祈り給へ。

  第六歌頌

イルモス、救世主よ、我を浄め給へ、我が不法多ければなり、祈る、我を悪の淵より引き上げ給へ、我爾に呼びたればなり、吾が救の神よ、我に聴き給へ。

尊き者よ、爾の言の露は門徒の哀の熱を涼しくせり、蓋爾呼べり、ハリストスは起き、生命は現れ、光明なる日は輝けり。

至栄なる者よ、視よ、爾の光明なる記憶は光りて、其中に爾を歌ふ信者を照し、悪鬼の誘惑の幽暗を掃ふ。  生神女讃詞

至りて無てんなる者よ、爾を生神女と承け認むる者の為に、爾は霊智なる潔浄、光る燈及び神に渡す橋と現れ給へり。

  小讃詞、第三調。

至栄なる者よ、爾は他の多くの者と共に救世主の十字架の側に立ちて、主の母と偕に哀しみ、涙を流して、斯く讃美を獻げて云へり、此の驚くべき奇蹟は何ぞや、萬有を保つ者は甘じて苦を受け給ふ、光栄は爾の権柄に帰す。

  同讃詞

主宰ハリストス造物の王は天を離れずして、自ら欲せし如く降り、甘じて死すべき肉体を取り給へり。無てんなる母は其十字架に釘せらるるを覩て、尊き處女と共に側に立ち、「マグダリナ」マリヤも彼處にありて哭けり、蓋彼はハリストスに随ひて、常に最熱切なる信を顕せり。今墓に對ひて坐して呼べり、爾は甘じて苦を受け給へり、光栄は爾の権柄に帰す。

  第七歌頌

イルモス、エウレイの少者は爐に在りて勇ましく焔を践み、火を露に変じてべり、主神よ、爾は世々に崇め讃めらる。

攜香女よ、爾は言の爾を助くるに由りて、諸の病を退けたり。爾は今彼の前に立ちて呼ぶ、主神よ、爾は世々に崇め讃めらる。

爾は独他人に先だちて我等の生命なるハリストスの起きたるを見たり。爾は彼を園丁なりと意ひて呼べり、主神よ、爾は世々に崇め讃めらる。

  生神女讃詞

潔き者よ、爾は不死の神を妊み且産むに因りて、死の流を停めたり。我等皆彼に歌ふ、主神よ、爾は世々に崇め讃めらる。

  第八歌頌

イルモス、ハルデヤの窘迫者は怒に堪へずして、敬虔の者の為に爐を七倍熱くしたれども、上の力にて其救はれしを見て、造物主と救世主に呼べり、少者よ、崇め讃めよ、司祭よ、讃め歌へ、民よ、萬世に尊み崇めよ。

嗚呼「マグダリナ」よ、爾の生は光明なる者と顕れて、徳義の行、神聖なる傳道の光線にて光り、造物主に於ける愛にて輝けり。爾は彼に諸天使と共に歌ふ、司祭よ、讃め歌へ、民よ、世々に彼を尊み崇めよ。

光栄なるマリヤよ、爾は十字架の側に立ち、言ひ難き慈憐に由りて己をつくしし者の非義なる屠殺を覩て、號び、涙に湿されて呼べり、此の驚くべき奇蹟は何ぞや、死を死しし者、其性の生なる者は如何ぞ殺されて死する。

  生神女讃詞

潔き者よ、我等同心に爾を神の母、萬物より上なる者として讃栄す。蓋爾の為にアダムに縁る定罪は抹され、離れたる人の性は神と親しくなりたり。故に我等歌ふ、司祭よ、讃め歌へ、民よ、世々に彼を尊み崇めよ。

  第九歌頌

イルモス、天は懼れ、地の極は驚けり、神は身にて人々に現れ、爾の腹は天より廣き者と為りたればなり、故に天使と人々の群は爾生神女を崇め讃む。

捧神なるマリヤよ、爾は今神聖なる歓喜、楽園の廣居、霊智なる天上の住所、克肖者の会處、楽しく祝ふ者の清き声のある所に移り給へり。故に我等皆爾を讃美す。

最尊きマリヤよ、爾は地上にある者の一をもハリストス神を愛する愛より尊くせずして、独彼の美しきを慕ひ、直に彼より出づる光線に照されて、彼の跡に随ひて呼べり、仁慈多き主よ、我爾を崇め讃む。

神の行動に由りて神成せられ、恩寵の泉を飽くまで飲み、勤労の報を受け、使徒の会に列せられたる「マグダリナ」、言の女弟子よ、愛を以て爾を尊む者を爾の祈祷を以て護り給へ。  生神女讃詞

生神童貞女よ、爾は我等の為に苦を受けし者の母として、霊を害する諸慾より我を脱れしめ給へ、慈憐の者として、我が諸罪の縛を釋き給へ、至善の者として、悪魔の誘に由りて悪しく為りたる我が霊を今善なる者と為し給へ、我が爾讃美たる者を歌はん為なり。

  光耀歌

處女よ、暮れざる日、世の無き先に父より輝きし者をエウレイの会は墓に封じたり。然れども爾は、マリヤよ、第一の者として復活せし者を見て、門徒に知らせ給へり。

  光栄、聖人の、總月課経に据る。

  今も、生神女讃詞。

神を生みしマリヤよ、ダニイルは爾を截られざる山として預象す、此より尊き石は鑿られて、偶像の諸の宮を崩せり。

  挿句の讃頌は八調経に据る。

  光栄、聖人の、總月課経に据る。

  今も、第八調、「至大なる慈憐に因りて甘じて我が貧窮を以て」。(晩課の挿句に載す)。

 

聖体礼儀

真福詞は、八調経の四句に、及び聖女の第三歌頌四句に。

  提綱、第四調。

神よ、爾は爾の聖所に於て厳なり。句、イズライリの源より出づる者よ、教会に於て主神を崇め讃めよ。使徒の誦読はコリンフ書141端。「アリルイヤ」、第一調、我切に主を恃みしに、彼我に傾きて、我がぶ声を聆き納れ給へり。

福音経の誦読はルカ34端。領聖詞、義人よ、主の為に喜べ、讃栄するは義者に適ふ。