4月23日/5月6日
光榮なる聖大致命者凱旋者ゲオルギイの祭日
若し聖人の本堂あり、或は聖務長之を望まば、徹夜堂課を行ふ。
小晩課
「主よ、爾によぶ」に讃頌、第一調。
眞實の春は麗しく至りて、ハリストス生を施す主を識る敬虔なる知識を以て造物を新にす。故に主の受難者は其智慧に明に照されて、敵の狂暴を践み給へり。二次。
睿智なるゲオルギイ、三重に福たる奇蹟者よ、爾は世々の王の為に戦ひて、不法者の軍を悉く破り、神より爾に賜ひたる恩寵に由りて、堅固なる受難者と現れたり。故に我等の救はれんことを祈り給へ。
三重に福たるゲオルギイよ、爾は醫治の流を爾に趨り附く者に予ふ。イイススの奇妙なる致命者、受難者の飾よ、爾は篤き信を以て爾のおほひに来る者の霊と體との扶助者なり。
光榮、同調。
大なる王の軍士ゲオルギイよ、喜びて楽しめ、蓋爾は一切を顧みずして、神の悦を為して、永遠の生命を天に獲たり。福たる者よ、爾の體は人々より凡の病を退く、蓋爾が愛する所のハリストスは爾を榮せり。
今も、祭日の。
挿句に讃頌、第四調。
萬民よ、手を拍て、致命者を敬愛する者よ、神に呼べ、蓋木に上げられて、墓に下りし者は、地獄を破り、死者を共に復活せしめて、彼に呼ばしめ給ふ、復活せしハリストスに「アリルイヤ」、「アリルイヤ」、「アリルイヤ」。
句、義人は繁ること棕櫚の如く、高くなることリワンの柏香木の如し。
我等共に祝ひて、歌頌の歌をハリストス我が救主に獻げん、蓋勇敢なる受難者は暴虐者敵に勝ちて、之を倒せり。故に我等皆息めざる聲を以て歌ふ、復活せしハリストスに「アリルイヤ」、「アリルイヤ」、「アリルイヤ」。
句、彼等は主の宮に植えられて、我が神の庭に榮ゆ。
戴冠者ゲオルギイよ、爾は致命者の飾、義人の榮と現れたり、蓋心の勇敢と霊の智慧とを以て地に敵の狂暴を践みて、我等と共に呼ぶ、生命を施すハリストスに「アリルイヤ」、「アリルイヤ」、「アリルイヤ」。
光榮、同調。
致命者を敬愛する者よ、来りて、歌頌の歌を墓より復活せしハリストスに獻げん。蓋今日属神の春は我等に輝きて、霊智の花を與ふ、是れ睿智なる大致命者ゲオルギイの全世界の記憶、宜しきに合ひて之を尊む者に醫治の泉を注ぐ者なり。我等今も彼に求めん、世界に平安、我等の霊に大なる憐を賜はんことを救世主ハリストスに常に祈り給へ。
今も、祭日の。
讃詞、第四調。
ハリストスの受難者よ、爾は信を以て善き戦を戦ひ、苛虐者の不虔を責めて、嘉く納れらるる祭として神に獻げられたり。故に勝利の榮冠を受けて、聖なる者よ、爾の祈祷を以て衆に諸罪の赦を賜ふ。
大晩課
第一「カフィズマ」の第一段を歌ふ。
「主よ、爾によぶ」に八句を立つ。祭日の讃頌三。
次に聖人の讃頌五。第四調。
受難者ゲオルギイよ、我等今日集まりて、爾を致命者の中に光明なる者として讃め揚げん、蓋爾は馳すべき程を盡し、信を守りて、神より爾の勝利の榮冠を受けたり。忠信に爾の最尊き記憶を行ふ者が壊滅とわざわいより救はれんことを彼に祈り給へ。
光榮なるゲオルギイよ、爾は堅固なる志を抱きて、獅の如く勇みて、自由に苦に投ぜり、壊に属する體を顧みずして、智慧を以て壊られぬ霊を慮りたればなり。故に多種の苦難に因りて、七次錬られたる金の如く浄められたり。
光榮なる大致命者ゲオルギイよ、爾は救世主の為に苦を受け、死を以て甘じて其死に效ひ、血よりする光潔なる緋袞衣を衣、爾の苦難の帝笏を執り、勝利の榮冠にて妝はれ、主と共に厳に王となりて、無窮の世に迄らん。
ゲオルギイよ、爾は信の鎧、恩寵の盾、十字架の戈を以て武器と為して、敵に勝たれぬ者と為れり。神聖なる英雄として悪魔の軍に勝ちて、天使等と共に祝ひ、信者に呼ばれて、彼等を護り、聖にし、救ひ給ふ。
凱旋者ゲオルギイよ、我等爾を大に光る星、天の穹蒼に輝く日として識る、爾を價貴き珍珠、光る宝石、晝の子、致命者の中に光明なる者、艱難に於て信者を防ぎ護る者と讃榮して、爾の記憶を行ふ。
光榮、第六調。
軍土ゲオルギイよ、爾は己の名に適ひて生を度れり。蓋ハリストスの十字架を肩に荷ひて、悪魔の迷に因りて荒れたる地を善く耕し、荊棘なる偶像の奉事を根より抜きて、醇正なる教の葡萄樹を植えたり。故に全地の中に普く信者に醫治を流して、聖三者の義なる農夫と現れたり。求む、世界の平安、我等の霊の救の為に祈り給へ。
今も、祭日の。
聖入。本日の提綱。喩言。
イサイヤの預言書の讀。(四十三章8-14)。
主是くの如く言ふ、萬民は共に聚まり、諸族は集うべし。彼等の中誰か之を預言したる、初より有りし事を示すべし、其證者を出して自ら義とせらるべし、聞きて此れ眞なりと云ふを得ん為なり。主曰く、我の證者は即爾等及び我の僕なり、我彼を選べり、爾等が我を知り、我を信じ、此れ我なりと悟らん為なり、我より先に神なかりき、我より後にもなからん。我や、我は神なり、我の外に救者なし。我預言せり、且救へり、且示せり、爾等の中には他の者なし、爾等は我の神なるを證する我が證者なり、主之を言ふ。日の始より我は彼なり、能く我の手より救ふ者なし。我之を為さば、孰か之を止めん。主爾等の贖罪者、イズライリの聖なる者之を言ふ。
ソロモンの智慧書の讀。(三章1-9)。
義人等の霊は神の手に在り、苦は彼等に触れざらん。無知者の目には彼等死せし者と見え、彼等の逝世は滅亡と思はれ、我等より離るることは無に帰すと思はれたれども、彼等は平安に在るなり。蓋彼等は人の目には罰せらるれども、彼等の望は不死を盈つ。彼等僅に罰せられて、多くの恩を蒙らん、蓋神は彼等を試みて、己に適う者と見たり。金が坩堝に試みらるる如く、神は彼等を試みて、彼等を完全なる祭祀として受けたり。應報の日に於て彼等は茎に走る火花の若く輝かん。彼等は諸族を審判し、諸民を主らん、彼等の上には主は世世に王たらん。主を恃む者は眞實を知り、愛に専なる者は彼に居らん、蓋主の恩寵と慈憐とは其聖者に在り、其慮は選ばれたる者に在るなり。
ソロモンの智慧書の讀。(四章7-15)。
義人は早く死すとも安息に居らん、蓋貴き齢は長寿に在るに非ず、年の数を以て量るに非ず。智慧は人の為に白髪なり、無てんなる生命は老年の齢なり。彼は神の悦を獲たる者として愛せられ、罪人の間に居りし者として移され、悪が其心を変ぜず、詭譎が其霊を誘はざらん為に挙げられたり。蓋不虔の習は善を昧まし、慾の動は淳良なる知識を亂す。彼は短き時に完全に至りて、長き年を満てたり、其霊主に悦ばれしに因りて、彼は急ぎて不敬虔の中より徙れり。然れども人々之を視て悟らず、主の恩寵と慈憐とは其聖者に在り、其慮は選ばれたる者に在ることを思はざりき。
「リティヤ」に本堂の讃頌。
次に聖人の讃頌、第一調。(アナトリイの作)。
光明なる英雄ゲオルギイは其光榮なる苦に於て天上の軍を楽しませ、彼等と偕に今喜びて、地上にも信者を祝賀に興し、我等此が為に集まれる者と共に慶賀せん為にハリストスの僕として来れり。故に我等宜しきに合ひて彼を尊まん、蓋彼は常に萬有の神に我等に大なる憐を賜はんことを祈り給ふ。
至りて福たる致命者ゲオルギイよ、爾は勇敢なる苦を以て最善き事を耕作して、爾の苦労の實をハリストスに獻げたり。讃美たる者よ、爾は信を以て望を堅め、冀望を以て恐懼を斥けて、天の愛を獲たり。故に勇を有ちて、嘉く納れらるる祈祷を以て、我等の霊の為に平安と、罪の潔浄と、大なる憐とを求め給へ。
第四調
信者の會は来れ、来りて祭を為さん、蓋今日諸徳に輝ける受難者ゲオルギイの最光明なる記憶は至りて、見ゆるなく我等の心を照す。故に我等同心に歌ひて曰はん、大なる王ハリストスの軍士よ、慶べ、正教の光榮なる誉よ、慶べ、至りて光り、至りて富める者よ、慶べ。至福なる者よ、我等の為に萬有の主宰ハリストス神に祈りて、我等が凶悪者の誘惑より守られ、我が霊の救はれんことを求め給へ。
光榮、第五調。(フェオファンの作)。
春は現れたり、来りて喜ばん、ハリストスの復活は耀けり、来りて楽しまん、信者を照す受難者の記憶は至れり、故に祭を敬愛する者は来りて、奥密に之を祝はん。蓋彼は善き軍士として、暴虐者に對してて勇毅を顕し、ハリストス救世主の苦に效ひて、彼等を辱しめたり。彼は己の土の器を憫まずして、苦に由りて之を變じて、銅と為せり。我等彼に呼ばん、受難者よ、我等の霊の救はれんことを祈り給へ。
今も、祭日の。
挿句に讃頌、第四調。
致命者ゲオルギイよ、人々は歌頌と詩賦とを以て爾の尊貴なる記憶を崇め讃む、蓋此は美しき者、光を施し、光榮と恩寵とに飾られたる者として輝けり。故に今天軍は祝ひ、諸致命者は諸使徒と偕に爾の苦の功徳を讃め揚げて、爾を栄せし救世主ハリストス我が神を歌ふ。彼に我等の霊を救ひて照さんことを祈り給へ。
句、義人は繁ること棕櫚の如く高くなることリワン柏香木の如し。
ゲオルギイよ、爾はハリストスの全備の武具を衣て、爾を尋ねざる者に現れたり。蓋ハリストスの為に心を燃して、霊を害する虚しき諸神の迷謬を辱しめて、其時不法の者に呼べり、我はハリストス我が王の軍士なり、猛獣も、刃輪も、火も、剣も、我を吾がハリストスの愛より離すこと能はずと。彼に我等の霊を救ひて照さんことを祈り給へ。
句、彼等は主の宮に植えられて、我が神の庭に榮ゆ。
戴冠者ゲオルギイよ、爾は多種の刑具、種々の苦難、懼るべき拷問の器を顧みずして、致命者として敬虔の馳すべき程を盡せり。故に我等は歌の華を以て爾の至りて光明なる記憶に冠らせ、信を以て爾の尊き不朽體に接吻す。主宰ハリストス我が神の寶座の前に立てる者として、絶えず我等の霊を救ひて照さんことを祈り給へ。
光榮、同調。(ストゥディトの作)。
兄弟よ、我等霊智なる忍耐の金剛石たる光榮の致命者ゲオルギイを熱心に讃め揚げん。彼ハリストスの為に燃ゆるに、苦難は之を鍛ひ、苦痛は之を錬り、種々の苦は性の壊るべき肉體を折きたり、蓋望は性に勝てり、此れ死を以て彼に其篤く慕ふ所のハリストス神、我が霊の救主に遷らんことを勧めたればなり。
今も、祭日の。
餅の祝福に、讃詞、第四調。
囚虜を放つ者、貧者を護る者、病者を醫す者、諸王を援くる者たる凱旋者大致命者ゲオルギイよ、ハリストス神に我等の霊の救はれんことを祈り給へ。二次。
「生神童貞女よ、慶べよ」、一次、及び其他。
早課
「主は神なり」に祭日の讃詞、二次。
光榮、聖人の讃詞、今も、祭日の。
「カフィズマ」の第一の誦文の後に祭日の坐誦讃詞。
光榮、今も、同上。
第二の誦文の後に坐誦讃詞、第一調。
視よ、恩寵の春は輝き、ハリストスの復活は衆を照せり、之と共に今致命者ゲオルギイの至りて祝ふべき光を施す日は輝けり。皆来りて、敬虔に燈を執りて、欣ばしく祭らん。
光榮、同調。
至りて福たる致命者ゲオルギイよ、爾は地上の軍職を厭ひ、天上の光榮を慕ひて、苦難及び残虐の死を忍べり。故に我等今日爾の至聖なる記憶を祭りて、讃美をハリストスに奉る。
今も、祭日の、或は生神女讃詞。
我等皆爾神の母、産の後にも實に童貞女と現れし者に祈りて、愛を以て爾の仁慈に趨り附く。蓋我等罪なる者は爾獨至りて無てんなる者を轉達者として有ち、爾を誘惑の中に拯救として獲たり。
多燭詞の後に坐誦讃詞、第三調。
至りて福たる凱旋者ゲオルギイよ、爾は主宰を愛する熱愛に燃えて、勇ましく誘惑の榮華を退けて審判所にハリストスを讃榮せり。至榮なる致命者よ、我等に大なる憐を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
光榮、第四調。
至榮なる者よ、爾は務めて神聖なる誡命の種を耕作して、敬虔に爾の悉くの財寶を貧者に施し、之に代へてハリストスの光榮を獲たり。致命者ゲオルギイよ、爾は希望を抱き、功労及び多くの苦難に往きて、主の苦及び復活の共與者と為れり。彼の國に與りて、今我等の為に祈り給へ。
今も、祭日の、或は生神女讃詞。
生神童貞女、獨浄く、獨祝福せられし者よ、我等は父の言ハリストス我が神が爾より身を取りしを識れり、故に常に爾を歌ひて崇め讃む。
讃歌
右、聖なる致命者(某)よ、我等爾を讃揚して、爾がハリストスの為に忍びし尊貴なる苦を尊む。
次ぎて同詠隊又歌ふ。
右、神は我等の避所なり、能力なり。
左、患難の時には速なる佑助なり。
右、故に地は動くとも我等懼れざらん。
左、神よ、黙す毋れ、言を出さざる毋れ、蓋視よ、爾の敵は騒ぎ、爾を疾む者は首を昂げたり。 彼等は爾の民に向ひて奸なる計畫を為し、爾に護らるる者に向ひて謀る。 爾が諸僕の屍を天の鳥に与へて食となし、 爾が聖者の肉を地の獣に与へ、 彼等の血を水の如く流せり。 爾の為に我等毎日殺され、 人の我等を視ること、屠に定められたる羊の如し。 爾我等を諸民の諺となせり。 我毎日傷を受けたり。 神よ、爾銀を錬るが如く我等を錬り給へり。 我等は火と水との中に入り、而して爾我等を引ひ出して安息を賜へり。 義人よ、主の為に喜び楽しめ、 蓋神は義人の族にあり、 彼等の嗣業き永く存せん。 義人は呼ぶに主は之を聴く。 光は義人を照し、楽は心の正しき者に注がる。 義人は永く記憶せられん。 地上の聖人と爾の奇異なる者とは、我等之を慕ふ。 神よ、爾は爾の聖所に於て厳なり。 義人は繁ること棕櫚の如く、高くなることリワンの柏香木の如し。 義人は主の為に楽しみて、彼を恃まん、 心の正しき者は皆榮を獲ん。
光榮、今も、「アリルイヤ」、三次。
品第詞、第四調の第一倡和詞。
提綱、第四調。
義人は繁ること棕櫚の如く、高くなることリワンの柏香木の如し。句、彼等は主の宮に植えられて、我が神の庭に榮ゆ。
「凡そ呼吸ある者」。句、「神を其聖所に讃め揚げよ」。
福音經はルカ63端。
第50聖詠の後に讃頌、第六調。
今日全地は遍く受難者の光線に照され、ハリストスの教会は花に飾られて、ゲオルギイよ、爾に呼ぶ、ハリストスの役者、熱心なる保護者よ、息めずして爾の諸僕の為に祈り給へ。
規程は祭日の、六句に、聖人の二、八句に。
聖人の規程、第二調、フェオファン師の作。
第一歌頌
イルモス、全く備はれる力は昔ファラオンの全軍を深水に敷き、人體を取りし言、讃榮せらるる主は萬の悪を致す罪を滅し給へり、彼巌に光榮を顕したればなり。
ハリストスの致命者、戴冠者ゲオルギイよ、爾は至りて光明なる者として、萬有を宰る主の尊き寶座の前に立ちて、爾の祈祷及び轉達に因りて、篤き信と愛とを以て爾を呼ぶ者を護り給へ。
ゲオルギイよ、爾は受難の勤労に耕作せられて、ハリストスの為に良産の實と為れり、故に家宰は爾を活ける寶として天上の寶蔵に納めたり。
至りて福たるゲオルギイよ、爾は勇毅と忍耐とを備へて、自由に功労に進み、暴虐者の残忍なる隊に勝ちて、悉くの爾を呼ぶ者の為に祈祷者と為り給へり。
光榮なる受難者ゲオルギイよ、爾はハリストスの中に隠れたる福楽の生命、爾が血に至るまで苦労して獲んと欲せし者を今受けて、信を以て爾を歌ふ者の凡の侵害より救はれんことを祈り給へ。 生神女讃詞
神の母よ、爾は霊智なる天と為れり、蓋爾の胎内に天の言、天と地及び此より上なる萬有を造りし主を容れ給へり。故に勇を以て彼に爾を歌ふ者を救はんことを祈り給へ。
第二の規程、第四調。コスマ師の作。
第一歌頌
イルモス、イズライリの会衆は濡れざる足にて紅の海の深處を済り、敵の騎兵軍將が其中に溺れたるを見て、欣びて歌へり、我が神に歌はん、彼光榮を顕したればなり。
光榮なるゲオルギイよ、爾は聖なる苦難の馳すべき程を盡して、不朽の榮冠を冠れる勝利者として天に至り、天使等と偕に祝ひて歌ふ、我が神に歌はん、彼光榮を顕したればなり。二次。
ゲオルギィよ、爾は苦難の時に血の汗を滴らせて、形體の神聖なる苦を以て天上の無形の品位を驚かせり。彼等と偕に爾今祝ひて呼ぶ、我が神に歌はん、彼光榮を顕したればなり。 生神女讃詞
永貞童女よ、花を發きたるアアロンの杖は爾イエッセイの根より生ぜし至浄なる者、世界に花として身を取りし神を發きたる者を形れり、我等爾に趨り附く者の為に息めずして爾より生れし者に祈り給へ。
共頌、「復活の日、人々よ、己を照すべし」。
第三歌頌
イルモス、主よ、荒地の如く實を結ばざる異邦の教会は、爾の来るに因りて、百合の如く華さけり、我が心は此に縁りて固められたり。
苦難の榮冠にて輝ける光榮にして福たる者よ、敬虔に爾を呼ぶ者を凡の患難より救はんことを救世主神に祈り給へ。
豊なる光線にて輝ける睿智なる者よ、我等信を以て爾を讃め揚ぐる者より暗き憂と諸慾の闇とを遠ざけ給へ。
ゲオルギイよ、爾は望と愛とに堅められ、信に守られ、ハリストスの力に扶けられて、偶像の迷を仆し給へり。 生神女讃詞
至浄なる者よ、爾は父と同無原にして、萬有より先に在す主、四極を照す無形の者を身を有つ者として生み給へり。故に我等信者は爾生神女を尊む。
又
イルモス、果を結ばざる異邦の教会は子を生み、子の多き會は弱りたり、故に我等奇異なる吾が神に呼ばん、主よ、爾は聖なり。
ゲオルギイよ、爾は隠に富を貧者に施して、功労に進まん先に愛の油を體と霊とに抹りて、暴虐者に勝ち給へり。二次。
ゲオルギイよ、爾は恩寵に堅められ、ハリストスに於ける熱心の火にて燃え、偶像の迷を憤りて、爾を問はざる者に現れ、尋ねざる者に獲られたり。
生神女讃詞
潔き生神女マリヤよ、爾は我等が尊みて傳ふる者を手に抱き、凡そ呼吸ある者を養ふ主を乳にて養ふ。故に彼に我等衆の為に祈り給へ。
共頌、「来りて、新しき飲料を飲むべし」。
祭日の小讃詞及び同讃詞。
坐誦讃詞、第八調。
致命者よ、爾は敬虔を以て勇み、不虔の迷を仆して、敵の狂暴を践み、神聖なる望を以て心を燃して、暴虐者の無神の驕傲を滅せり。故に宜しきに合ひて苦難の報として榮冠を受け、熱信に爾に趨り附く者に醫治を與ふ。受難者ゲオルギイよ、愛を以て爾の聖なる記憶を祭る者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
光榮
睿智なる致命者よ、爾は地上の寶を地に於て衆に頒ちて、爾の勤労に由りて天上の寶を嗣ぎたり、蓋尊き十字架を武器として、此を以て暴虐者の驕傲を辱かしめたり。故に爾の祈祷に因りて爾に求むる者に神聖なる賜、醫治の恩を與ふ。受難者ゲオルギイよ、愛を以て爾の聖なる記憶を祭る者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
今も、祭日の。
第四歌頌
イルモス、童貞女に藉りて来りし者は使者に非ず、天使に非ず、主親ら人體を取りて、我全き人を救ひ給へり。故に我爾に呼ぶ、主よ、光榮は爾の力に帰す。
至福至榮なるゲオルギイよ、我等爾の功労を歌ふ、爾此を以て偶像の奉事を破り、悪魔の悉くの迷を空しくし給へり。
奇異なる者よ、爾ハリストスの軍士を歌ふ者を攻むる誘感と危難との擾乱を鎮め、悪魔の凡の悪謀を退け給へ。
ゲオルギイよ、爾は霊の勇毅と信の堅固とを以て光れる星の如く輝きて、昏き迷を逐ひ、爾を歌ふ者を救ひ給ふ。 生神女讃詞
童貞女よ、爾は實體の救贖、仁慈の富と本性の憐とを以て人を救ひ、朽ちたる像を新にする者を生み給へり。
又
イルモス、ハリストスよ、我爾の實に至榮なる事、爾が不死の神にして、死すべき人に似たる者と為りて、本性を變ぜざりしを聞けり、故に爾の力を讃栄す。
ゲオルギイよ、爾を審判せし暴虐者は爾の睿智の言を暁らざりき、然れども之を聞く衆くの者はハリストスを神と承け認めたり。
睿智なるゲオルギイ、聖三者の軍士よ、爾はハリストスの教の言を以て智者の巧なる空談を破りて、人の手にて造れる諸神を辱かしめたり。
爾を苦しむる者は爾の言に由りて辱かしめられたり、蓋爾は彼等の諸神を嘲りて、肉體にて十字架に釘せられて、霊を害する迷を空しくせしハリストス神を傳へ給へり。 生神女讃詞
至浄なる者よ、我等爾永貞童女、實に惟一なる生神女、神を見しモイセイに火の中に在りて焚かれざりし棘が預象せし者を崇め讃む。
共頌、「神の預言者アウワクムは」。
第五歌頌
イルモス、幽暗に居る者の光照、失望する者の救贖たるハリストス我が救主よ、我爾平安の王に朝の祈祷を奉る。爾の光を以て我を照し給へ、我爾の外に他の神を識らざればなり。
至りて福たる受難者ゲオルギイよ、主宰の前に致命者の勇敢を有ちて、爾を歌ふ者の為に切に救を求めて、爾の祈祷を以て其霊の諸病を醫し給へ。
戴冠者よ、爾は致命者として天使の品位と偕に祝ひ、無窮にして福たる光榮を楽しみて、爾の覆庇に趨り附く者を凡の激浪及び颶風より脱れしめ給へ。
ハリストスよ、爾の役者ゲオルギイの祈祷を受けて、慈憐なるに因りて、我等を凡の危難より救ひ、罪過とさいがいとの種々の紛擾を遠ざけ給へ。
生神女讃詞
神の母、恩寵を蒙れる至りて無てんなる童貞女よ、爾は原母エワの債を償ひて、爾より生れし救世主に肉體を衣せ給へり。故に我等皆爾を讃美す。
又
イルモス、仁慈なる主よ、爾の光を我等に遣し、罪過の闇より我等を解きて、爾の平安を賜へ。
ゲオルギイよ、爾は苦を受くる時勇ましく爾を迷はさんと欲する者に敵して、全く世を棄てて、残忍なる世君の権を践み給へり。二次。
ゲオルギイよ、爾は十字架の武器、信の希望、有権なる愛に防ぎ護られて、強き敵の鋭き武器を悉く鈍らせ給へり。 生神女讃詞
童貞女の産は暴虐者の智慧を辱かしめたり、蓋嬰児は霊を害する蝮の穴に手を入れて、傲慢なる背逆者を倒して、信者の足下に服せしめ給へり。
共頌、「我等黎明より起き」。
第六歌頌
イルモス、我罪の淵に溺れて、爾が憐の量り難き淵に呼ぶ、神よ、我を淪滅より引き上げ給へ。
至りて福たる致命者ゲオルギイよ、性と言と思とに超ゆる爾の勇敢の功労は常に歌はる。
福たる者よ、爾は天の軍の對話者と為り、能する所に従ひて神の顕現を仰ぎて、信を以て爾を尊む者を救ひ給へ。
至りて福たるゲオルギイよ、爾は全く神に属し、奇蹟の光を受けて、求むる者に恩賜を分ち給ふ。
生神女讃詞
至浄なる者よ、我今爾に趨り附く、爾の祈祷を以て我を救ひて護り給へ、蓋爾は全能者の母として、欲する所能せざるなし。
又
イルモス、三日の葬を預象する預言者イオナは鯨の中に在りて祈りてよべり、イイスス萬軍の王よ、我を淪滅より救ひ給へ。
ゲオルギイよ、爾は勇を以て造物主に呼べり、爾の僕を不法者に委ぬる勿れ、我に力を賜ひて、彼等の悪謀を破らしめ給へ。
ゲオルギイよ、爾は刑の器を顧みずして、自由に勇ましく功労に趨り附けり、故にハリストス神は勝利の尊榮を爾に冠らせ給へり。
ゲオルギイよ、詭譎なる暴虐者は爾の徳の試に威嚇を加へ、威嚇に烈しき苦を加へたれども、爾が傳へし生を施す主ハリストスの奇蹟に驚きたり。
生神女讃詞
潔き者よ、昔蛇は我の原母エワを以て我を誘ひて殺せり、今我を造りし者は爾に依りて我を朽壊より喚び起し給へり。
共頌、「ハリストスよ、爾は地獄に降り」。
小讃詞、第四調。
聖なる者よ、爾は神より培養せられ、最尊き敬虔の耕作者と現れて、諸徳の束を己に聚め給へり。蓋涙を以て播きて、楽を以て穫る、血を流して苦しみて、ハリストスを受けたり。今爾の祈祷を以て衆に諸罪の赦を與へ給ふ。
同讃詞
大なる軍士ゲオルギイは世の生命の為に己の生命を捐て給ひしハリストス王を慕ひて、彼の為に死せんことを望み、心に神聖なる熱望を抱きて、自ら己を付せり。故に我等皆信を以て彼を熱切にして速に助くる我が轉達者、ハリストスの光榮なる僕、善く其主宰に效ふ者として歌はん。蓋彼は常に救世主に祈りて、衆に諸罪の赦を賜はんことを求む。
第七歌頌
イルモス、不法なる虐者の神に戻る命令は高き焔を起したれども、讃め歌はるるハリストスは敬虔の少者に属神の露を降し給へり。
光榮なる致命者よ、爾は己の主宰に效ひて、自由に功労に趨り、勝利を獲て、ハリストスの教会の保護者と為れり。爾の轉達を以て常に之を護り給へ。
睿智なるゲオルギイよ、爾は勝たれぬ致命者、受難者、及び正教の破られぬ防禦者として、今爾を讃め揚ぐる者の為に堅固なる柱と為りて、爾の祈祷を以て防ぎ護り給へ。
福たる者よ、爾は智慧を以て神聖なる種を耕作して、暴虐者の残忍を抹したる爾の血の流を以て之を潤し、熱心なる苦労と種々の苦とを以て之を殖し給へり。 生神女讃詞
潔き者よ、爾は産の後にも童貞女に止まれり、蓋萬有を養ふ神、言ひ難き仁慈と多くの慈憐とに因りて人と為りし者を生み給へり。今彼に我等衆の救はれんことを祈り給へ。
又
イルモス、昔アウラアムの少者はワワィロンに於て爐の焔を踏みて、歌を以て呼べり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
至りて福たるゲオルギイよ、爾は偶像の迷の威を震ふを覩て、敬虔の熱心に焼かれて、己を功労に委ねて呼べり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
ゲオルギイよ、爾は窘逐せらるる教を傳へ、迷の闇を責むる者と現れて云へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。
ゲオルギイよ、爾は迷を根より絶ち、敬虔の教を耕作して、喜びて云へり、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。 生神女讃詞
生神女よ、爾は一切の造物より上なる者なり、蓋造物者及び主を生み給へり。故に我爾に呼ぶ、恩寵を蒙れる者よ、萬軍の主は爾と偕にす。
共頌、「少者を爐より救ひし者は」。
第八歌頌
イルモス、昔ワワィロンの火の爐は神の命令にて其勢を分ち、ハルデイを焦して、信者を涼しくせり、主の悉くの造物は主を崇め讃めよと歌へばなり。
戴冠者ゲオルギイよ、爾の祈祷を以て、烈しき慾とわざわいとの攻撃、紛擾の侵害、疾病の感染、悪魔の奸計、仇敵の悪謀を防ぎ給へ。
勝たれぬ致命者、敬虔の為に戦ひし軍士、神より榮冠を賜はりし勝利者として、全く聖三者の光に照されし福たる天の住者よ、爾の祈祷を以て爾を尊む者を救ひ給へ。
福たる者よ、爾は神゜霊の榮冠と王冕とを以て厳に妝はれ、帝笏を以て飾られ、緋袞衣を衣せられ、爾の血にて赤にせられて、萬軍の王と共に王たり。
生神女讃詞
童貞女母よ、爾は父より時なき先に生れ、世々の前に輝きし主、見ゆると見えざるとの萬物を造りし者を生み給へり。故に我等萬族は爾生神女を讃榮す。
又
イルモス、少者は苛虐者に定罪せられし後、忌はしき諸神に事へずしてて、活ける神に事へんことを悦びて、勇ましく火に入りしに、天使より湿されて、歌を歌へり、主の造物は主を歌ひて、萬世に讃め揚げよ。
ゲオルギイよ、爾は神゜に堅められて、刑具の苦しめを顧みざりき、蓋聾なる偶像に讃美を捧げずして、ハリストス神に捧げたり。爾は彼を信ずる篤き信を獲て云へり、主の造物は主を歌ひて、萬世に讃め揚げよ。
ゲオルギイよ、爾は暫時の栄華を虚しき者と思ひ、神聖なる生命を望みて、喜びて種々の苦を受けたり。肉體の無慙に分離せらるるを顧みずして、霊を堅固にして云へり、主の造物は主を歌ひて、萬世に讃め揚げよ。
銅の刑具にて爾の體の斬られ、鋭き刃にて百體の寸断せらるるを見て、爾は霊奮ひて、未来の光榮の為に今の苦を意と為さずして云へり、主の造物は主を歌ひて、萬世に讃め揚げよ。 生神女讃詞
アダムの肋骨より爾を造りし萬有の主は爾の童貞より身を取り給へり。我等彼を歌ひて呼ぶ、悉くの造物は主を祝讃し、彼を歌ひて、萬世に讃め揚げよ。
共頌、「斯の択ばれたる聖なる日は」。
第九歌頌
イルモス、無原の父の子、神と主は、童貞女より人體を取り、我等に現れて、昧されし者を明かし、散らされし者を集め給へり。故に我等讃美たる生神女を崇め歌ふ。
福たる者よ、我等爾を、ハリストスの致命者、暴虐者に勝ちし者、悪鬼を斥くる者、眠らざる守護者、耻を得ざる防禦者として歌ふ者の為に常に主に祈り給へ。
三重に福たる者よ、萬有の主宰は爾に苦難の為に優に報賞を賜へり。致命者の勇敢と喜楽とを以て彼の前に立ちて、爾を呼ぶ者を眷みて護り給へ。
受難者よ、地は爾を隠し、天は受け、楽園の門は明に爾の為に啓かれたり。其内に欣ばしく祝ひ楽しみて、爾の祈祷を以て忠信に爾を歌ふ者を護り給へ。
生神女讃詞
至浄なる生神女よ、證詞の幕は爾を預象せり。其中に石板と「マンナ」の壷と金の約匱とありし如く、斯く無原の言は肉體を取りて爾の腹に居り給へり。
又
イルモス、地上の者より生れて、造物主を生みし、我が美誉なる潔き生神女よ、我等爾造物の女宰たる者を崇め讃む。
致命者ゲオルギイよ、司祭等は爾を歌ひ、諸王は讃め揚げ、人々は爾の苦に讃美を帰す。故に我等皆爾を福なりとす。二次。
致命者ゲオルギイよ、天軍皆爾の功労を歌へり、蓋爾は祭として己を獻じて、神の悦を為せり。故に我等皆爾を福なりとす。 生神女讃詞
地上の者より生長して、造成主を生みし、吾が美誉なる潔き生神女よ、慶べ、我等爾造物の女主たる者を崇め讃む。
共頌、「新なるイエルサリムよ、光り、光れよ」。
光耀歌
春は我等に輝き、主宰の光明にして神聖なる復活は輝きて、我等を地より天の「パスハ」に赴かしむ。之と與に最光榮なる致命者ゲオルギイの明なる記憶は光る、我等欣ばしく之を行はん、救世主ハリストスより神聖なる恩寵を受くるに堪へん為なり。
光榮
受難者ゲオルギイよ、爾は光を施す日の如く、奇蹟の光線を以て遍く造物を照す。故に我等爾の記憶を行ひて、墓より復活せし主を歌ふ。
今も、祭日の。
「凡そ呼吸ある者」に讃頌、四句を立つ.第二調。
至りて祝ふべき光明にして至榮なる復活を慶賀せし者は皆来りて、又欣ばしく致命者ゲオルギイの慶賀を祝ひて、春の花を以て勝たれぬ者に冠らせん、彼の祈祷に因りて諸の憂愁と罪過とを免るるを獲ん為なり。
至りて福たる致命者ゲオルギイよ、爾は完全なる生命を爾に賜ひし主に、己を全うして、霊ある活ける果實、嘉く納れらるる至潔の祭として獻げたり。故に熱切なる祈祷者と為りて、凡そ信を以て爾を歌ひ爾を呼ぶ者を猛風より脱れしめ給ふ。
福たる者よ、爾は潔き爾の霊の中に播きたる言の種子を務めて耕作し、苦難の労を以て之を殖し、天の倉廩に置かれて、不朽の慰安を獲たり。今之を楽しみて、神に捧ぐる爾の祈祷に由りて、信を以て爾を歌ふ者を救ひ給へ。
ハリストスの受難者致命者ゲオルギイよ、爾の祈祷を以て諸の危難に遭ふ者を救ひて、諸敵の攻撃より脱れしめ給へ。霊を難ます甚しき煩悶を我等より斥けて、我等の為に恩寵と慈憐とを求め給へ、我等皆爾の祈祷を以て救はれて、喜びて爾受難者の尊貴なる功労を尊まん為なり。
光榮、第二調。
ソロモン言へり、人の瞼は直に前を視るべし、蓋直に視る者はハリストス神より憐を蒙らんと預言せり。嗚呼堅忍なるゲオルギイよ、爾は喜びて之に耳を傾けて、主宰の教に従へり。爾は己を不法者に與へて、苦を受けて、迷惘の役事を忌はしき者として辱かしめたり。造成主を愛するに由りて爾の體を寸断せん為に與へしに、ワェリアルは爾を完全なる戴冠者と見て、耻を被りて大く憂へたり。故にハリストスの受難者よ、今爾の主の第宅に上なる軍と偕に居りて、我等の霊の救はれんことを祈り給へ。
今も、祭日の。
大詠頌。聖三祝文の後に聖人の讃詞。光榮、今も、祭日の。聯祷。發放詞。
第一時課に祭日の讃詞、光榮、聖人の、今も、時課の生神女讃詞。聖三祝文の後に祭日及び聖人の小讃詞を更誦す。
傅油の時に讃頌、第二調。
大なるゲオルギイ、全世界の燈よ、爾は世に於て一切を顧みずして、唯惟一の主宰を愛する愛にのみ霊を委ね、勇ましく無量の苦に己を投じて、勝利の美しき榮冠を受けたり。故に福たる者よ、我等爾に求む、凡そ爾を歌ふ者が諸難より救はれんことを祈り給へ。
災禍と甚しき憂、度生の激浪と颶風は今我を圍み、悪慾の侵撃は我を苦しむ。我の大なる防禦者、福たる致命者ゲオルギイよ、臨みて、我信を以て爾に趨り附く者を常に爾の覆庇を以て助け給へ、我が救はれて、心の歓喜を以て爾を讃美せん為なり。
光榮、第四調。
信者の會は来れ、来りて祭を為さん、蓋今日諸徳に輝ける受難者ゲオルギイの最光明なる記憶は至りて、見ゆるなく我等の心を照す。故に我等同心に歌ひて曰はん、大なる王ハリストスの軍士よ、慶べ、正教の光榮なる誉よ、慶べ、至りて光り、至りて富める者よ、慶べ。至福なる者よ、我等の為に萬有の主宰ハリストス神に祈りて、我等が凶悪者の誘惑より守られ、我が霊の救はれんことを求め給へ。
今も、祭日の。
聖體禮儀
眞福詞は、祭日の規程の順序の歌頌、及び聖人の規程の第三歌頌。
提綱は祭日の。又聖人の、第七調、義人は主の為に楽しみて、彼を恃まん。句、神よ我が祷の時、我が聲を聴き給へ。使徒の誦読は本日の。又聖人の、聖使徒行實29端。「アリルイヤ」は本日の。又聖人の、第四調、「義人は繁ること棕櫚の如く」。句、彼等は主の宮に植えられて、我が神の庭に榮ゆ。
福音經の誦讀は本日の。又聖人の、イオアン52端。領聖詞は祭日の。又聖人の、義人は永く記憶せられ、悪評を懼れざらん。
◎大致命者ゲオルギイの記憶の指定
斯の記憶日は大金曜日より「パスハ」の後の第五週間の木曜日に至る間にあり。大致命者ゲオルギイの記憶、若し大金曜日、或は大「スボタ」、或は「パスハ」の日に當らば、聖人の讃頌、規程、及び他の奉事は光明週間の月曜日に本日の奉事に合せて之を歌ふ。
◎大致命ゲオルギイの記憶、若し光明週間の某日に當らば。奉事式左の如し。
【注意】晩課には、「主よ、爾によぶ」に、讃頌は復活の三章、聖人の三。光榮、聖人の、第六調、「軍士ゲオルギイよ、爾は己の名に適ひて」、今も、生神女讃詞.調の第一。聖入。「穏なる光」。本日の提綱。聖人の喩言三篇。若し「パスハ」の日の晩ならば、司祭誦す、「我等に聖福音経を聴くを」及び其他。是に於て常例の福音経を讀む。挿句には復活の讃頌。次に「パスハ」の讃頌、其附唱と共に。光榮、聖人の、第四調、「兄弟よ、我等霊智なる金剛石の忍耐を」、今も、「パスハ」の、第五調、「復活の日」。「ハリストス死より復活し」、三次。光榮、聖人の讃詞.今も、生神女讃詞、調の第一。司祭、睿智。並に發放詞。
早課には「ハリストス死より復活し」、及び四句の後に、光榮、聖人の讃詞.今も、生神女讃詞、調の第一。次ぎて常例の聯祷及び多燭詞。聖人の坐誦讃詞、二次。光榮、今も、生神女讃詞。講説の誦読。品第詞、第四調の第一倡和詞。提綱。「凡そ呼吸ある者」。福音経は聖人の。「ハリストスの復活を見て」、三次。光榮、「受難者の祈祷に因りて」、今も、「生神女の祈祷に因りて」。次ぎて附唱、「義人は主の為に楽しみて彼を恃まん」。並に聖人の讃頌、第六調、「今日全地は偏く受難者の光線に照され」を歌ふ。次ぎて司祭誦す、「神よ、爾の民を救ひ」、詠隊、主憐めよ、十二次。高聲の後に、規程は「パスハ」の「イルモス」と共に八句に、及び聖人の六句に。共頌は「パスハ」の、両詠隊共に歌ふ。第三歌頌の後に、小讃詞及び同讃詞は「パスハ」の。第六歌頌の後に、小讃詞及び同讃詞は聖人の。講説の誦読。「預め言ひし如くイイスス墓より復活して」、三次、両詠隊共に歌ふ。第九歌頌の後に、光耀歌は「パスハ」の、光栄、聖人の、今も「パスハ」の。「凡そ呼吸ある者」に、讃頌は復活の三、及び聖人の三。次に「パスハ」の讃頌、其附唱と共に。光栄、聖人の、今も、「パスハ」の、「復活の日」。「ハリストス死より復活し」、三次。光栄、聖人の讃詞、今も、生神女讃詞、第一の、聯祷及び發放詞。「パスハ」の時課を歌ふこと常例の如し。
聖體禮儀には、「パスハ」の倡和詞。聖入の後に、「ハリストス死より復活し」、三次.次に聖人の讃詞、光榮、其小讃詞、今も、「パスハ」の。聖三祝文の後に歌ふ、「ハリストスに於て洗を受けし者は」。提綱、使徒、「アリルイヤ」、福音經及び領聖詞は先に本日の、後に聖人の。
◎聖ゲオルギイの記憶、若しフォマの主日に當らば、奉事式左の如し。
光明週間の「スボタ」の小晩課には、「主よ、爾によぶ」に、讃頌は祭日の四旬に、光栄、聖人の、今も、祭日の。挿句には、聖人の大晩課の讃頌、其附唱と共に。光榮.聖人の、今も、祭日の。讃詞は聖人の、光榮.今も、祭日の。小聯祷及び發放詞。
大晩課には、常例の「カフィズマ」の後に、「主よ、爾によぶ」に、讃頌は祭日の六句に、及び聖人の四句に。光榮、聖人の、今も、祭日の。聖入。聖人の喩言「リティヤ」に、讃頌は祭日及び聖人の。光榮、聖人の、今も、祭日の。挿句には祭日の。光榮、聖人の、今も、祭日の。餅の祝福に、讃詞は祭日の、二次、及び聖人の、一次。使徒行實の講義の誦読。
早課には、「主は神なり」に、讃詞は祭日の、二次。光榮.聖人の、今も、祭日の。「カフィズマ」の後に、祭日の坐誦讃詞。多燭詞.及び坐誦讃詞。祭日の講説の誦読。品第詞、第四調の第一倡和詞。提綱。「凡そ呼吸ある者」。福音經は祭日の、マトフェイ116端、「彼の時十一の門徒」。「ハリストスの復活を見て」」三次。第50聖詠。光榮、「使徒の祈祷に因りて」、今も、「生神女の祈祷に因りて」。讃頌、「預め言ひし如くイイスス墓より復活して」。規程は祭日の「イルモス」と共に八句に、及び聖人の六句に。共頌は「パスハ」の、「復活の日」、両詠隊共に歌ふ。第三歌頌の後に、小讃詞、同讃詞、及び坐誦讃詞は聖人の、二次。光榮、今も、祭日の。第六歌頌の後に、小讃詞及び同讃詞は祭日の。講説の誦読。第九歌頌の後に、「主我等の神は聖なり」を第一調に依りて歌ふ。光耀歌は祭日の、光榮、聖人の、今も、祭日の。「凡そ呼吸ある者」に、讃頌は祭日の三、及び聖人の三。又聖人の讃頌、第二調、「ソロモン言へり、人の瞼は」、其附唱、「義人は主の為に楽しみて彼を侍まん」と共に歌ふ。光榮、祭日の、今も、「生神童貞女よ、爾は至りて讃美たる者なり」。大詠頌。聖三祝文の後に、讃詞は聖人の、光榮、今も、祭日の。聯祷及び發放詞。前院に出でて、光榮、今も、福音の讃頌。第一時課。各時課に、讃詞は祭日の、光榮、聖人の、今も、時課の生神女讃詞。「天に在す」の後に小讃詞を更誦す。
聖體禮儀には眞福詞に祭日の規程の第三歌頌、四句に、及び聖人の第六歌頌、四句に。聖入の後に、讃詞は祭日及び聖人の、光榮、小讃詞は聖人の、今も、祭日の。提綱、使徒、「アリルイヤ」、福音経、及び領聖詞は先に祭日の、後に聖人の。
◎聖大致命者ゲオルギイの記憶、若し攜香女、或はなん者、或はサマリヤ婦の主日に當らば、奉事式左の如し。
「スボタ」の小晩課には「主よ、爾によぶ」に、讃頌は主日の四章。光榮、聖人の、今も、生神女讃詞。挿句に、讃頌は主日の、及び聖人の大晩課の挿句の、其附唱と共に、光榮、聖人の、今も生神女讃詞。讃詞は主日の、光榮、聖人の、今も、生神女讃詞。小聯祷及び發放詞。
大晩課には常例の「カフィズマ」の後に「主よ、爾によぶ」に、讃頌は主日の本調の三章、祭日の三、及び聖人の四。光榮、祭日の、三歌經の自調の讃頌、今も、生神女讃詞、調の第一。聖入。本日の提綱。聖人の喩言三篇。「リティヤ」に、讃頌は本堂の、及び聖人の自調。光榮、聖人の、今も、祭日の。挿句に、讃頌は主日の、及び「パスハ」の。光榮、聖人の、今も、三歌経の。餅の祝福に、讃詞、「生神童貞女よ、慶べよ」、二次、及び聖人の、一次。使徒行實の講義の誦讀。
【注意】早課に。若し攜香女の主日ならば、「主は神なり」に、讃詞は主日の、「死せざる生命よ、爾死に降りし時」、一次、「尊きイオシフは爾の潔き身を木より下し」、一次。光榮、ゲオルギイの、今も、「天使は香料を攜ふる女に」。
【注意】若し他の主日ならば、讃詞は主日の、二次。光榮、聖人の、今も、同調の第一の生神女讃詞、「カフィズマ」の後に、坐誦讃詞は主日の、及び其生神女讃詞。福音経講義の誦讀。多燭詞。聖人の二坐誦讃詞。光榮、多燭詞の後の坐誦讃詞、今も、生神女讃詞。聖人の講説の誦讀。品第詞、及び提綱は本調の。「凡そ呼吸ある者」。福音經は主日の。「ハリストスの復活を見て」、三次。第50聖詠。主日の讃頌。規程は「パスハ」の、「イルモス」及び其生神女讃詞と共に六句に、聖人の四句に、及び三歌経の四句に。歌ふこと左の如し、歌頌毎に復活の讃詞一、祭日の一、聖三者讃詞及び生神女讃詞。共頌は「復活の日」。第三歌頌の後に、聖人の小讃詞、同讃詞、及び其坐誦讃詞、二次。光榮、今も、祭日の。聖人の講説の誦讀。第六歌頌の後に、祭日の小讃詞及び同讃詞。第九歌頌に「ヘルワィムより尊く」を歌はず。光耀歌は「パスハ」の、光榮、聖人の、今も、祭日の。「凡そ呼吸ある者」に、讃頌は主日の四、及び聖人の四、其光榮の、及び其附唱と共に。光榮、祭日の、今も「生神童貞女よ、爾は至りて讃美たる者なり」。大詠頌。聖三祝文の後に復活の讃詞。聯祷及び發放詞。前院に出でて、光榮、今も、福音の讃頌。第一時課。各時課に、讃詞は主日の、光榮、聖人の、今も、時課の生神女讃詞、「天に在す」の後に小讃詞を更誦す。
聖體禮儀には、眞福詞は本調の四句に、三歌経の第三歌頌四句に、及び聖人の第六歌頌四句に、聖入の後に、讃詞は主日の、及び聖人の。光榮、小讃詞は聖人の、今も、祭日の。提綱、使徒、「アリルイヤ」、福音經、及び領聖詞は先に本日の、後に聖人の。
◎聖大致命者ゲオルギイの記憶、若し五句中節の水曜日に當らば、奉事式左の如し。
火曜日の晩課には、第一の「カフィズマ」の第一段、「主よ、爾によぶ」に、讃頌は祭日の三章、及び聖人の三。光榮、聖人の、今も、祭日の。聖入。本日の提綱。祭日の喩言三篇、及び聖人の三篇。挿句には祭日の讃頌、其附唱と共に。光榮.聖人の、今も、祭日の。聖三祝文の後に、讃詞は聖人の、光榮、今も、祭日の。發放詞。
早課には、「主は神なり」に、讃詞は祭日の、二次、光榮、聖人の、今も、祭日の。「カフィズマ」の後に祭日の坐誦讃詞。多燭詞、及び聖人の諸坐誦讃詞。祭日の講説の誦讀。品第詞、第四調の第一倡和詞。提綱、「凡そ呼吸ある者」。福音經は聖人の。「ハリストスの復活を見て」一次。第50聖詠。聖人の讃頌。規程は祭日の第一の、第四調、「イルモス」と共に六句に、聖人の四句に、及び祭日の第二の規程、第八調、四句に。共頌は祭日の第二の規程の「イルモス」、両詠隊共に歌ふ。第三歌頌の後に、聖人の小讃詞及び同讃詞、又其坐誦讃詞、二次。光榮、今も、祭日の。第六歌頌の後に、祭日の小讃詞及び同讃詞。第九歌頌に「ヘルワィムより尊く」を歌はず。光耀歌は祭日の、光榮、聖人の、今も、祭日の、「凡そ呼吸ある者」に、讃頌は祭日の三、及び聖人の三。光榮、聖人の、今も、祭日の。大詠頌。聖三祝文の後に、讃詞は聖人の、光榮、今も、祭日の。聯祷及び發放詞。第一時課。各時課に、讃詞は祭日の、光榮、聖人の、今も、時課の生神女讃詞。「天に在す」の後に祭日及び聖人の小讃詞を更誦す。
聖體禮儀には、眞福詞に祭日の第四調の規程の第三歌頌四句に、聖人の第六歌頌四句に。聖入の後に、讃詞は祭日及び聖人の。光榮、小讃詞は聖人の、今も.祭日の。提綱、使徒、「アリルイヤ」、福音經、及び領聖詞は先に祭日の、後に聖人の。
◎大致命者ゲオルギイの記憶、若しサマリヤ婦の主日に當らば、五旬中節の奉事は是を舎きて行はず、主日とサマリヤ婦と聖ゲオルギイとの奉事を歌ふ。