ハリストス降誕祭前の聖世祖の主日
「スボタ」の晩課
「主よ、爾によぶ」に主日の讃頌四章、又祭前期の三、及び聖世祖の三。
祭前期の讃頌、第六調。
入らざる日は童貞の胎より出でて、普く日の下を照さん為に臨み給ふ。我等浄き目、潔き行を以て之を迎ふることを務めん、其親ら欲する如く、奇異なる産を以て己に属する者に来る主を戴かん為に、今神゜を備へん、彼が仁慈なるに因りて、エデムの生命に離れたる我等を升せん為にワィフレエムに生れ給へばなり。
ヘルワィムの肩に舁(にな)はるる神言は、至浄なる腹に入り、其位に肉體を合せて、人と為り、地上にイウダの族より生まれん為に臨み給ふ。聖なる洞は萬有の王の為に最大なる宮の如く、芻槽は火の状の寶座の如く飾られよ、童貞女マリヤは此の中に限なき者を赤子として置き給ふ、造物を改めん為なり。
獨善にして人を愛する主よ、童貞女は爾始なき神の言、智慧に超えて始を承けし主を無知の者の芻槽に置く、蓋爾は蛇の猜忌に因りて我に及びたる我が無知を釋かん為に臨み給ふ。爾は襁褓に裹まる、我が諸罪の襤褸と縲絏とを断たん為なり。故に我爾を讃栄し、大に喜びて、我に自由を得しめし爾が肉體に於ける降臨を歌ひて伏拝す。
聖世祖の讃頌
列祖の記憶は世界の極にまで實に光に満てられて、恩寵の光線を放つ者と顕れたり。蓋光明の日たるハリストスは上に輝きて、遠くより列星の會、彼と共に輝ける者を導き、神人の産はワィフレエムの中に顕れんとす。故に我等皆信を以て敬虔に祝ひて、彼の産に祭前期の讃美を奉る。
アダムは今日睿智なる列祖の基及び固として、神性に與る光栄に飾られて喜び、アワェリは偕に祝賀し、エノフは楽しみ、シフは祝ひ、ノイも倶にし、讃美たるアウラアムは諸太祖と偕に歌ひ、メルヒセデクは今父なき産の上よりするを見る。故に我等もハリストスの列祖の神聖なる記憶を行ひて、我が霊の救はれんことを祈る。
神智なる少者の會は爐の中に楽しく輝きて、ハリストスの産を地上に傳ふ、蓋尊き露の如く主は降りて、生みし者を焚かずして救ひ、無てんに守り、神聖なる恩賜に富まし給ふ。故に神の親しきダニイルも歓びて楽しむ、蓋明に山よりり截られざる石を預見して、今勇を以て我が霊の為に祈る。
光栄、聖世祖の、第六調。
主よ、神の旨に適ふダニイルは、爾種なく生れたる赤子を手にて截られざる石として見て、爾が童貞女より身を取りし言、変易せざる神、及び我等の霊の救主たるを預言せり。
今も、祭前期の、同調。(ワィザンティイの作)。
洞よ、自ら飾れ、蓋牝羊はハリストスを腹に懐きて行く、芻槽よ、言を以て地に生るる我等を無知の行より釋きし者を戴け。牧者よ、笛を吹きて、畏るべき奇蹟を證せよ、ペルシダよりする博士よ、黄金、乳香、没薬を王に獻げよ、蓋主は童貞女母より現れたり。母は婢として彼に傾きて伏拝し、己の手に抱かるる者に語れり、我が贖罪主及び神よ、如何にして爾は我の内に播かれたる、或は如何にして我の内に生じたる。
若し一月二日以外に在らば、今も、本調の生神女讃詞。聖入。本日の提綱。聖世祖の喩言三篇、(本書の末に載す)。
「リティヤ」には祭前期の讃頌、本主日の遇ふ所の日の挿句に録す所。
又聖世祖の、第一調。
大名なる諸預言者は、神言の光線に輝かされて、恒に讃美せらる。彼等は聖神゜の言の結果として、ハリストス神の言ひ難き産を衆に傳へ、至りて奇異なる生を度りて、律法に合ひて世を終へたり。
若し一月六日に在らば、「リティヤ」には讃頌、第五調、「清浄無垢の者は宣べて言へり」、(其日の「主よ、爾に<よ>ぶ」に載す)。
光栄、第三調。(ゲルマンの作)。
祭祀を愛する者よ、来りて、聖歌を以て列祖の會を歌ひて、原祖アダム、エノフ、ノイ、メルヒセデク、アウラアム、イサアク及びイアコフ、律法の後なるモイセイ及びアアロン、イイスス、サムイル及びダワィド、彼等と偕にイサイヤ、イエレミヤ、イエゼキイリ、ダニイル、及び十二、亦イリヤ、エリセイ、其他、ザハリヤ、授洗者、及び我が族の生命と復活たるハリストスを傳へし者を讃め揚げん。
今も、祭前期の、同調。
ワィフレエムよ、自ら飾れ、蓋エデムは啓かれたり、エフラファよ、自ら備へよ、蓋アダムは新にせられ、エワも彼と偕にす。詛は廃せられ、救は世界の為に華さけり、義者の霊は飾られて香料に代へて歌を奉り、禮物の報賞として救と不朽とを受く。蓋視よ、芻槽に臥し給ふ者は属神゜の歌頌を捧ぐるを命じて、常に呼ばしむ、主よ、光栄は爾に帰す。
若し一月二日以外に在らば、今も、生神女讃詞、「爾は種なく聖神゜に由りて」。
挿句には主日の讃頌。或は祭前期の、第二調。
エフラファの家、聖なる城邑、諸預言者の光栄よ、神聖なる者の生れ給ふ家を飾れ。
句、神は南より来り、聖なる者は樹蔭繁き山より来らん。
イウダの地ワィフレエムよ、肉體を取りし者の為に光明の居所として神聖なる洞を備へよ、神は其中に夫を識らざる聖なる童貞女より肉體にて生れ給ふ、我等の族を救はん為なり。
句、主よ、我爾の風聲を聞きて懼れたり、主よ、我爾の作為を悟りて驚けり。
皆来りて、信を以てハリストスの降誕の前期を祭りて、中心より博士の讃美なる星の如く歌を捧げて、牧者と偕に呼ばん、人々の救は童貞の胎より来りて、信者を召す。
光栄、同調。(キプリアンの作)。
尊き諸預言者、善く主の律法を立て、信を以て壊られず傾かざる柱と顕れし者よ、慶べ、蓋爾等は亦ハリストスの新約の中保者と顕れたり。今天に在りて、彼に世界に平安、我等の霊に救を賜はんことを祈り給へ。
今も、祭前期の、同調。(キプリアンの作)。
視よ、我等の救の時は邇(ちか)づけり、洞よ、己を備へよ、童貞女は産まん為に近づく。イウダの地ワィフレエムよ、歓びて楽しめ、蓋爾より我等の主は輝けり。山と陵とイウデヤの周囲の地よ、聴け、蓋ハリストスは其造りし人を救はん為に臨み給ふ、人を慈しむ主なればなり。
若し二日以外に在らば、今も、生神女讃詞、「嗚呼新なる奇蹟」。
餅の祝福に讃詞、「生神童貞女よ、慶べよ」。二次。
聖世詛の讃詞、第二調。
信の感化力は大なる哉、聖なる三の少者は焔の泉の中に在りて、安息の水に於けるが如く喜べり、預言者ダニイルも獅を羊の如く牧する者と顕れたり。ハリストス神よ、彼等の祈祷に因りて我等の霊を救ひ給へ。一次。
若し六日に當らば、餅の祝福に聖世祖の讃詞、「信の感化力は大なる哉」。二次、及び祭前期の、「昔マリアムは種なき胎孕を腹に懐きて」、一次。并に誦読。
主日の早課
「主は神なり」に主日の讃詞、二次。光栄、聖世祖の讃詞、「信の感化力は大なる哉」。
今も、生神女讃詞、或は祭前期の、第四調。
ワィフレエムよ、己を備へよ、エデムよ、衆の為に啓かれよ、エアラファよ、慶び祝へ、生命の樹は洞の中に童貞女より華さきたればなり.蓋彼の腹は神聖なる植物を生ずる神゜霊の楽園と顕れたり、我等此より食ひて生き、アダムの如く死ぬることなからん。ハリストスは先に陥りし像を興さん為に生れ給ふ。
次ぎて常例の「カフィズマ」。主日の坐誦讃詞、及び其生神女讃詞。福音經講義の誦読。
若し六日に當らば、左の諸坐誦讃詞を歌ふ。
「カフィズマ」の第一の誦文の後に坐誦讃詞、第四調。
神よ、爾は世祖を以て爾の永遠の子が奥密にして童貞女より地に現れんとする奥義を預め示し、アウラアム、イサアク、イアコフ、イウダ及び其他、イエッセイ、ダワィド、及び衆預言者を以て、聖神゜に因りて、ハリストスがワィフレエムに現れて、世に在る衆人を召し給ふを預言せり。
光栄、今も、同上。
第二の誦文の後に坐誦讃詞、第八調。
信者よ、欣ばしく神聖なる世祖の祭日を祝ひて、アダム、アワェリを尊み、シフ、エノスを崇め、エノフ、ノイ、シム及びイアフェトを歌ひ、律法の前に信を以て輝きしアウラアム、及び神聖なるイサアク、イアコフ。イウダ、レワィ、及び貞潔なるイオシフを讃め揚げて、熱心に呼ばん、捧神なる列祖よ、愛を以て爾等の聖なる記憶を祭る者に諸罪の赦を賜はんことをハリストス神に祈り給へ。
光栄、今も、同上。誦読。
「ネポロチニ」の後に之に属する諸讃詞。聯祷。
次ぎて世祖の坐誦讃詞、第八調。
我等皆聖歌を以てアウラアム、イサアク及びイアコフ、温柔なるダワィド、イイスス及び十二の太祖を讃め揚げん。又属神゜の力を以て火焔を滅しし三の少者を讃め揚げて之に<よ>ばん、無知なる王の迷を勇ましく責めし者よ、慶べ、且愛を以て爾等の聖なる記憶を祭る者に諸罪の赦を賜はんことをハリストスに祈り給へ。
光栄、今も、同調。
人を愛する主よ、爾は父の懐より出でて、言ひ難き謙遜を以て性に超えて、我等に適ふ窮乏を受け給へり。主よ、爾は芻槽に入らんことを甘じて、造成主及び主宰にして赤子の如く乳にて養はる。故に博士は星に導かれて、爾を造物の主宰として禮物を奉り、牧者及び天使は奇として呼ぶ、至高には人の如く生れん為に地に臨み給ふ神に光栄は帰す。
若し祭前期以外ならば、左の生神女讃詞を誦すべし。
女宰よ、爾の悉くの恩賜の為に、我感謝の讃美を、彼のやもめの二半りの如く、爾に奉る、蓋爾は庇蔭と為り、佑助と為りて、常に我を艱難憂愁より脱れしめ給ふ。故に我は燃ゆる爐の中よりせし如く、我を害する者より救はれて、中心より爾に<よ>ぶ、生神女よ、我を助けて、ハリストス神に諸罪の赦を賜はんことを祈り給へ、我爾の僕は爾を倚頼とすればなり。
本調の品第詞及び提綱。
規程二篇。聖世祖の、八句に、即「イルモス」二次、讃詞六句に。(此の中に先づ主日の二讃詞を誦す、故に八調經の規程を歌はず。)祭前期の、六句に。共頌は「ハリストス生る」。
主日及び聖世祖の規程、第六調。
第一歌頌
イルモス、昔逐ひつめし窘迫者を海の波にて匿しし主を、救はれし者の子は土の下に匿せり。然れども我等は童女の如く主に歌はん、彼厳かに光栄を顕したればなり。
ハリストスよ、死の門は畏懼に因りて爾の為に啓かれ、永久の柱は折かる、蓋爾の尊き降下に因りて古世よりの死者は興きて、楽を以て爾の復活を歌ふ。
審判者は審判せらるる者として、甘じてピラトの不法なる審判座の前に立ち、地と天の者との戦く神は不義なる手にて面を批たる。
世祖の規程
聖世祖の主日若し二日以外に在らば、八調經の主日の規程、「イルモス」と共に四句に、十字架復活の、二句に、生神女の、二句に、及び世祖の、是より六句に誦読す。世祖の他の歌頌も亦是くの如し。
今日神聖なる世祖の會は欣ばしくハリストスの降誕の前期を慶ひて、其恩寵の至栄なるを預象す、蓋アウラアム及び少者は律法の例なり。
昔聖にせられしアウラアムは惟一の三位なる神性を接く、今は父の同座たる言、讃美讃栄せらるる者は、神なる神゜に因りて其の諸子に来り給ふ。
数を以て神聖なる三者を像る少者は信を以て無神を壊り、爐に於て物質の徴にて神の隠れたる奥密を世界に顕せり。
昔アウラアムは不義の手より脱れ、神聖なる少者は爐の焔より援けられ、預言者ダニイルは猛獣及び洞より救はれたり。故に我等今ハリストスの降誕の前期を祭る。
生神女讃詞
恩寵を満ち被る聘女ならぬ母、不朽なる童貞女よ、我等爾を讃美す、蓋爾はアウラアムの族、ダワィドの裔より華さきて、預言者に預め傳へられしハリストスを生み給へり。
祭前期の規程、第一調。
(若し二日以外に在らば、是を舎きて歌はず。)
第一歌頌
イルモス、ハリストス生る、崇め讃めよ。
肉體にて赤子と為りしハリストス、甘じて貧しくなりしハリストス、見ゆる者と為りしハリストスを生まん為に童貞女は今ワィフレエムに往く、天及び地は歓ぶべし。
山及び岡よ、躍れ、神の言を宣ぶる預言者よ、祝へ、諸族諸民よ、手を拍て、衆の救贖及び光照は邇づきて、ワィフレエムの邑に生れんとす。
生神女讃詞
富める者は貧しくなりて、悪に因りて貧しくなりたる者を富ます、婚姻に與らざる童貞女より生れし人は変易せざる神と知らる。我等皆讃美して彼を歌はん、彼光栄を顕したればなり。
第三歌頌
イルモス、造物は爾、全地を寄する所なくして水の上に懸けし者が、髑髏の處に懸かれるを覩て、大く懼れ、戦きて<よ>べり、主よ、爾の外に聖なるはなし。
三日墓の中に在りし主よ、爾は生を施す爾の復活を以て古世より死せし者を復活せしめ給へり。彼等は定罪を釋かれて、喜び楽しみて呼ぶ、主よ、爾は贖罪として来り給へり。
我が救世主よ、光栄は爾の復活に帰す、蓋爾は全能者として我等を地獄と、朽壊と、死より救ひ給へり。故に我等歌頌して云ふ、人を愛する主よ、爾の外に聖なるはなし。
世祖の
神の像と肖とに由る光栄を正しく守る少者は、神゜の火を以て金の像の焔を勇ましく滅して歌へり、我等惟一の主を知る。
智慧と神゜の力とを鎧ひたる虜と為りし少者は、ワワィロンの智者を辱かしめて、勇みたちて呼べり、人を愛する主よ、爾の外に聖なるはなし。
律法は今少者及び預言者と偕に喜び祝ひて、主の神聖なる光臨の邇づくを楽しむ、アウラアムも主が其の裔より身を取り給ふを見て歓ぶ。
生神女讃詞
生神女よ、爾の胎孕は慾に與らず、爾の産は言ひ難し、蓋諸預言者に傳へられし秘密は天然に超ゆ、神の言、實在の神は我等に現れ給へり。
又
イルモス、世の無き前に分離なく。
世の無き前に父より測り難く生れし者は、末の時に童貞女より自ら知るが如く身を取り給へり、狡猾なる蛇の勧に因りて朽壊したる人類を改めんと欲したればなり。
至高きに父及び神゜と偕に坐する者は卑くなりたる人の性を見て、始なき神の子にして始を承け、人の若く身にて生れんと欲す。
生神女讃詞
諸天使及び一切の造物より聖なる者は今大なる議事の使者を種なく身にて生む、常に彼に、主よ、爾は聖なりと、歌ふ衆を喚び起こさん為なり。
應答歌、第八調。
天使は嘗て少者の爐を涼しくし、今は女等の哀を解きて云へり、何ぞ香料を攜ふる、誰をか墓に尋ぬる、ハリストス神は起きたり、人類の生命及び救なればなり。一次。
第四歌頌
イルモス、アウワクムは爾が十字架に於ける神聖なる謙虚を先見して、驚きて<よ>べり、至善の主よ、爾は地獄に居る者と偕に在りて、全能者として強き者の権柄を断ち給へり。
ハリストス神よ、地獄に於ける爾が神聖なる降下は死者の為に生命と為れり、蓋爾仁慈なる主は下に敵の権を縛りて、人々の為に天の道を啓き給へり。
贖罪主の至浄なる體は墓に臥して朽ちざりき、即ハリストスは全能者として地獄の鎖を破りて、三日目に光栄の中に復活し給へり。
世祖の
我等は世祖の首たるアウラアム、イサアク、イアコフを尊まん、蓋ハリストスは彼等の裔より輝き、全能者として童貞女より身を取り給へり。
ダニイルは将来にハリストスの下に降ることを衆の為に明に預象して、猛獣を羊の如くに為せり、神の預言者として将来の事を預知したればなり。
罪の毒に害はれざる少者は焔より救はれたり、蓋睿智なる者は實に黄金よりも純潔にして誘惑の爐に溶かされざりき。
生神女讃詞
至浄なる尊き者よ、諸民の俟望、世界の拯救たる性に超ゆる爾の産は朗かに傳へらる、世祖の會は今日之を歌ふ。
又
イルモス、イエッセイの根より生ぜし枝。
童貞女よ、爾はイエッセイの根より生じたる枝として、萎まざる花たる萬有の造成主を發けり、彼は神なるに因りて、花を以て全地を飾りて呼ばしむ、主よ、光栄は爾の力に帰す。
神の言よ、悪しき食に因りて掠められ、知識にて躓き、言なき者の若くなりし我を起こさん為に来りて、爾は赤子と為りて、言なき者の芻槽に臥し給へり、主よ、光栄は爾の力に帰す。
生神女讃詞
イイススよ、アウワクムは爾を樹蔭繁き山たる童貞女より身を取り悪しき山と岡とを崩し、凶悪者の高慢、悪魔の驕傲を空しくする者として預見せり。
第五歌頌
イルモス、ハリストスよ、イサイヤは我等の為に仁慈に因りて行はれし爾が神聖なる顕見の暮れざる光を見て、夜中より警醒して呼べり、死者は復活し、墓に在る者は起き、凡そ地に生るる者は歓ばん。
歓喜の光を明に形る所の輝ける天使は墓に現れて、女等に復活を傳ふ、彼等涙を止めて、ハリストスの復活を楽しみて、使徒等に慶べよと告げたり。
仁慈の主よ、爾は慈憐に因りて我等の形を受けて、我昔地堂に於て食の為に爾の聖なる誡を棄てし者の為に甘じて十字架に釘せられ、人の如くに死して、我に生命を賜ふ。
世祖の
我等今日世祖の首にして律法及び恩寵の嚮導者たるアウラアムの族より出でし聖なるダニイルを尊まん、蓋彼は神の預言者としてハリストスの童貞女より生るるを預言して、遙かに其神聖なる降誕を迎ふ。
明の主の我等に降臨することを預象せしアウラアムの少者は天使の降るを以て爐を滅し、火に露を出さしめて、信を以て其中に金の像の光栄を溶かせり。
ダニイルは穴に在りて神゜を以て猛獣の口を塞ぎ、アウラアムの少者は恩籠を以て火の力を滅せり、彼等は残害より拯はれて、ハリストスが童貞女より出づるを預象し、之を贖罪主として、其我等を救はんことを祈る。
生神女讃詞
主よ、イサイヤは聖神゜に藉りて、遙に恩寵の法を仰ぎ、爾が慾に由らずして我が性を受くるを顕して呼べり、アウラアムの裔、イウダの族より肉體に縁りて童貞女は出でて、種なく子を産まん。
又
イルモス、和平の神、仁慈の父よ。
至仁の主よ、爾性に於て主宰たる者は慈憐に由りて僕と為らんと欲し、純全なる神の子にして人の子と名づけられんことを甘じ給へり、故に自由に貧しくなりて、洞穴に生れん為に来り給ふ。
性に由りて容れ難きハリストス王よ、如何に小き洞穴は爾を受け、如何に芻槽は爾を容るるを能する。主よ、爾は我等の為に夫を識らざる母より肉體を以て己に属する者の中に来る、疎くなりたる者を救はん為なり。
生神女讃詞
牝羊は牧者を生まん為に来れり、聖なる洞よ、自ら飾れ、牧者よ、生れたる牧者及び羔を見ん為に疾く来れ、博士よ、之を王として、禮物を攜へて伏拝せん為に己を備へよ。
第六歌頌
イルモス、誘惑の猛風にて浪の立ち揚がる世の海を覩て、爾の穏なる港に着きて呼ぶ、憐深き主よ、我が生命を淪滅より救ひ給へ。
仁慈なるイイスス王よ、爾は三日の葬を以て死を死し、地獄を滅せり、神に適ふが如く復活して、世に在る者に生命を流し給へり。二次。
世祖の
大祖アウラアムの風習は懇に旅人を迎ふ、其信は高し、故に神聖なる秘密を預象の中に承けて歓べり、ハリストスの先駆にして今楽しむ。
少者の信は今造物主の賜にて造物を従はしめたり、蓋一切を噛み盡くす火、慙を知らざる者は、火の造成者たるイイススハリストスを尊む者に慙ぢたり。
昔預言者ダニイルは穴に於て獅の口を塞ぎて、ハリストスの降臨に由りて世界の狂暴が神妙に深き平安に就かしめらるる示せり。
生神女讃詞
夫を識らざる母マリヤよ、爾は童貞の胎よりハリストスを生み給へり。預言者が聖神゜に因りて見たる者、世祖は今其の降誕の前期を祝ふ。
又
イルモス、海の猛獣はイオナを受けしまま。
女宰よ、爾は新なる天として、雲よりするが如く、爾の胎より洞の中に身を以て義の日を輝かさん為に往く、蓋彼は無量の慈憐に由りて、其光明を以て地上の萬有を明に照らさんと欲す。
洪恩なるハリストスよ、爾は我が病と艱難とを見て、我等を棄てざりき、乃己を虚しくし、父に離れずして、婚姻に與らざる者の胎に入り給へり。彼は疾なく身にて爾を洞の中に生まん為に来る。
生神女讃詞
山と陵、平地と谷、人々と種族、諸民と凡そ呼吸ある者は神聖なる楽に満てられて呼べ、萬衆の贖罪にして時に與らざる神の言は、慈憐に因りて時に循ふ者と為りて、来り近づけり。
若し一月二日以外に在らば、世祖の小讃詞を誦す。第六調。
三重に福たる者は手の記したる像を敬はずして、記されぬ神性に擁護せられて、火の劇場に栄を獲たり。彼等は堪へ難き焔の中に立ちて、神を呼べり、嗚呼寛宥の主よ、急げ、慈憐なるに因りて速に我等を助け給へ、爾は欲する所能せざるなし。
同讃詞
昔戦ふエギペト人と戦はるるエウレイ人とわ試みたる爾の手を伸べよ。我等を遺つる毋れ、恐らくは我等を貪る死と我等を悪むサタナとは我等を噛まん、乃我等に近づきて、我等の霊を宥め給へ、昔ワワィロンに於て爾の少者を宥めしが如し、蓋彼等は断えず爾を讃栄し、爾の為に爐に投たれて、其中より爾に<よ>べり、寛宥の主よ、急げ、慈憐なるに因りて速に我等を助け給へ、爾は欲する所能せざるなし。
若し降誕祭前期以内に在らば、小讃詞左の如し。第一調。
ワィフレエムよ、楽しめ、エフラファよ、己を備へよ、蓋視よ、牝羊は大なる牧者を胎内に懐きて、生まん為に急ぐ。捧神なる世祖は彼を見て楽しみ、牧者と偕に乳を哺まする童女を歌ふ。
同讃詞
童貞女よ、爾の産の輝ける光明を観て、神に愛せらるるアウラアム、常に記憶せらるるイサアク、イアコフ、及び神の集めし聖者の全隊は楽しみ、喜ばしき言を以て造物を導きて爾を迎へしむ、蓋爾は衆の為に歓喜の縁由と顕れたり、昔ワワィロンに見られ、非義に爐の中に投ぜられし少者を焼かれずして測り難く護りし者を爾の胎に宿したればなり。故に衆人乳を哺まする童貞女を歌ひて、其の手に抱かるる者を崇め讃む。
第七歌頌
イルモス、言ひ盡されぬ哉奇蹟や、爐に於て敬虔の少者を焔より救ひし者は、気絶えし死者として柩に置かる、我等、贖罪主神よ、爾は崇め讃めらると歌ふ者の救の為なり。
嗚呼驚くべき奇蹟や、至高きに寶座に坐する主、彼は肉體を受けしに因りて死を忍べり、然れども神性の力にて復活し、古世よりの死者を偕に復活せしめ給へり。
爾は死の力を壊りて復活し、爾が誠に主たるを讃栄して、正しき信を以て、贖罪主神よ、爾は崇め讃めらると呼ぶ者に復活を賜へり。
世祖の
族祖・父アウラアムよ、爾は信を以て肉に循ひてハリストスを生みて、實に神゜に由りて諸民の父と顕れたり、我等、贖罪主神よ、爾は崇め讃めらると歌ふ者の救の為なり。
熱心者の歌は徒に呼ぶ無智者の聲を消せり、蓋少者は爐の燃ゆる火を肉體に害なく履みて、贖罪主に歌ふ、神よ、爾は崇め讃めらる。
昔預言者ダニイルは属神゜の目を挙げて、ハリストスの第二の降臨を顕し、其中に畏るべきことを預言して呼ぶ、贖罪主神よ、爾は崇め讃めらる。
生神女譜詞
驚くべき奇蹟は昔預言者の中に述べられ、世祖に現れたり、潔き童貞女は生まんと欲して来る、我等、贖罪主神よ、爾は崇め讃めらると歌ふ者の救の為なり。
又
イルモス、偕に敬虔に養はれし少者は。
神聖なる葡萄の樹は其不朽の實の成熟するに及びて、之を生まん為に往く、此れは楽の酒を滴らせて、我等、先祖の神よ、爾は崇め讃めらると呼ぶ者に飲ましむる者なり。
神聖なる香品の器は其の内に芳しき香料を有ちて、之をワィフレエムの洞に傾けん為に往く、此れは先祖の神よ、爾は崇め讃めらると歌ふ者に秘密の香気を満つる者なり。
生神女讃詞
昔預言者イサイヤの見たりし鉗は神聖のやけ炭たるハリストスを腹に有ちて来る、此れは凡の罪を焚き、信者の霊を照らす者なり。
第八歌頌
イルモス、天よ、畏れて戦け、地の基は動くべし、蓋視よ、至高きに居る者は死者に加へられ、小き柩に置かる。少者よ、彼を崇め讃めよ、司祭よ、讃め歌へ、民よ、萬世に尊み崇めよ。
嗚呼ハリストスよ、爾が我等卑微なる者の為の謙遜は言ひ難き哉、蓋視よ、爾は不死の神にして死を嘗めて、人の如く柩に置かれたり、然れども言よ、爾は復活して、萬世に爾を尊み崇むる下なる者を偕に復活せしめ給へり。
聴く者は驚かざるなし、如何ぞ至上者は甘じて地に降り、十字架と葬とを以て地獄の力を破りて、衆を己と偕に起して呼ばしむる、少者よ、崇め讃めよ、司祭よ、讃め歌へ、民よ、萬世に尊み崇めよ。
世祖の
ハリストスよ、アウラアムは爾の宰らるるを前兆して、其の生みたる子を、爾主宰の命に従ひて、信に由りて羊の如く祭に獻げん為に山に登れり、然れども喜びて、爾世界の贖罪主を讃栄讃美して、彼と偕に帰れり。
ハリストスよ、熄えざる焔は神聖なる衣の如く爾を纏へるに、爾は聖なる少者の火を全く滅し、爾の降臨に因りて露は注がれたり、故に彼等歌へり、司祭よ、讃め歌へ、民よ、世々に彼を尊み崇めよ。
預言者ダニイルは不義の裁判に因りて、食として獅にあたへられたれども、節制の命を以て猛獣を穴の深處に己と倶に敬虔に齋する者と為せり。ハリストスよ、彼及びアウラアムと少者との祈祷に由りて、爾を歌ふ者を平安に救ひ給へ。
生神女讃詞
諸預言者の聲を以て正しく預言せられしイイススエムマヌイル、人の形にて来る者、神父の子及び同無原の言を、童貞女マリヤは聖神゜に藉りて、夫に與らずして.ワィフレエムの邑に生み給ふ。
又
イルモス、露を出す爐は天然に超ゆる奇蹟。
我等諸天使と偕に楽しみて呼ばん、至高きには光栄神に帰すと。救世主は生れ、主宰は来る、星は彼を示し、博士は彼を芻槽の中に見ん為に急ぐ。悉くの造物は主を崇めて、萬世に讃め揚げよ。
大慈憐なる主よ、爾は主宰にしてケサリの法に循ひて、甘じて諸僕と偕に籍に登れり、神として人類を凶悪者の奴隷より釋かん為なり。故に我等喜びて歌ふ、悉くの造物は主を崇めて、萬世に讃め揚げよ。
生神女讃詞
童貞女は訝りて言へり、無原なる言よ、我全く夫の誘を識らずして、爾新なる赤子を懐く、地上に孰を爾の父と名づけんことを知らず。故に衆と偕に爾に歌ふ、悉くの造物は主を崇めて、萬世に讃め揚げよ。
第九歌頌
イルモス、母よ、我爾が種なくして孕みし子の柩に在るを見て泣く毋れ、蓋我起きて光栄を獲、神なるに因りて、常に信と愛とを以て爾を讃揚する者を光栄の中に高くせん。
造物よ、生命を賜ふ主を地の者の如く十字架に又柩に見て、何為れぞ哭く、蓋彼は興きて、麗しく爾を改め、三日目の復活にて地獄を滅して、彼を讃め揚ぐる死者を己と偕に復活せしめん。
生命を賜ふハリストスよ、爾は死者として墓に下りたれども、地獄の力を破りて、其嘗て呑みたる死者を己と偕に起し、神として信と愛とを以て爾を崇め讃むる者に復活を賜へり。
世祖の
律法の先に在りし世祖の祭を行ひて、彼等より出でしハリストスを神に合ひて尊まん、蓋アウラアム、偕にイサアク、并にイアコフは諸預言者及び律法の基、又信に由る恩寵の属神゜の宣傳者と現れたり。
火を以てモイセイに棘の中に智慧に超えて神妙に秘密を顕しし神は、親ら火の中に少者に降りて、其神性の固有の火を以て爐の焔を露に変じたり。
アウラアムと偕に至聖なる少者、又神の奇異なる預言者ダニイル、イサアク及びイアコフ、モイセイ及びアアロンは集まりて、ハリストスの降誕の前に熱心に祝ひて、常に我等の救はれんことを祈る。
生神女讃詞
童貞女よ、造物は皆爾と偕に爾の産を喜ぶ、蓋ワィフレエムは我等の為に.エデムを開きたり。視よ、我等皆信を以て生命の樹を楽しみて切に呼ぶ、女宰よ、我等の祷を納れ給へ。
又
イルモス、我奇異にして至栄なる秘密。
奇異にして畏るべき至栄の秘密なる哉、光栄の主は地に来り、貧しくなりて肉體を以て洞に入りたり、アダムを喚び起し、エワを諸病より解かん為なり。
洪恩の主、無原なる神の言よ、爾は己の襁褓にて諸罪の縲絏を解き、多くの窮乏にて衆を富まし、無智なる者の芻槽に置かれて、人々を無智なる諸悪より脱れしめ給ふ。
生神女讃詞
諸預言者の宣傳は終を成せり、蓋末の時に来らんと預言せられし者は来り、至浄なる童貞女より身を取りて現れ給へり。我等潔き心を以て彼を受けん。
若し一月二日以内に在らば、主日の光耀歌を誦せず、即世祖の。
無原なる言はアウラアム及び神聖なる神の先祖ダワィドの裔より出づ、此れ先に聖三者と同数なる少者を天使の降るを以て奇妙に焔より救ひ、又後に女等の涕泣を歓喜に変じたる者なり。
光栄、他の光耀歌。
列祖の選ばれたる者、律法前の世祖のアウラアム、イサアク及びイアコフは信を以て燈明の如く輝けり、蓋悉くの預言者及び義者は彼等より光る燈の如く輝き出でて、尊き預言の光線を以て一切の造物を照せり、且世界の為に熱心に神に祷る。
今も、祭前期の。
ワィフレエムよ、楽しめ、エフラファよ、爾も己を備へよ、蓋生神女は洞及び芻槽に於て言ひ難く神を生まん為に来る。嗚呼畏るべき秘密や、今アウラアム、イサアク及びイアコフ、衆列祖及び預言者、人々は諸天使と偕に彼の神聖なる降誕の前期を欣ばしく祭る。
若し二日以外に在らば、主日の光耀歌を誦す。
光栄、世祖の、「列祖の選ばれたる者」。
今も、生神女讃詞。
無<てん>の牝羊は羔として無原なる言を末の時に於て不可思議に生み給へり、世祖の大数は此のアダムの裔、ダワィドの子孫を生む所の言ひ難き産の前期を宜しきに合ひて祭る。
「凡そ呼吸ある者」に主日の讃頌四章、及び世祖の四。
世祖の讃頌、第五調。
聖なる城シオンよ、爾の聲を高く揚げ、世祖の神聖なる記憶を傳へて、アウラアムと共にイサアク及び讃美たるイアコフを尊め、視よ、我等はイウダ及びレワィと共に大なるモイセイ、又奇異なるアアロンを崇め、ダワィドと共にイイスス及びサムイルを敬ふ。我等皆聖なる歌を以てハリストスの祭日の前期を讃め揚げて、彼より我等に恩寵を被らせ、世界に大なる憐を賜はんことを求む。二次。
句、主我が先祖の神よ、爾は讃揚せられ、爾の名は世々に讃美讃栄せらる。
昔神聖なる火の車に乗りたるイリヤよ、又神智なるエリセイよ、来りて、エゼキヤ及びオシヤと偕に喜べ、神に感ぜらるる預言者の十二の尊者よ、共にハリストスの降誕を祝へ、衆義人よ、歌を以て讃め歌へ、神゜の露にて爐の焔を滅しし至りて福なる少者よ、我等の為にハリストスに祈りて、我が霊に大なる憐を賜はんことを求め給へ。
句.蓋爾は凡そ我等に行ひし事に於て義なり。
諸預言者の言の中に古世より地に傳へらるる童貞生神女は現れたり、睿智なる列祖及び義人の會は彼を宣傳す。彼等と偕に諸婦の飾なるサルラ、レワェツカ、ラヒリ及びアンナ、又モイセイの光栄なるマリアムは祝ふ。世界の四極も彼等と偕に喜び、悉くの造物は尊栄を奉る、蓋萬有の造成主及び神は肉體を以て生れて、我等に大なる憐を賜はん為に来る。
光栄、第八調。
總ての律法の教は律法の時に恩寵を福音する者に豫めハリストスの肉體に於ける神聖なる降誕を顕せり、彼等は律法より多く信に導かれたればなり、亦地獄に閉さるる霊にも豫め復活に因りて朽壊より救はるることを傳へたり。主よ、光栄は爾に帰す。
又讃頌。主日の讃頌を歌はざる時に之を用いる、第四調。
イサイヤの言は行はる、蓋視よ、童貞女は限られざる者を肉體に限られたる者として胎内に懐きて、霊妙に生まん為に来る。神を受くべき洞よ、自ら飾れ、ワィフレエムよ、己を備へよ、蓋王は爾を住所と為すを嘉せり。芻槽よ、襁褓に裹まれたる赤子ハリストス、仁慈に因りて人々の諸罪の縲絏を釋かんと欲する者を受けよ。
諸罪の書券を破りて、凡そ蛇の悪謀を以て殺されたる者を生命の書に録さんと欲する主宰は諸僕と偕に録されたり。童貞女は爾萬有を保つ主にして、死すべき肉體を衣て、小き洞に入らんことを甘ぜし者を保つ。天上の諸天使の品位は神聖なる牧者と共に爾の降誕を讃栄して、爾の権能を奇とす。
光明なる活ける雲は天の雨を含みて、今之を地に注がんとして行く、地の面を湿さん為なり。恩寵の春、神゜霊の燕は胎内に保つ者を言ひ難き言に因りて生みて、無神の冬を散ず。清浄無垢なる宮は身を取る王を洞に送る。
光栄、「總ての律法の教は」。
今も、「生神童貞女よ、爾は至りて讃美たる者なり」。
大詠頌。聖三祝文の後には復活の讃詞のみ。發放詞。福音の讃頌。第一時課。最後の發放詞。時課には本調の主日の讃詞。光栄、世祖の。今も、時課の生神女讃詞。第三時課に主日の讃詞。光栄、祭前期の。今も、時課の生神女讃詞。小讃詞は祭前期及び世祖のを交互誦す。
聖體禮儀
本調の主日の眞福詞。四句を立つ。又世祖の第三歌頌、四句、及び祭前期の第六歌頌、四句。六日に當らば、本調の眞福詞を誦せずして、世祖の第三歌頌、及び祭前期の第六歌頌を誦す。二日以外に在らば、祭前期の歌頌を用いずして、本調及び世祖のを歌ふ。聖入の後には主日、世祖、及び祭前期の讃詞。光栄、世祖の小讃詞。今も、祭前期の。提綱は本調及び世祖の。
提綱、第四調、世祖の歌。
主我が先祖の神よ、爾は讃揚せられ、爾の名は世々に讃美讃栄せらる。句、蓋爾は凡そ我等に行ひし事に於て義なり。使徒の誦読はエウレイ書328端、「兄弟よ、信によりてアウラアムは許約の地に在りて」。次ぎて主日の順序の使徒の誦読。「アリルイヤ」、第四調、神よ、我等は己の耳にて聞けり、我が列祖は爾が行ひし事を我等に述べたり。句、爾は我等を我が敵より救ひ、我等を疾む者を辱しめたり。
福音経の誦読はマトフェイ1端、「ダワィドの子、アウラアムの子、イイススハリストスの族譜」。次ぎて主日の順序の福音經の誦読。領聖詞、天より主を讃め揚げよ、至高きに彼を讃め揚げよ。又、義人よ、主の為に喜べ、讃栄するは義者に適ふ。
知るべし、本主日若し一月二日以外、即十二月三十一日或は一月一日に當らば、主日及び聖世祖の奉事式左の如し。
「スボタ」の小晩課には、讃頌は主日及び生神女の、常例の如し。
大晩課には、「主よ、爾に<よ>ぶ」に、讃頌は主日の三章、東の三、聖世祖の四、第六調。光栄、世祖の、第六調、「主よ、神の旨に適ふダニイルは」、今も、生神女讃詞、調の第一。喩言三篇、其一は、創世記14章、「アウラアムは其親戚ロト」、其二は、申命記1章、「モイセイはイズライリの諸子に謂へり」、其三は、申命記10章「モイセイはイズライリの諸子に謂へり、視よ、天と諸天の天」。「リティヤ」に、讃頌は本堂の、及び世祖の、第一調、「大名なる諸預言者は」、光栄、第三調、「祭祀を愛する者よ、来りて」、今も、生神女讃詞、「爾は種なく聖神゜に由りて」。挿句に、讃頌は主日の三、光栄、世祖の、第二調、「尊き諸預言者」、今も、「嗚呼新なる奇蹟」。餅の祝福に、讃詞は「生神童貞女よ、慶べよ」、二次、及び世祖の、第二調、「信の感化力は大なる哉」、一次、「願はくは主の名は崇め讃められて」を歌ふ、三次。第33聖詠、「我何の時にも主を讃め揚げん」、「主を尋ぬる者は何の幸福にも缺くるなし」に至る。使徒経講義の誦読。
早課には、「主は神なり」に、讃詞は主日の、二次、光栄、世祖の、「信の感化力は大なる哉」、今も、生神女讃詞、「生神女よ、爾の奥義は」。「カフィズマ」の後に、坐誦讃詞は主日の、其生神女讃詞と共に。福音経講義の誦読、即ハリストス降誕前の主日の、マトフェイの始、「ダワィドの予アウラアムの子」。多燭詞及び諸讃詞「救世主よ、天使の軍は」。聯祷。坐誦讃詞は世祖の、第八調、「我等皆聖歌を以て」、光栄、今も、生神女讃詞、「女宰よ、爾の悉くの恩賜」、品第詞及び提綱は本調の。「凡そ呼吸ある者」。福音経は主日の。「ハリストスの復活を見て」。第五十聖詠の後に主日の讃頌。規程は主日の、「イルモス」と共に四句に、十字架復活の二句に、生神女の二句に、及び世祖の六句に、第六調。共頌は「ハリストス生る、崇め讃めよ」。第三歌頌の後に、應答歌、第八調。并に誦読。第六歌頌の後に、小讃詞、第六調、「三重に福たる者は手の記したる像」。第九歌頌の後に、光耀歌は主日の、光栄、世祖の、今も、生神女讃詞。「凡そ呼吸ある者」に、讃頌は主日の三、東の一、世祖の四、第五調、「聖なる城シオンよ」、其附唱と共に、其第一「主我が先祖の神よ」、其第二「蓋爾は凡そ我等に行ひし事」。光栄、世祖の、第八調、「總ての律法の教は」、今も、「生神童貞女よ、爾は至りて讃美たる者なり」。大詠頌。聖三祝文の後に復活の讃詞。聯祷及び發放詞。福音の讃頌を前院に歌ふ。第一時課。最後の發放詞。
聖体禮儀には眞福詞は本調の、六句を立つ、及び世祖の第三歌頌、四句。聖入の後に、讃詞は主日の、及び世祖の。光栄、今も、小讃詞は世祖の。提綱、第四調、世祖の歌「主我が先祖の神よ、爾は讃揚せられ」。使徒はエウレイ書328端。福音經はマトフェイ1端。主日の順序のは是を舎く。領聖詞は「天より主を讃め揚げよ」、又「義人よ、主の為に喜べ」。
聖世祖の主日若し一月一日に當らば、其奉事の指定を新年奉事式の末(19頁)に看よ。
【注意】聖世祖の主日若し祭前期に、二日以内、即二日三日四日五日に當らば、奉事式左の如し。
小晩課には、讃頌は主日及び生神女の、常例の如し。
大晩課には、「主よ、爾に<よ>ぶ」に、讃頌は主日の三、東の一、祭前期の三、第六調、「入らざる日は」、及び世祖の三、同調、「列祖の記憶は」。光栄、第六調、「主よ、神の旨に適ふダニイルは」、今も、祭前期の、同調、「洞よ、自ら飾れ」。聖入。提綱は本日の。世祖の喩言三篇。「リティヤ」には、此の主日に當る祭前期の日の挿句の讃頌。又世祖の、第一調、「大名なる諸預言者は」。光栄、第三調、「祭祀を愛する者よ、来りて」、今も、祭前期の、同調、「ワィフレエムよ、自ら飾れ」。挿句に、讃頌は主日の、光栄、第二調、「尊き諸預言者」、今も、祭前期の、同調、「視よ、我等の救の時は邇づけり」。餅の祝福に、讃詞は「生神童貞女よ、慶べよ」、二次、及び世祖の、「信の感化力は大なる哉」、一次。「願はくは主の名は崇め讃められて」、三次。使徒経講義の誦読。
早課には、「主は神なり」に、讃詞は主日の、二次。光栄、世祖の、第二調、「信の感化力は大なる哉」、今も、祭前期の第四調、「ワィフレエムよ、己を備へよ」。常例の「カフィズマ」、坐誦讃詞は主日の、及び其生神女讃詞。福音経講義の誦読、即マトフェイの始「ダワィドの子、アウラアムの子」。「ネポロチニ」の後に、其諸讃詞、「救世主よ、天使の軍は」。應答歌。品第詞は本調の。提綱。「凡そ呼吸ある者」。福音經は主日の。「ハリストスの復活を見て」。第50聖詠の後に、讃頌は主日の。規程は主日の、「イルモス」と共に四句に、祭前期の四、世祖の六。共頌は「ハリストス生る。崇め讃めよ」。第三歌頌の後に、應答歌は世祖の、第八調。「天使は嘗て少者の爐を涼しくし」。并に誦読、第六歌頌の後に、小讃詞、第一調、「ワィフレエムよ、楽しめ、エフラファよ、己を備へよ」、及び同讃詞。祭日略解を読む。第九歌頌の後に、「主我等の神は聖なり」、光耀歌は主日の、光栄、世祖の、今も、祭前期の。「凡そ呼吸ある者」に、讃頌は主日の四、世祖の四、第五調、「聖なる城シオンよ」。光栄、世祖の、第八調、「總ての律法の教は」、今も、「生神童貞女よ、爾は至りて讃美たる者なり」。大詠頌。復活の讃詞。聯祷及び發放詞。福音の讃頌、前院に。第一時課。最後の發放詞。
聖體禮儀には、眞福詞は本調の、四句を立つ、世祖の規程の第三歌頌、四句、祭前期の第六歌頌、四句。聖入の後に、讃詞は主日の、世祖の、及び祭前期の。光栄、小讃詞は世祖の、今も、祭前期の。提綱、世祖の歌、第四調、「主我が先祖の神よ、爾は讃揚せられ」。使徒は、エウレイ書328端。「アリルィヤ」、第四調、「神よ、我等は己の耳にて聞けり」。福音経は、マトフェイ1端。主日の順序のは是を舎く。領聖詞は「天より主を讃め揚げよ」、又「義人よ.主の為に喜べ」。
ハリストス降誕前の聖世祖の主日若し一月六日に當らば、奉事式左の如し。
「スボタ」の小晩課には、讃頌は主日の四、光栄、今も、祭前期の、第六調、「洞よ、自ら飾れ」。挿句に、讃頌は主日及び生神女の、常例の如し。光栄、今も、生神女讃詞。聖三祝文の後に、讃詞は主日の、光栄、今も、祭前期の。次ぎて小聯祷及び發放詞。
大晩課には、常例の聖詠。第一の「カフィズマ」全分。「主よ、爾に<よ>ぶ」に、讃頌は十句を立つ、世祖の六、第六調、「列祖の記憶は」、祭前期の四、同調、「入らざる日は」。光栄、世祖の、同調、「主よ、神の旨に適ふダニイルは」、今も、祭前期の、同調、「洞よ、自ら飾れ」。次ぎて聖入。提綱は本日の。世祖の喩言三篇。「リティヤ」に、讃頌は祭前期の、第五調、「清浄無垢の者は宣べて言へり」、六日の「主よ、爾に<よ>ぶ」に載す。光栄、世祖の、第三調「祭祀を愛する者よ、来りて」、今も、同調、「ワィフレエムよ、自ら飾れ」。挿句に、讃頌は祭前期の、第二調、「エフラファの家」、附唱、「神は南より来り」、次ぎて二讃頌、「イウダの地ワィフレエムよ」、附唱、「主よ、我爾の風聲を聞きて」。「皆来りて、信を以てハリストスの降誕」。光栄、同調、「尊き諸預言者」、今も、祭前期の、同調も「視よ、我等の救の時は邇づけり」。餅の祝福に、讃詞は世祖の、第二調。「信の感化力は大なる哉」、二次、及び祭前期の、一次。使徒經講義の誦読。
早課には、「主は神なり」に、讃詞は主日の、二次、光栄、世祖の、「信の感化力は大なる哉」、今も、祭前期の、「昔マリアムは種なき胎孕をに懐きて」。第一の「カフィズマ」の後に坐誦讃詞は世祖の、第四調、「神よ、爾は世祖を以て」、光栄、今も、同上。福音経講義の誦読、即マトフェイの始、「ダワィドの子、アウラアムの子」。第二の「カフィズマ」の後に、坐誦讃詞、第八調、「信者よ、欣ばしく神聖なる世祖」、光栄、今も、同上。「ネポロチニ」の後に、其諸讃詞。聯祷。坐誦讃詞は世祖の、第八詞、「我等皆聖歌を以て」。光栄、今も、同調、「人を愛する主よ、爾は父の懐より」。品第詞は本調の。提綱。福音経は主日の。「ハリストスの復活を見て」。第50聖詠。主日の讃頌。規程は世祖の、第六調、八句「イルモス」、「音逐ひつめし窘迫者を」、二次、讃詞六句に、(【注意】此の規程の中に復活の二讃詞あるに因りて、主日の規程を歌はず)。又祭前期の規程、第一調、六句に。共頌は「ハリストス生る、崇め讃めよ」、両詠隊共に歌ふ。第三歌頌の後に、應答歌は世祖の、第八調、「天使は嘗て少者の爐を涼しくし」。并に誦読。第六歌頌の後に、小讃詞は世祖の、第一調、「ワィフレエムよ。楽しめ」、及び同讃詞。祭日略解を読む。第九歌頌に「ヘルワィムより尊く」を歌ふ。光耀歌は世祖の。「無原なる言はアウラアム」、光栄、「列祖の選ばれたる者」、今も、「ワィフレエムよ、楽しめ」。「凡そ呼吸ある者」に、讃頌は世祖の三、第五調、「聖なる城シオンよ」、及び祭前期の三、第四調、「イサイヤの言は行はる」、光栄、世祖の、第八調、「總ての律法の教は」、今も、「生神童貞女よ、爾は至りて讃美たる者なり」。大詠頌。復活の讃詞、及び其他、并に發放詞。前院に出でて、光栄、今も、福音の讃頌。第一時課。各時課に、讃詞は主日の、光栄、世祖の、今も、時課の生神女讃詞。聖三祝文の後に、小讃詞は世祖及び祭前期のを交互誦す。
聖體禮儀には、眞福詞は世祖の規程の第三歌頌四句に、及び祭前期の第六歌頌四句に。聖入の後に讃詞は主日の、世祖の、及び祭前期の。光栄、小讃詞は世祖の、今も、祭前期の。提綱、世祖の歌、第四調、「主我が先祖の神よ、爾は讃揚せられ」、句、「蓋爾は凡そ我等に行ひし事」。使徒はエウレイ書328端。「アリルイヤ」、第四調、「神よ、我等は己の耳にて聞けり」。福音經はマトフェイ1端。主日の順序のは是を舎く。領聖詞は「天より主を讃め揚げよ」、又「義人よ、主の為に喜べ」。