7、幸せの歌 ――アンティホン

 「幸せなら手を叩こう」という歌がありましたが、人々は幸福であったり、楽しいとき、好んで歌をうたうものです。これが聖体礼儀のとき聖歌隊が聖歌をうたう理由でもあります。私達がうたう歌は賛揚の歌と呼ばれています。 誰かがすばらしかったり、善良であったり、或は偉大なことをしたとき、私達はその人をほめたたえます。それと同じことを神に対してするのです。私達は、聖歌の中で神がいかにすばらしいかをうたい、又神が私たちのためにして下さったあらゆる善きことのために感謝を献げます。その故にこの歌は幸福に満ちたものとなっています。
 聖体礼儀で第一番目にうたわれる歌はアンティホン(唱和詞)と呼ばれます。この歌は二つの聖歌隊によって歌われます。しかし殆どの正教会の聖堂では聖歌隊は一つしかありませんが、この歌は昔からの名で呼ばれています。
 アンティホンは旧約聖書にある「ダヴィドの聖詠」(102)の詩の一部から作られています。第一アンティホンは次の言葉で始まります。

「我が霊や主をほめ揚げよ、主や汝はあがめほめらる。
 我が霊や主をほめ揚げよ、我中心やその聖なる名をほめあげよ・・・」